The Road to 2024 - 米国政治を見ていくうえで背景として押さえておきたいことのまとめ-トランプ支持の7400万票の意味を問い続ける必要性(2)

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前回、(1)で会田弘継さんの記事を紹介した。2022年の中間選挙、2024年の大統領選挙、そして、現代アメリカ自体を眺めていくうえで、「どういう構造を抑えておくと」情報が摂取しやすいのかのスキームはなんだろうか?。また、現代アメリカのイシューは何か?ということをハイレベルで考えたときに。「適切な問いは何か?」というのを考えていて、出てきたものです。

構造で意識すべきは、

1)グローバル化が進んでいくことによる格差の拡大(wealth inequality)と中間層の没落に対する恐怖と抵抗が人々を駆り立てている。

2)1)が米国ローカルの文脈に接続されると、2大政党制が4つのグループに分けて考えられる。アメリカの政治システムは、第三政党を生み出すことができない構造なので、第三の勢力が、大政党を各々乗っ取る形で表出してきている。共和党のトランプ。民主党のバーニーサンダース。


A)Trumpian Republican

B)Party Republican

C)Biden Democrats

D)Sanders-Warren Democrats


まずこれです。


そして、「適切な問いとは何か?」と問うたときに、なぜトランプさんが登場したのか?と問えば、それはオバマ政権の反動なのは明白。オバマ政権までの、民主党の中道リベラル(及び共和党中道)が目指してきた、グローバル化と、GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)-m(Microsoft)(個人的には、既にマクロソフトは復帰していると思う。GAFAの定義は、個人情報をビックデータで集約して使うことによるプラットフォーム提供情報企業だとすれば、クラウド化に乗りおくれたMSは、今復帰してきていると思う。むしろネットフリックスを入れてもいいのではないかと思っている。)への傾斜によって、労働者の味方をやめて、切り捨ててしまった民主党中道派リベラルへの嫌悪と拒否が、その根底にあるともう。もちろん、これは、共和党の宗教(福音派)政党化に対抗してなので、常に原因と結果は連関ループしている。そして、今のターンは、あまりにもおごったリベラル中道派が、切り捨てられる層を無視し続けて、今もまだ無視し続けていることへの対抗として、「共和党、、、、保守思想の再編が迫られている」ということがあると思いうのです。


なので、適切な問いは、保守思想が次に何を目指すのか?、それが少し具体化して、共和党は、上記二つのどちらの層をその基盤とする政党になるのか?、もっと具体的にいくと、ポストトランプ、トランプの後継者はだれか?ということになります。一番下で、Marjorie Taylor Greeneなどを追っているのは、「トランプ減少を支える基盤を引き継ぐ次世代の共和党、保守層のリーダーはどんな人なのか?」「その基盤の支持層はどんな属性があるのか?」という疑問が僕にはあるからです。


ようは、上の理解で考えると、A)Trumpian RepublicanがGreeneさんいなります。それで、B)Party Republican(僕はレーガンデモクラット的なるものだと思っていますが)Mitchell McConnellやLindsey Grahamなどの共和党重鎮派になります。この二つを追えば、共和党が、A)を志向するのか?、それともB)を志向するのかが、わかると思うからです。ニュースはこういう風に「文脈」と適切な仮説、疑問を持ちながら見たいと、断片的になってパニックになってしまうと思うのです。


それと、今回の(2)で問いたいのは、この保守思想の再編が行われれていくなかで、その支持者の中に、驚くほど激しい陰謀論が浸透していきます。この理由は何なのか?、。どうしてそういう類型のものの味方に人がひかれるのか?それへの対抗策は?などなどを、考えてみたいと思うのです。もちろん今回で結果が出るわけではなくて、僕の疑問の文脈です。適切な問いは、既に答えだと僕は思っているので、イシューを特定したいのです。


という、背景の考え方の文脈があって、なんちゃってアメリカウォッチャーを続けていきます!。


共和党マージョリー・テイラーグリーン下院議員(46、ジョージア州選出)は、トランプさんの後継者候補の一人?(ではないとおもうけど(苦笑))

この人は、追っていると興味深い話一杯です。911陰謀論として否定したり、フロリダのマスシューティングはディープステイトの陰謀だとか、特に、クリントン一家(イタリアのマフィアのイメージで書いていますね)がJFKJrを殺した!とか。マジで!と思うようなネタがたくさん。JFKの息子を殺したという陰謀論は、昔、ブッシュ大統領が殺したんだ!という民主党側の陰謀論だったんですが、いつの間にか逆転してる!。面白くて見ているドキドキする。この人の有名な、Youtubeは、フロリダの銃撃事件のDavid Hoggにストーカして、「お前は、嘘つきだ!」と叫んでいるやつですね。2018年のフロリダ州ブロワード郡パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高等学校 (Marjory Stoneman Douglas High School) での銃乱射事件の生き残りの人ですね。こういう人に対して、共和党上層部か強く出れないのは、下院議員がたくさんトランプ支持者で当選氏は共和党員がいて、かつまだまだトランプさんに敵対すると選挙に負ける可能性が高いからですね。なので、共和党自体が、「どこ」へ向かうかの指標になる。

www.nytimes.com

Marjorie Taylor Greene to speak at the American Priority Conference Dec 6-8th AmericanPriority.com - YouTube

www.bbc.com

www.youtube.com


■Qアノンビリーバーのディープステイとによる子供売買の話はどこから来たのか?

