ひさびさに、大長編の物語に浸る喜びに溺れています

風雲児たち (幕末編1) (SPコミックス)風雲児たち (幕末編1) (SPコミックス)
みなもと 太郎

リイド社 2002-07-26
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紹介してくださったLDさんとGiGiさんに、本当に感謝を。素晴らしい、素晴らしい物語です。この鎖国した身分制社会に、最上徳内のような偉大な国際人がいたことも、頼山陽とほぼ同じ幕府のピークを予測した慧眼も、読んでいてしびれるほかないです。特に、LDさんは、最上徳内が好きだとおっしゃっていましたね。・・・というか、素晴らしすぎるにしてもほどがあるぜ!っていくらい、物凄い人物ですね。でもきっと、僕は思うのですが、「正しい形」で世界を生きていると、究極はああいう境地や人格に到達するものなのかな?と思いました。同じ蝦夷地開拓や地図の作成(=ナショナリズム・領土意識発生)を行っていても、行動は素晴らしくとも袋小路に行く人もいれば、、、徳内のような偉大な精神を形成することもある・・・・いや、本当に素晴らしすぎる。


惜しむらくは、高田屋嘉兵衛の部分が一足飛びで割愛されている部分ですね・・・これは、司馬遼太郎の『菜の花の沖』読まなければ、と思いました。ただ、やっぱり漫画の力は凄い。あの絵一枚だけで、高田屋の物凄い巨大さが、一発で印象付け胸に迫るもの。こういう歴史ものは、ともすれば、「先の物語がある故」にマンガとしてのダイナミズムを失いがちですが、これほど見事なのは作者の力量ですね。しかも群像劇で、こんなに我々日気のない分野を描きながらも!。


いま、25巻「牢破り高野長英」まで来ました。いままで分散して存在していた江戸期の文献や人物が、明確な像と物語を持って、僕の頭の中にビジョンとして息づき始めました。いやー本当に素晴らしい。興奮します。何度も読み返すつもりです。ああ、生きてて良かった!!。