保守ではなく反左翼というカテゴリーで

David Brooks:

People like Biden. I think (AUDIO GAP) his agenda. But, right now, that seems to enough.

I had a lunch with a Republican senator a couple years ago now. And he ran. He was up in 2016. And he said, what was interesting about my rallies in 2016, he said, I didn't know any of these people, that they were not the Republicans I had known in my state all of my life.

There was a new group that came in and took over. It was a hostile takeover of the Republican Party. And the people in the Jefferson Project, and people in the Bush campaign, are conservatives. Trump is not a conservative. He is an anti-leftist. And there is a difference.
And so, if you are a Bush person, say, and a lot of the Jefferson Project people are McCain people, you served a man of character. You sort of believe in America's expansive role in the world. You believe in immigration.

What the Trump party offers you is neither character nor good policy. And so for a lot of people, I am surprised it has taken them this long. This is a clear choice, that they need to change, and they are willing to give up on judges and some of the other issues they care about just for the moral health of the country.



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このトランプ政権の支持者が、「保守」ではなく、「反左翼」というのは、なるほどなぁと思いました。ずっと考えてきたことが、クリアーに少しなった気がする。僕も、トランプさんやトランプさんの支持者の、激しやすいポイントって明らかに、「左翼全般を敵視する」という部分にあるよなって思うんですよね。左翼の定義は、ブロードで、リベラルがすっぽり入るのですが、アンティファなどの治安を乱す極左の活動をターゲットに、言説、メッセージに乗せてやると、極端なくらいに火花が散って爆発する。「反左翼」には、そういった「秩序の紊乱を許さない」という直接的なところから、「現状を維持する(+保守)」につながって、「白人至上主義などを包含する反リベラル」まで、全部おおってしまいやすい。でも、「反左翼的なもの」だけに焦点が合うと、古き良き共和党、GOPの価値観にまで抵触しちゃうので、そこでコンフリクトが起きる。

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George W. Bush元大統領が、バイデンさんを支持するという話が出ていたが、上の文脈の、共和党内部での派閥というか支持志向の違いが、うっすらと分かって気がする。民主党の、中道と極左の差はずっとモニターしてて、分かっていたんだけれども、共和党は現政権ということもあるし、いまいちよくわからなかったんですよね。ただ、だいぶ考え方には差があるのはわかっていたんですが、なるほど、ボストンティーパーティーなどの右派、中道(=これが保守に当たるのだろう)そして、それと反左翼は、いいカテゴリー分けかもしれない。今後の考えの、手がかりになりそう。


いままでずっと民主党の分裂を考えていたんだけど、これをきっかけに、違いが理解できるかも。

US President Donald Trump has railed against the "cancel culture" of those who toppled monuments during recent anti-racism protests, in a speech to mark 4 July at Mount Rushmore.

He condemned those who targeted statues as "angry mobs" trying to deface "our most sacred memorials".

Mr Trump accused protesters of "a merciless campaign to wipe out our history, defame our heroes, erase our values, and indoctrinate our children".

"We will not be silenced," he said.
Mount Rushmore: Trump denounces 'cancel culture' at 4 July event
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閑話休題


トランプ陣営にとっては寝耳に水だったようだが、主流メディアにとっても驚きだった。次第にわかってきたのは、この驚くべき現象の背後に、ソーシャルメディアTikTokのユーザーとK-POPのファン、そして「TikTokおばあちゃん」というニックネームをつけられた女性の存在があるということだ。ピート・ブーテジェッジ(注:民主党の候補として2020年の大統領予備選に出馬したが後に辞退)の選挙ボランティアを始めた1年前までは無所属だったというこの女性は、「トランプ集会のチケットをリクエストしたうえで行かない」という具体的な抗議運動の方法をTikTokで伝授した。このビデオが若者の間でシェアされて広まった。この方法を広めたもうひとつの意外なヒーローは、ARMYと呼ばれる団結力が強いK-POPのファンだという。以前からトランプに対し批判的だったK-POPファンによるチケットのリクエスト活動はさらにめざましいものだったようだ。

imidas.jp

僕は、これはどう受け取ればいいのか、まだ自分の意見が固まらない。というのは、トランプ大統領のラリーに対して、要はサイバーテロをしたことになるんだろうと思うけど、、、これって、違法行為なんじゃないの?と思うんだよね。もしくは、仮に違法ではないとしても、これを、肯定的に受け入れていいものかどうか、僕はかなり疑問だ。トランプ大統領への批判ということで、肯定的に見ている人が多いが、これはそうとってはいけないんじゃないの?と思う。