アメリカのローカルな文脈の知識がないと、Pizzagate conspiracy theoryとか、意味不明で???となってしまいますよね。ディープステイトとかも。背景を理解するには、この辺の陰謀論の「世界観」は基礎知識として必須だと思うので、Wikiにとても詳細なまとめがあるので、この辺りを流し読みしてみましょう。香ばしいキーワードがあふれているので、これに耐性がないと、いきなり聞いたら、信じてしまうこともあるかもしれません(苦笑)。中学生の子供にせつみしたら、「そんな真実が!!!」と驚き始めたので、いや、全部嘘だから、気おつけようね、と注意する羽目になりました。なんというか、この社会がある種のスキーム、構造で組み立てられているという背景知識がないと、「わかりやすく世界の謎を解説する」ので、おお!となってしまいやすい。これって、物語でいうと、善悪二元論だし、ラスボスがすべて悪いの、そいつを倒せば世界がよくなるという、とても典型的なドラマトゥルギーです。ちなみに、物語三昧の読者は、漫画やアニメ、映画が好きなはずなので、このあたりの陰謀論を勉強していると、「次の世代の物語」の類型に、このあたりの話がすごい出てくること間違いないですので、ぜひとも調べておきましょう!。だって、現代社会で、凄く大衆が、普通の人々が望む世界観、物語、ドラマトゥルギーなわけですから。ディープ・ステートやカバール(陰謀団)とか、中二心をくするぐる素晴らしいネーミングセンスです。

Qアノン[† 1](キューアノン、英: QAnon、発音: [ˌkjuːəˈnɒn])は、アメリカの極右が提唱している根拠のない陰謀論である[1][2][3][4][5]。この陰謀論では、世界規模の児童売春組織を運営している悪魔崇拝者・小児性愛者・人肉嗜食者の秘密結社が存在し、ドナルド・トランプはその秘密結社と戦っている英雄であるとされている[1][2][3][6][7][8][9]。この陰謀論で仮定されている秘密結社は、一般的にディープ・ステート(英: deep state、影の政府)やカバール(英: cabal、直訳で「陰謀団」)と呼ばれている[2]。アメリカの検察官の中には、Qアノンについて「一般的にカルト宗教とみなされている(陰謀論者の)グループ」と説明する者もいる[10]。

この陰謀論は「事実無根」[32][50]で「証拠がない」[51]と広くみなされている。信奉者たちは「気の狂った陰謀論カルト」[15]や「インターネット上で最も常軌を逸しているトランプ支持者」[52]と呼ばれている。この陰謀論は主にトランプ支持者によって拡散されており、「嵐」(英: The Storm)や「大いなる覚醒」(英: The Great Awakening)などが唱えられている[12]。Qアノンの教義と語彙は、千年王国や終末論といった宗教的概念と密接に関連しており、新宗教運動との見方にも繋がっている[53][40][54]。Qアノン信奉者は、トランプをキリスト教徒としては欠陥があると見ている一方で、神が遣わした救世主(メシア)とも見ている[39][55][56]。

ワシントン・ポスト』でQアノンについて詳説している陰謀論研究者のトラビス・ビューによると、この陰謀論の本質は次のようなものである[12]。

この陰謀論の本質は「世界を支配している悪魔崇拝者・小児性愛者による国際的な秘密結社が存在し、彼らがすべてを支配している」というものである。彼らは政治家やメディア、ハリウッドなどを支配しており、存在を悟られないように隠蔽されている。ドナルド・トランプが大統領選挙で勝たなければ、彼らは世界を支配し続けていただろう。トランプは、この秘密結社による悪行をすべて知っている。トランプが当選した理由の一つは、彼らの悪行に終止符を打つことである。トランプとアメリカ軍による裏の戦いは、「Q」がいなければ誰にも知られていなかったであろう、というものである。そして「Q」とは一体何なのかというと、基本的には、この「裏の戦い」に関する情報を明らかにしている4chan投稿者(後に8chanに移行)である。彼は、秘密結社の悪行や、今後起こるであろう大量逮捕劇についての秘密を明らかにしている。


