『甘城ブリリアントパーク』 武本康弘 監督 なかじまゆかさんのキャラクターって、もうめっちゃくちゃかわいいよねー。動いているだけで、感涙です。

甘城ブリリアントパーク 第1巻 限定版 [Blu-ray]

評価:★★★☆星3つ半
(僕的主観:★★★★4つ)

甘城ブリリアントパーク。個人的には可もなく不可もなく。という印象。特に、非常に最後まで違和感があったのは、主人公の男の子が、つぶれかけたテーマパークの支配人、言い換えれば経営の建て直しに抜擢されるというか、ヘッドハントされるのだが、その理由が、ぼくにはさっぱりわからなかった。過去に子役のスターだったというのは、関係なくないか?。いすずが転校してまで彼をヘッドハントする理由になっていない気がする。物語の根幹部分だとおもうんだよ、ここは。ようはこの物語は経営再建物語になるわけで、だめだったテーマパークが再生していくことが脚本の肝。だとすると、それを実行する、立て直す、主人公の男の子の「能力」というか「手腕」が、このカタルシスに大きくかかわってくるはず。なのに、そこがあんまり、納得いかないものなので、何で?何で?と思って、シナリオになかなか入りきれなかった。この根幹の部分が、僕的には評価が低くなってしまうので、★3つ半。


もうひとつ加えると、経営や事業の建て直しを仕事にしている身からすると、いやあまりにも、対応が陳腐で素人くさすぎない?と思ってしまったのも、入れない原因のひとつだった。所詮ただの高校生で素人なのだから、もちろん、最低限のオーソドックスな改善手法や、人を鼓舞したり動機を植えつける演技などがあるだけでもたいしたものなのはなのだが、、、、でもなぁーここまでひどくなったものが、再生するって、御伽噺みたいなもので、おとぎばなし、、、作中の言葉で言うのならば奇跡に対して、なんかいまいち、実行が伴わない感じがするんだよね。そもそも経営主体がどこで、キャッシュがどこから回っているのかがさっぱりわからない。どう考えても、給料払えなくて倒産している状態にあるとしか思えないのだもの。。。。せめて、そこに、うそっぽくてもいいから理由を作ってくれないと、ぜんぜん理解できないんだよなぁ。そこが、入れないので、どんなにほかの出来が良くても、僕にとってはいちまいちであった。


個人的に興味深いのは、小説がオリジナルなのだそうだが、面白いのだろうか?とちょっと疑問に思うってしまう。この作品の脚本のコアは、経営再建にあるのであって、それがどんなにアクロバティックなファンタジーであっても、そこが面白おかしく描かれて、その「すごさ」が、この物語のカタルシスになるんだと思うんだが、、、それが、これほど面白いアニメーションスタジオを作るスタッフにまかせても、ほとんどないってことは、原作にほとんど無いってことなんじゃないかなぁ、と思うんだよね。たぶん、つまんないんじゃないかなぁ。。。というか、小説に手が伸びないだろうなぁ。この続きとかはあると思うんだけど。そもそも、呪文の話とか、ラティフアに関するドラマトゥルギーは、ほとんど語られていないからねぇ。ラティファ、、、とんでもなくかわいいんだけどねぇ。。。

甘城ブリリアントパーク1<甘城ブリリアントパーク> (富士見ファンタジア文庫)


けれども、前回の『境界の彼方』で書いた話と同じ。1話1話の演出の丁寧さ、各キャラクターの積み上げの安定感、アニメーションとしてのでき、面白さは、むちゃくちゃハイレベルの技術によって構成させられている。なので、凄い見れるんだよね。そもそも、ぼくは、なかじまゆかさん、大ファンなので、キャラクター見てるだけでも、へにゃーと、にやついてきてしまう。そういう意味では、現代のアニメーションスタジオの蓄積されているレベルって、信じられないくらい高いんだなーと思う。ようは僕はシナリオの根本部分がだめだって上で感じているんですが、それでも、ぜんぜん面白く見れてしまう。絶対見るべきものか、といえば、うーんとなってしまうんだけれども、これはこれで愛せる、愛すべきアニメーションだと思う。


ライトノベル的には、ぼくの持っている文脈ではあまりつながらないので、文脈読みができなかったなー。アニメは、とってもキャラクターがかわいいし、丁寧なできなんで、続きとかあれば見てみたいけど。でも、がんばって、小説ほうをそろえて読み込むって程のパワーは生まれなかった。

甘城ブリリアントパーク 第2巻 限定版 [Blu-ray]