というのは、これって、たとえば、仮に、民主党の候補者、、、たとえばバイデン候補が実際の集会をする時に、同じことをやり返されたら、そんなことはやめるべきだ!となるはずだと思うんだよね。自分に都合のいい相手や集会に対して、集会自体の妨害行為を肯定なり、、、、しくなくとも批判しないのは、ダブルスタンダードになってしまう。あまり暴力的なことを肯定してしまうと、際限のない報復合戦の例になってしまうので、これは、僕はあまり認めたくないなー。なによりも、いまのトランプさんの戦術は、明らかに、「秩序に対する破壊活動、テロ活動をする奴らを否定せよ!」というメッセージなので、ここを野放しにするのは、非常に危険だと思うんだよね。少なくとも、実力による妨害は、肯定されるべきではないともうなぁ。


しかしながら、、、僕自身も線引きをどこのあたりにするかは、悩んでしまう部分はあって、同じことは銅像の引き倒しにも言えるんだけど、あれは僕は、「行き過ぎであってもやるべきもの」のような気もするんだよね。あれは実力行使に出ないと、そのまま極右の歴史の記憶が固定されてしまう、、、というのは、なるほどというか思ってしまうんだよね。。。。。。というと、まさにいまの自分の批判と同じ批判が帰ってくるんだけれども。自分のなかで何が違うんだろう、、、というのを、いろいろ感がさせられる今日この頃。


これって、どこまでが、世界の停滞を打破するべき抗議活動なのか、というのと、秩序を破壊する革命活動なのかの、線引きって、実際は難しいんだよね。いろいろ考える。これって、まさに「自分の実際のスタンス」、ポジショニングが問われる話だから。


ちなみに、このコロンブスリー将軍銅像の破壊活動や南軍旗の起きている現象は、僕は歴史修正主義や、日本と韓国でいうと従軍慰安婦問題や慰安婦像の話と、ハイレベルで考えると現象としてシンクロしていると思うんですよね。ことは思想戦争なので、どっちの「歴史的な解釈」が勝つかの、実力闘争になっている。「行き過ぎな行動や捏造による実力行使」をしてでも、現状の「極右的な捏造の歴史修正主義」に抵抗しないと、そのまま現在の(もしくは過去によって固定された)歴史解釈の捏造が継続してしまうので、手段は問わず、行動を起こす!!!。革命を志向する思考なんだけど、、、、これって個別のケースですごく、よくわからなくなる難しい問題。例えば、ドイツでいえば、アウシュビッツはなかった!みたいな意味不明の話に対抗するためなら、ウソや捏造を通してもそういった極右思想を止めなければならない!と言われると、ウソはともかく、、、うーん、そうかも、と思うでしょう?。さすがにアウシュビッツなかったは、ないだろうと。でも、これが、南軍旗やリー将軍コロンブス銅像や、従軍慰安婦像とかになると、価値観と現勢力の実力闘争になるので、、、わけがわからなくなる。そもそも特にローカルな闘争は、外から見たら意味不明になる。事実関係って、本当に難しいから。コロンブスが、ネイティヴアメリカン虐殺のシンボルで、西海岸の諸州は認めていないで、東海岸や南部側とケンカしているとか、アメリカ来るまでで、僕は知らなかったよ。そうすると、どの民族、どのグループ、どの価値観を信じているかによって、「どのあたりが歴史的事実で保守的(=まぁ妥当な歴史解釈)な視点」かは、かなりずれてしまう。こうした歴史の解釈をめぐる、、、歴史の記憶をめぐる闘争が世界中で起きているのは、まさに20世紀の価値が、いまリビルドされる時期に来ているからなんだろうと思う。こういう歴史解釈をめぐる、動揺を見ていると、「書かれた歴史」とか「定まった歴史」というのは、まじでめちゃくちゃ信用ならねぇな、と凄い思う。自分の現在の思想信条から、解釈しなおしているわけだから。


閑話休題


この独立記念日ウィークというか、休みは、いつもや旅行に行くので、家でゆったりしないので、ずっとトランプさんの式典やスピーチを見てた。しかし、もう驚くのなんの。なんというか、ポリコレに対して、これでもかとケンカを売る姿勢は、極論で自分の支持層の身を選挙対策で見ているが、凄くわかる。同時に、「アメリカの保守的な白人中心主義の価値観」のステレオタイプを強調して見せてくれるので、なるほどなぁ、アメリカの中産階級の白人には、世界はこう見えているんだなぁ、と非常に興味深かった。というのはべ、、、なんというのだろう、最近アフリカンアメリカンの映画やドラマを見ていると、その視点は、リベラルで極左の方に価値観が触れている視点だと思うんだけど、これまでのアメリカの歴史が全く違って見えるのね。でも、いま同時に、ワシントンとハミルトンの自伝を見ていると、なんというのあかなぁ、ヴァージニアやピルグリムファーザーズのアメリカの歴史が、どんどん変わっていっているのが、凄い感じる。だって、建国の父のワシントンやジェファーソンだって、奴隷肯定の差別的な人種主義者にしても、事実から言っておかしくないので、そうすると歴史の解釈が全く変わってしまう。この二人が、「本来もっと自由で平等なアメリカ」の反動的な敵対者として描かれても、おかしくないわけだから(苦笑)。いや、それは、さすがにねぇだろうといいたいところだけど、これが南部の話になると、もうめちゃくちゃ複雑になるのがよくわかる。