Qアノン - Wikipedia

ちなみに英語版はこちらですね。こちらも読んでみると、違いが面白いです。
QAnon - Wikipedia


ピザゲート(英語: Pizzagate[注 1])は、2016年アメリカ合衆国大統領選挙の期間中に広まった、民主党ヒラリー・クリントン候補陣営の関係者が人身売買や児童性的虐待に関与しているという陰謀論である。この疑惑は、コロンビア特別区首都警察(MPDC、ワシントンDC警察)など多数の機関によって虚偽であると証明されている[3][4][5][6]。

2016年秋、ヒラリー・クリントン候補陣営の選挙責任者であったジョン・ポデスタの私的なメールアカウントがフィッシングの被害に遭いハッキングされ、メールがウィキリークスに公開された。このメールに、アメリカ国内の複数のレストランや民主党の上級関係者が、ワシントンD.C.にあるコメット・ピンポンというピザ店を拠点とした人身売買や児童買春に関わっていることを示唆した内容が含まれている、という主張が喧伝された[7][8]。

児童虐待に絡めた偽物語は求心力が強く[9]、オルタナ右翼クリントン陣営を疎ましく感じる者によって疑惑は4chanや8chan、Twitterなどインターネット上で拡散され[10]、疑惑を信じた男が実際にピザ店にライフルを持って押し入り発砲するという事態に発展した。

ピザゲートは一般的に、Qアノン陰謀論の前身と見なされている。ピザゲートは主にQアノンによって、選挙の年である2020年に再び流行した[11]。


ピザゲート - Wikipedia


さて、ここからは、僕の個人的な話。僕、このヒラリー・クリントンが人身売買や児童性的虐待しているという、ありえないうわさを聞いて、しかし「すぐに連想して」ぐっと心に刺さったことがあるんですよね。これ言い換えればアメリカに住んでいて、アメリカのローカルの感覚がある人には、この、普通に考えればあり得ない話が、「もしかして…」と感じてしまう土壌があるということなんですよね。アメリカのローカルな文脈なので、多分普通の日本人には、この連想するもののイメージが、全然ないので、さっぱりだと思うのです。なので、ちょっと説明してみようと思いました。


■子供の人身売買のピザゲートの事件をすると、どうしてもジェフリー・エプスタインを連想しちゃうよね。


いやね、アメリカのローカルな文脈では、人身売買や児童性的虐待ったいったら、もうそりゃ、すぐにジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)思い出すに決まっているんですよ。いまだったら。知らない人がいたら、ググってみてもらうか、できれば、ネットフリックスの『ジェフリー・エプスタイン: 権力と背徳の億万長者 (Jeffrey Epstein: Filthy Rich)』というドキュメンタリーはおすすめです。

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マジでやばいんですが、少女売買春とかよくある話だろとか思いがちですが、あまりに一時期ニュースで盛り上がっていたので、アメリカウォッチャーとしては、押さえておかなければと思い、ドキュメンタリーを見て記事で調べていたんですよ。これね、何がすごいかって、その規模と時間の長さです。こんな明らかな犯罪者が、なんで何十年も、、、30年以上とかにわたって、ずっと野に放たれているの?と驚きました。何度も裁判にかかっているし、明らかに犯罪者なのに、捕まえられないんですよ。そのお金の力と、権力者のネットワークの中にいるので。ドキュメンタリーが素晴らしいのですが、「権力のある大金持ちが本気で罪を隠蔽しようとしたら、こんなに簡単にできるのか!」と、驚きおののきますよ。しかも、30年以上とか、もうめまいがします。それだけでなく、このドキュメンタリーの凄いところは、その食い物にされた少女たちが、その後、何人も裁判を起こしているのですが、全然捕まらないので、さらに何十年もその苦しみのインタヴューが山ほど出てくるのです。あまりに生々しくて、胸がつぶれるほど苦しい話です。

関連はないのですが、この話と同時に、ハリウッドの大物実力者ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)の長期間いわたるセクハラや性的暴行の話とme too運動のことがどうしても同時期なので、連想しちゃいます。フェイミニズムの党派性や、寛容性のなさや暴発は、僕も好きではないのですが、この「圧倒的現実」を見続けると、なんというか、そりゃ暴発もするよねという気分になるんです。ひどすぎるんですよ、あまりにも。この見るに堪えないような過酷な現実を女性が生きているという体感感覚なしに、単純に世の中の文脈でフェミニズムをたたくとかは、やれないよなぁとしみじみ思うのです。アフリカンアメリカンの差別の歴史もですが、思想的戦争に入る前に、「この圧倒的な事実の積み重ねの歴史を直視して」尚、それでも、その言葉を言えるのか?というのは、常に自分に問いかけたいところです。大事なことは、理想やロジックではなく、まず事実です。事実を直視したうえで、体感したうえで、見ないとなんでも空っぽの空理空論になる。

