東のエデン 第七話 ブラックスワン舞う


面白い。もうそのたとは比較にならない面白さだ。どのくらい視聴率や人気があるのかはわからないが、素晴らしいと、僕は感じる。たぶん監督にとても哲学がある気がする。たとえば、この話の最後の翼のシーンは、えっ?ファンタジーなのこれ?と思わせておいて、セレソン携帯の画面で、これが手品の演出(なんのためかわからないが)になるというシーンは、たぶんこの監督が、物語を演出するうえで、物語のリアリティと、「見ている僕らのリアリティ」をちゃんとシンクロさせようという細かい演出の機微を感じる。


というのは、それほど日常の現実感を合わせる演出をしておきながら、同じ風景で「迂闊な月曜日」のミサイルの落下後の光景が、東京の僕らがいつも見ている風景から見えるんだ。このミサイルの落下は、この物語の主人公である滝沢朗、セレソンナンバーナインの、、、元の記憶を失う前の彼の「この国を救う」手段の核心の一つであるわけで、、、このリアリティの自然な落差こそが、この物語の演出感の見事さなわけで、それは普段が安定的なリアリティをもつからこそできる演出だ。・・・・ただ、これは映画向きの手法かもしれない…アニメでやると地味になってしまい、かなりハードな設定の物語ならばいいが、そうでないと移り気な観客をつなぎとめておけないかもしれない、、、とは思う。


ものすごく面白いホンモノなんだけどね、、、。ホンモノが主題のコアが、どこまで通じる時代なのだろう?という部分はあるので、もう少し、遊びがあると、、、と思うが、遊びがない主題一直線の物語を作りたかったんんだとは思うけれどもね。