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Mt Rushmore Speech



なので、無批判に見ていると、非常に偏った「物語」を見せられている可能性があるというのは、特に今回の『13th』などの映画を見ると、そういう視点で歴史を再構築もできるのだ、と驚く。そして、今度はこっちばかりを見ていると、またそれはそれで偏るのだろうと思う。まぁ極右と極左の視点は、同時に見ておかないと、ほんとうの中道はわからないんだろうと思う。


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7/4は、フラストレーションがたまっているのか、物凄い花火だった。毎年、それなりに音がするけれども、今年は、寝れないぞ!というくらい、ガンガン凄かった。ほとんど違法。いやーストレスたまりまくりだな、アメリカ人。


【AzukiaraiAkademia2020年6月ラジオ】アメリカBLM抗議デモと暴動+僕ヤバとラブコメ


Academia/Academia/アメリカBLM抗議デモと暴動+僕ヤバとラブコメ 2020/06/20


タイトルで、既に意味不明的な感じがするが(笑)。いつものアズキアライアカデミアのクオリティ。6月の放送。LDさんの認識が、興味深かった。彼の「革命」に対する認識は、とても面白い。もともと、ずっと考えてこだわっているところだったのですが、今回の銅像の打ちこわしの話とリンクして、なるほど!という納得がありました。アメリカの銅像打ちこわしが、建国の父にまで飛び火して、さらに地理的に連合王国やベルギーなどヨーロッパに飛び火しているのは、世界の「人種差別に関する認識」に革命が起きている流れで考えるとわかりやすい。また、「革命」は、基本的に暴力を伴うし、少なくとも憲法レベルのコモンセンスを、まっさらな更地にすることを要求しているわけで、そこには止まることはない。そして、だからこそ、保守、右翼サイドが、この問題を法と秩序、公安(パブリックセキュリティ)の問題としてアクションするのは、正しいのだろうと思います。ただ、日本は、この「流れ」が全く理解しているようにも、ついていっているように思えないので、先の大戦に突き進んでいったときに「国際情勢に対する感度のなさ」が、また出てきている気がして、不安です。


などというまじな話の最後は、ひたすら最近僕ヤバが、素晴らしすぎるという話でした。相変わらず、我々の会話は、脈絡が飛びすぎ。

The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)って、もうGeorge Floyd protestsと関係ないよね、これ。


本日は、6月26日の金曜日。さっきゴールドマンサックスのCOVID19に関するデータを読んでいたけど、やばいね。アリゾナやテキサス。特に、カリフォルニアは、躍進。うれしくないけど。特に、ロサンゼルスカウンティの上がり具合が半端ない。わがオレンジカウンティは、まだそれほどでもないのが、少しの安心?材料。5月末から、まだ一月もたっていないのに、何か月もたったような感覚がある。今週6/22の週から息子のサッカーのクラブの練習は再開。サマースクールもだいぶ再開。もちろん、距離を保ったり、いろいろ制限はあるけど。でも、何とか日常を再開しよう、元に戻そうという雰囲気は、あるものの数字が裏切っている。どうなるのかなーと、不安はますばかり。

もう一つのホットシューは、やはりビザ発給停止問題。アメリカの労働者を守るというイメージのもとに進められたのですが、実効はかなり疑問。しかし、移民や外国人を減らそうとする、「なる振りかまわない」行動力は、支持者にどう映るのだろうか。この辺になると、思想戦争的な対立を帯びる話で、アメリカを移民の国ととらえるか、それを制限する鎖国傾向を選ぶのかは、価値のコア中のコアなので、これは意外に重い気がする。とはいえ、それ以上に、経済の失速が、凄すぎるというのもある。4月の14.7%は戦後最悪。5月は持ち直して、13%。トランプ大統領は「経済再開は極めて順調だ」と主張しているが、失業率は金融危機時のピーク(09年10月、10.0%)を超えたまま。というよりも、僕の周りのアメリカ人の友人が、MBAホルダーをはじめ、どんどん解雇されたという連絡が来る。君のところで、職はないか、という連絡も。勤続年数が10年を超えるようなベテランも含めてなので、正直、過酷なのが、肌感覚で分かる。もちろん、自分だって、どうなるかわからないし。個人的な感覚では、アジアは平静を保っているように感じるが、アメリカ経済は、ダメージがシリアスすぎる気がする。とはいえ、with-corona、after-corona、post-coronaどんないい方でもいいけれども、需要の在り方が、過去とは全く違ってしまった感じもするので、単純な不況とは言えない気もする。