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ちなみに、元英新聞王ロバート・マックスウェル(Robert Maxwell)氏の娘ギレーヌ・マックスウェル(Ghislaine Maxwell)とか、もうドラマすぎて、この辺りも、興味深いです。何なのこの人???って本当に摩訶不思議です。なんというか、お金持ちの世界の人々の、考えることの、トラウマの深さって、とんでもなくて、いつも驚きです。




そんで、話がずれましたが、このジェフリー・エプスタインという大金持ちの権力者が、トランプさんやビル・クリントンさんと仲が良かったんですよね。イギリスの王子までいるんですよ。ウッディアレンとか。もう、なんか、名前のラインナップみると、ああ、これはこの組織的的少女売買春に関わっているなとしか思えないじゃないですか。NYの拘置所でジェフリー・エプスタインが自殺したときも、陰謀によって権力者に殺されたんだという話が、当たり前のように話されていたし、みんなそうアメリカではそう思っている人、多いと思います。状況証拠から、どうしても連想しちゃう。この連想ゲームを踏まえてほしいのです。


クリントン夫妻をモデルにしたジョー・クライン原作「プライマリー☆カラーズ 小説大統領選」を思い出した!!!


さらに、深堀しましょう。僕は、このQアノンビリーバーの子供の人身売買で、エプスタインを連想して、ニュースでガンガン、ビルクリントンと一緒の写真が流れるので、クリントンさんを連想しちゃうんですよ。そしてら、ジョントラボルタ主演の『プライマリー☆カラーズ 小説大統領選』(邦題は『パーフェクト・カップル』)の映画が、ババババババ、、、、と思い浮かんだんです。10数年以上前に見た時の衝撃を今でも覚えている。物凄く衝撃に感じたことが二つあって、一つは、相当後ろ暗いというか、だいぶ人間としては問題がありつつも、とんでもない魅力を感じさせるビル・クリントン(ジャック・スタントン/ジョン・トラボルタ)の不思議な魅力だ。ビル・クリントンは歴代でも最も人気があったといわれるほどの魅力的な大統領で、自伝の『マイライフ』を読めばわかるが、アル中の父親に殴られながら過ごした極貧の子供時代から抜け出したサクセスストーリーは、彼のその後の様々な失敗すらも、あの生まれからすれば仕方がないなと思わせる魅力を感じさせる。


選挙戦はジャック対ハリスの一騎打ちとなっており、相手はジャック叩きに余念がなかった。そんな時、ジャックの友人ウィリーがヘンリーを訪ねてくる。ウィリーはバーベキューレストランを営む黒人で、娘のロレッタはジャックの息子のベビーシッターをしていた。そのロレッタがジャックの子供を妊娠したと打ち明けたのだ。
https://mihocinema.com/perfect-couple-23036

しかし同時に、今でもまざまざと恐怖とともに覚えているのだが、ジャック・スタントン(ジョン・トラボルタ)が、10代の黒人の幼い少女を妊娠させていた、それも父親のウィリーは彼の友人であり、、、、なんというか、選挙中にしかもあんな素晴らしい奥さんがいて10台の黒人の女の子を妊娠させちゃうというのありえないにしても、「そこまで」なら、まぁ事実として、そういうことあるかもしれない、、、と思う。しかし、その後のこの夫婦は、選挙のために、これを闇に葬り去る様々な工作をして、このスキャンダルが表に出るにもかかわらず、政治闘争を勝ち残って生き抜いてしまう。「いいかえれば」、こんなの氷山の一角で、もっとどぎたないことを、隠れていくらでもやり続けているんだろう!ということが、まざまざと見せつけられてしまうのだ。この「厚顔無恥さ」に当時の僕は恐怖した。そしてもっと恐怖を倍増させたのは、「にもかかわらず」、この作品で描かれたジャック・スタントンという政治家が、信じられ位ほど暖かく魅力的な政治家だったことだ。見ればわかる。僕は、あるシーンで、政治家として見事な資質を示すところで、落涙すらした。


わかるでしょうか?、つたわっているでしょうか?


この物凄く矛盾した「皮膚感覚」。まさに、ビル・クリントンという政治家の本質そのものだ、という感じがするのですよ。



パーフェクト・カップルの概要:クリントン夫妻をモデルにしたジョー・クライン原作「プライマリー☆カラーズ 小説大統領選」をマイク・ニコルズ監督が映画化。好色な大統領候補のスキャンダルに翻弄される選挙スタッフたちの奮闘ぶりと、選挙の裏側を描く。1998年公開のアメリカ映画。


ジャック・スタントン(ジョン・トラボルタ
南部の州知事民主党から大統領選挙に出馬する。少々頼りなく、かなりの女好きだが、人当たりの良さと口のうまさで民衆の心をつかむ。甘え上手。
スーザン・スタントン(エマ・トンプソン
ジャックの妻。元弁護士のやり手。ファーストレディを目指して夫の選挙活動を取り仕切っている。
ヘンリー・バートン(エイドリアン・レスター)
祖父が有名な政治家だった黒人青年。半ば強引にジャックの選挙チームに入れられ、中心となって活動する。
リビー・ホールデンキャシー・ベイツ
スタントン夫婦とは古くからの友人で選挙活動のプロフェッショナル。特にスキャンダル潰しを得意とする。18ヶ月前まで精神病院にいた。

映画『パーフェクト・カップル』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

Primary Colors | Rotten Tomatoes


ここから考えると、ビル・クリントンという政治家が、清濁併せのむような非常に闇と光のある政治家であるのが分かります。そこで考えてほしいのですが、その後の、セックススキャンダルのモニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)事件を思い出しますよね。そうすると、このような夫を持っても、それでも離婚せず、ビルを支え続けるヒラリーさんって、「偽善」じゃないの?と思う気持ちが出てくるのは、わかると思いませんか?。ヒラリーさん自体は、僕は素晴らしい人だと思いますが、彼女の最後の最後で足を引っ張ったのは、夫だというのも、また事実なんだろうなーと思います。バラク・オバマさんもですが、とにかく大統領になるほどの男は、本当にレベルの高い妻の選び方をすると、その選択眼の良さに驚かされます。

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えっとね、僕が何を言いたいのかというと、陰謀論というのは、いろいろなローカルな背景があって、「そのつらなり」の中であるものなので、「そこまで知らない」と、切り取ってみると、意味不明のものになるんだろうと思うんですよ。なので、笑って切り捨てるのではなく、「そこに至った動機や背景」を考えていかないと、本質にはたどり着かない。馬鹿だから信じた、などという上から目線で見ていると、何一つ真相にたどり着かないで悪化すると思うのです。対応策が、全然わからないから。人々が何に不安に思い、怒っているのかが、まったくわからなくなってしまうから。


■Qアノン信者とは、グローバルなネットワークにより管理する管理者・テクノクラートへの恐れ

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バイデン新政権の真の課題は単なる脱トランプではない/会田弘継氏(関西大学客員教授・ジャーナリスト)

この回が素晴らしかったのですが、宮台真司さんがグローバル化への恐れというのは、


本来、市場化してはいけないものを、すべて市場化していこうとするものへのNOなのだ


と、喝破されていたところ。これは、子供の人身売買に当てはめると、ストレートに当てはまると思うんですよ。エプスタインの話とかは、本来お金で売り買いしてはいけない少女を売り買いした話なわけですよね。そういうことへの、怒り、反発、恐怖がその背景にある。そして、物凄く局所的な見方をすれば、新自由主義ネオリベラリズム)的なもの、といえるでしょうし、もっと視野を広げていけば、近代社会の、市場化の力学そのものが「すべてを分解して分業にしてバラバラにして、個にしたものを市場で売り買いしよう」という運動になるわけです。これ自体は、世界を広げ、世界を豊かにしてきた動きですが、同時に、「本来市場化してはいけないもの」まで「市場化してしまえ!」という圧力が働いてしまうということも否定できない。


ここで「価値観」の問題が出てくる。つまり、「どこまで市場化して、金で売り買いしていいのか?」という線引きです。


リベラリズムが、徹底的に批判にさらされていくきっかけを覚えているでしょうか?。この「線引き」問題です。たとえば、プロライフとプロチョイスの問題は、女性の権利を拡大するために、「子供を堕胎する権利が女性にある」としたときに、身体の中にいる生命を「どのレベルで人間と認識するか?」という「線引き」の問題が、重要な論争になります。リベラルの考え方では、女性の権利のほうが重要視されるから、あるラインを決めて、堕胎を許容するわけです。「それ」は人間とはみなさない、と。人間とみなしたら、人権が発生するからです。でも「その線引き」ってなんなわけ?、凄く恣意的じゃないのか?というのが、カトリック福音派の人々からの問いなわけです。これは、ロジカルです。ここではたと、人は悩むわけです。女性の権利を取るのか、生命を取るのか?と。僕も、なんともわかりません。僕は、プロチョイス(pro-choice)の側の人間だなと思うのですが、しかし、プロライフ(pro-life)の主張は、非常に理解できる。そこで、実際にどうすれば、と苦しむのです。それが、現実世界です。


この「線引き問題」は、個々の共同体や世界観をベースに恣意的に決まっている。


その時、ある価値観に基づいて、市場化を拒否する、、、、、もっと言えば、グローバリズムを拒否する発想が生まれてきても、それはおかしくないどころか、まっとうです。会田弘継さんは、マルコ・ルビオのキリスト教民主主義が注目していましたが、キリスト教民主主義運動の原初に戻ると、これはなるほど、とうなずきます。リベラル派の中では、マルコ・ルビオの終わった人で、頭のおかしい奴というような感じの評価が多いですが、僕もそんな甘くはないと思っています。タイトルに戻りますが、「トランプ支持の7400万票の意味」を問わなければならないと思うからです。「それ」を支持する人の重さを考えなければ、何度でも、同じことが起きます。宮台さんは、イノセンティズム、ゼノフォビア(xenophobia)、ネイティビズム(nativism)、反知性主義などを挙げて、アメリカ人の持つ「世界には売り買いしてはいけないものがある!」といった感受性とリンクしたものを無視してはいけないとおっしゃるのは、さすがとうなりました。