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とはいえ、クオモさん州外からの移動には、14日間の検疫を設けるということで、第二波がシビアな現実になってきているのがわかる。


さてさて。

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The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)が、シアトルで生まれているんだけれども、、、解放区?とでもいうのかな?。これ、非常に興味深いと思っている。George Floyd protestsから黒人のシステマチックレイシズムに対してプロテス運動が広がった後、略奪・暴動が同時並行でされるようになり、CHAZになった。これって、異なる目的というか運動が、同時に起きているので、区別しなきゃいけないんだろうと思う。実際、CHAZを見れば、ほとんど白人ばかりで、これが黒人の扱いに対する抵抗運動にはもう思えない。

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ずっとヒラリークリントンさんの選挙運動から、民主党の動向を追っている時に、バーニーサンダースの支持者が、白人の男性の若者の極左の運動家が多く、彼らの目に余る暴力性や行き過ぎに注意を向けるべきという話をずっと気にしていたんですよね。というのは、これが悪いっていうんじゃなくて、白人の若者を中心に、民主党内では、最左派にあたるメンバーが強い力を持っていることは、極左への要求が根強く深いということだと思うんですよ。特に、白人の男性の若者に。「このこと」と、とてもリンクする気がするんですね。特に、シアトルなど北部カリフォルニアは、リベラルな傾向がとても強いので、なるほどなぁと思ってしまうんですよね。↓この本を読まないと、、、と最近しみじみ思っている(まだ読めていないので)。

American Character: A History of the Epic Struggle Between Individual Liberty and the Common Good (English Edition)


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左派の中にも、「極端な左派」が力を持ち、民主党の中道勢力を侵食している。この「構造」は、バーニー現象で、よくよくわかるのです。ここでの極端なリベラルの思想は、中道的なリベラルな人からは、嫌悪されるほど極端で、なかなか受け入れられない。そして、その果てに、アンティフアなどの暴力肯定の組織がいるわけです。トランプさんやその支持者が、これらのアンティファ的な、秩序の破壊者、暴力行為に対して、強硬に対処しなきゃいけないという反応は、わかりやすい。実際に、暴力行為なので、パブリックセキュリティの観点から、これを武力で鎮圧せよ、と言って憎しみをまき散らすのは、それそれで、正当な筋道です。銅像だって、ガンガン壊したら、それはそれで犯罪です。民主的なプロセスを無視しているわけですから。The Capitol Hill Autonomous Zone (CHAZ)なんかは、もう完全に、左翼革命志向だよねというのがわかる。警察の交渉する代表が黒人だったりして、解放区にいるのが白人だったりすると、もうGeorge Floyd protestsとかとは、まったく関係ないよね。

けれども、同時に、やはりこの構造が凄く「利用されやすい」のは、


1)そもそも平和的なデモでありたいGeorge Floyd protestsも一緒くたに、意図的に混同して、秩序の破壊者として宣伝して悪魔化する

2)同じく問題の根本である、白人警官によるシステマチック(インスティテューショナル)レイシズムに対しても同じく、まとめて否定する。

3)問題の根本の一つは、保守中道から極右やファンダメンタリストなどの宗教右翼の台頭であるのに、そちらは無視。


というように、極左と極右の対立であると、いってみれば、共産主義革命や左翼主義革命の無政府状態に対する鎮圧というカードで対処しちゃおうとするんですね。George Floyd protestsです。とはいえ、こういうカードが、ニクソンレーガン以来常に共和党側にはあるということ、考えないと、あまりに極左に走るのは、特にアンティファなどの暴力肯定は、危ないよね、という構造はあるはずなんです。「にもかかわらず」激しく、根強く、急進左派の指示と行動は、何かガス抜きがない限りとまらないほど、根深いというのが、僕には興味深いです。いったいなんで?。それはどこから?、どんな個人的な情熱があるの?とかとか。


今回の学びは、アメリカの市民運動、、、、に限らないけれども、黒人の差別から、抵抗運動が暴動にスライドして、それを革命に結びつけようとする旧新左翼がのっとるのと、一緒くたに秩序の敵ということで、保守、右翼の立場からこれを封じて悪魔化しようという力学が働く。


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