最初に挙げた、保守思想の再編が行われていく中で、思想の系譜に立ち戻り、会田さんは、ジェームス・バーナム、サミュエル・フランシスに立ち戻ります。また、その展開として、第三党を作りだそうとした、パットブキャナンの反乱、2000年のロスペローの改革党を、注目します。トランプ政権の誕生は、この熱狂を、この支持を、 「共和党を乗っ取る形で展開できた」から大成功を収めたと分析していて、うなりました。この流れから、結局のところグローバル化に対する反発は、


資本主義であろうが共産主義であろうが、近代社会は、突き進むとテクノクラートの支配になる


ことへの恐怖、怒り、反発だと喝破していて、これには物凄いうなるしかなかったです。


そうしたグローバリズムが展開する世界では、最も重要な生き方は「ネットワーク社会の中で、その知恵を継続的気にキープしていくスキル、文化です」。しかし、それは、ディアスポラを経験しているような、世界中にちりじりに散っても、それでも「知恵の伝達が共有される」ネットワーク化に強い集団でないともっていません。ここでは明確に、ユダヤ人と中国人をいっていますが、このインターナショナリズムで生きていける集団(土地から離れても生きていけるグローバルエリート)への恐怖が、反ユダヤ主義や中国への反発を生むのだ、という説明は、なるほどーーー思いました。この二つが、ユダヤ民族と華僑が、インターナショナリズムの国境がなくなった世界に強い集団ですから。アメリカのトランプ現象は、もう逃げ道がなくなった白人労働者が、グローバル化やネットワーク社会で生きていけないから、「今、ここ」っから「どこにもいけない」という閉塞感、恐怖があり、それがナショナリズムに結びついている。そして、そのナショナリズムは、固有のもの、、、、「血と土」になるわけです。ナチスですね。会田さんは、これをアメリカのヨーロッパ化が進んでいるという表現をしていました。ここで初めて、ぼくは、WW2のナチスドイツと反ユダヤ主義と、ヨーロッパの土地が、リソースがないところで、「グローバルにも逃げられなくなった人々」が持つ恐怖というのが、その基盤になったということが、理解できました。


ちなみに、「これ」の連想なのですが、アメリカが世界をリードできたのは、アメリカ人自体が、モビリティな人々だったから、と言っていました。けれど、それがグローバル化で、土地に縛られるようになってきたので、ヨーロッパ化してきたと。逆に言うと、アメリカのフロンティア志向は、この「とにかく土地に縛られないで動き回ることの自由に価値を置く」意識にあるわけです。なので「広い土地」が重要なんです。という感覚から、アカデミー賞の重要候補である『ノマドランド』はぜひとも見てほしいところです。移動することの自由、というのが、アメリカにおいてどんな「感覚」をもたらしているのか、物凄く伝わる作品です。

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ちなみに、この辺のアメリカのヨーロッパ化の話、ぜひとも、この素晴らしいビデオニュースドットコムのをすべて見ると、解説されていますので、おすすめ。


ですが、僕が気になったのは、陰謀論が、土地から離れても生きていけるグローバルエリートの持つ、ネットワーク社会でも集団の共同性を持てることへの敵愾心からきている!と点でした。


これはなんなの?と。



■スクエアーアンドタワー、自分の読書の嗅覚に恐れ入る(笑)

昨年の読書部の仲間で読んだ本で、ニーアル・ファガーソンの『スクエア・アンド・タワー : 権力と革命 500年の興亡史』というものがありました。陰謀論イルミナティとか、ああいうものは、いったい何なのか?というのを追った本ですが、ファガーソンは、これをネットワークの運動としてとらえていて、この目に見えにくい「ネットワークのつながり」がどのように歴史に影響を与えてきたかを、調べていくという本です。


僕の嗅覚、凄くない!(笑)


つまりね、ネットワークの本質とは何なのか?、ネットワークは本当に世界を裏か支配できたのか?という問いです。恐怖は無知からくる。だから、それを調べよう!という単純なことです。



この話は、また後日(笑)。

The Road to 2024 - 米国政治を見ていくうえで背景として押さえておきたいことのまとめ-トランプ支持の7400万票の意味を問い続ける必要性(1)

■サンダースのミトンが象徴するものは?

時々、LINEやらSNSとかで、知り合いに、アメリカのトレンドとかの情報交換するんですが、なるほどなーと思ったのは、サンダースのミトン関連の写真を受けて送ったら、ほとんど日本の友人が???って感じだったんですよね。多分この「背景ある意味」が、ほとんどわからなかったんだろうと思う。そもそも米国に興味がない人には、サンダース自体も、サンダースが何を代表している人なのかの「政治的文脈」が共有されていないから、わからないのは当たり前なんだろうなぁ、と思いました。確かに、これInaguration(大統領就任式全体)を見ていないと、意味が分からないと思う。全体を見ていると招待客のセレブリティたちの、豪華な服装が、否応にも目に入る。Twitterなどで、カマラ・ハリス副大統領やヒラリークリントンさんの服装(紫のドレスを着るという)が話題になっていたり、数少ない招待客のセレブリティが、観客はほぼ白人お金持ちしかいない、という現実。閣僚など画面に映るところはバイデン政権はすごい多様性にあふれているのにもかかわらず。皮肉ですよね。これSNSとかで盛り上がりまくっていたんですよね。トランプさん、共和党への支持者、言い換えればバイデン政権へNoと思う人が、7400万人もいるわけですから、民主党や、これまでの世界を作り上げてきた中道派のスーパーエリートたち、その中心人物だったバイデンさんへの「偽善」を感じると人は、すさまじく多いんですよ。この背景文脈がまずないと、この写真に即反応はしないし、怒りを感じたり「ああ、バーニーはわかっている!」という気持ちにはつながらないと思うんですよね。ちなみに、僕らの年代は、バーニーといわれると「嘘だと言ってよバーニィー!!(ガンダムポケットの中の戦争)」をすぐ連想しちゃうけど(笑)。・・・バーニーサンダースさんは、このグローバリズムの中で格差が拡大していくことへの戦いのシンボル的な人で、生きていくのが難しいほどの貧困の拡大という背景ならば、豪勢な服を着て、大統領就任式に出るなんて、苦しんでいる人を馬鹿にした行為はないだろう!という怒りがあってのパフォーマンスなんですね。バーニーさんにはそういう政治的意図はもちろんありました。こうした支持者の手作り素朴なのミトンをつける行為は、そういうことへの怒り、告発を示しているわけです。重要なのは、こうしたサンダースさんの振る舞いに、激しく反応する土壌が、アメリカにあるということです。ちなみに、最初のころは、バーニーサンダースの、この素朴な格好で「大統領就任式に招待されておいて、あんなみすぼらしい恰好はないだろう!とあざ笑うコメントとか反応も結構あって、ああ、そりゃ、これ見て「そういう反応」する人が多いようじゃあ、「格差で苦しんでいる貧困層」のメッセージや共感は、まったく得られないよなぁ、と思いました。

www.bbc.com

Why Kamala Harris, Michelle Obama, Hillary Clinton Wore Purple on Inauguration Day


■「おなじみのアメリカ政治の二分法」、つまり保守・リベラルの対決構図ではトランプ現象は読み解けない

いま米国で起きている事態を左右の「分断」の激化として説明しようとする向きが多いが、「おなじみのアメリカ政治の二分法」、つまり保守・リベラルの対決構図ではトランプ現象は読み解けない。評者も常々指摘してきたことが、最新のデータも援用しながら説かれている。おそらく連邦議会に乱入した暴徒らも含めて、トランプ支持者らは経済問題では従来リベラルとされてきた政策を求めている。貿易保護主義社会保障医療保険がその例だ。ところが、社会問題となると従来の保守の価値観を支持している。妊娠中絶が代表例だ。経済問題だけを捉えれば、米国民全体が左傾化しているのである。その理由は明らかだ。ユーラシア・グループの報告でさえ率直に認めざるを得ないほどのすさまじい格差が生じているからである。
https://www.suntory.co.jp/sfnd/webessay/essay/20210127.htmlwww.suntory.co.jp
2021.01.27.
保守・リベラルで説明できなくなったアメリカ ――普遍国家の幻想崩れ、普通の「特殊な国」に
会田 弘継 Hirotsugu Aida

リベラルvs保守の二項対立は、既に成り立っていない。これは重要な認識。左派も右派も、社会問題の価値観は対立していても、経済問題では、米国全体が、激しく左へ地滑りを起こしているのだ。だから、トランプさん支持者の白人至上主義とか、暴動とかを怒っても、告発しても、ほとんど意味はない。だって、経済格差への恐怖が、駆り立てている問題だから。キャピトルヒルに、突入した暴徒は、それなりに裕福な人が多かった印象があるので、その辺は、今後より深い分析を待ちたいところだけれども、「全体的に考えて」重要なのは、格差による「自分たちの貧困がどこまでも進んでいく」という恐怖が、すべての原因にあるというのは、間違いないと思う。いいかえれば、グローバル化が進んでいく、現在のアメリカの「進んでいる方向、構造」に対して、強い拒否感があるんだ。それを、だれが作ったのか?との問いに対して、明らかに答えは、民主党共和党の中道派の人々だ。もちろんその、中心人物が47年間だれだったかというと、バイデンさんなんだよねぇ。僕自身も、トランプさんはとてもじゃないけど支持できないけど、じゃあバイデンさんを支持するかというと、「お前らがこういう世界を作ってきた職業政治家だろう!」と叫ぶトランプさんの発言には、とてもシンパシーを感じてしまいますよ。共和党中道派、マケインさんや、民主党中道派の、アルゴア、ビルクリントン、ヒラリークリントン、ジョーバイデン。この辺の大きな「職業政治家が選んできた」グローバル化への道に対して、強い反発があるんだよね。ちなみに、なぜいきなりポッと外から出てきたバラクオバマさんとドナルドトランプさんが、熱狂的な支持を得たかといえば、まさに、この「職業政治家」じゃなかったから、希望に見えたんだと思う。このへんの、反トランプだから、やむにやまれずバイデンさんに入れたという人も多いと思う。なぜならば、僕も感覚は、この層に入るからだ。その感覚はわかる。


■監獄企業は大量収監問題の原因は、そもそもバイデン、クリントンさんでしょう!

このコメント、まさに、そうだよなぁ、と思いました。何人かのアメリカ人の友人と話していて、皆同じ反応でしたし、何よりも、彼らはみなリベラルな民主党支持者なので、「そうであったえさえも」、バイデンさんの対応に偽善を感じるくらいなのですから、いわんや共和党やトランプ支持者の人は、どれだけ不信感を持つかは、考えるまでもないでしょう。この辺りは、ぜひとも『13th 憲法修正第13条』 (2016) Ava DuVernay監督 systematic racismとは?を見てもらえると。大量疑獄のスタートは、民主党クリントン政権の時ですね。スリーストライク法です。このことの総括、反省なしに、大量疑獄をなくします!というのは、あまりに偽善でしょう。これアフリカンアメリカンへの人権問題を考えるときに、避けては通れない矛盾であり、苦しい戦いの歴史ですね。

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■米国の政治勢力をどう整理するか?

NBCのニュースでこれをやっていて、ああ!こうやって整理すると凄くすっきりする!と思いました。今後政局を見るのに、こういう区分けで、それぞれの政治家が、どこにいるのか考えながらだと、良く整理しやすいと思う。


A)Trumpian Republican

B)Party Republican

C)Biden Democrats

D)Sanders-Warren Democrats


多分切り口は、「グローバリズムに対する反応」になるんだろうと思います。


あきらかに、Trumpian RepublicanとSanders-Warren Democratsは、社会問題では対立しながらも、経済問題では、非常に似ている「結果」を求めている。「手段」と「支持層」が違うので、だいぶねじれるけども、目的は一緒なのだと思う。逆を言えば、Party RepublicanとBiden Democratsも共闘可能。というか、これまでずっと共闘してきたよね。こうやって4つのグループに分けて、支持層や思想などを分類してみると、だいぶわかりやすくなる。一番差異が出るイシューは、グローバリズムを受け入れるかどうか、という問題意識。いや、ちがうな、、、「受け入れるか否か」は問題じゃない。不可避なことなので。だけれども、それによって引き起こされる「格差の拡大・中産階級の没落」が恐怖なんだ。

Trumpian Republicanは、ベビーブーマの高齢の男性の白人労働者が主軸になるので、そもそももう「グローバル化にはついていけない」という見切りがある。だから、「アメリカファースト」的な「アメリカ人を守る」というテーマに飛びつきやすい。そしてこれは容易に、白人を特権階級化(=いいかえれば何とか守る)する白人至上主義と相性がいい。ここでは、彼らは「虐げられている被害者」として自己認識していることを、留意しなければならない。それは、プアホワイト、レッドネック、ヒルビリーといったカテゴライズのみならず、5大湖周辺やペンシルバニア州や、田舎に住んでいる白人労働者にとっては、職自体が消滅していく流れに乗っているので、人生や家庭が、崩壊して自尊心が奪われ続けているからだ。ここでは、「結果の平等」が、奪われ続けていると主張しているわけだ。もちろん時系列の議論になれば、その白人男性労働者こそが、マイノリティや女性を抑圧してきたわけだろう!という文化闘争になってしまうのだが、全体が成長していた高度成長時代では、余裕があった。しかし、リソースの奪い合いの時代になると、なりふり構っていられなくなったということだ。


Sanders-Warren Democratsは、特に、サンダースの支持者に、急進左翼、極左の白人の若い男性が多い。それは「機会さえあればグローバル化についていけるのに、機会が奪われている」という感覚なのではないかと、思う。つまり、なぜサンダースが「大学無償化」をあげるかといえば、もし若者に大学に行って学歴を確保して、「グローバリズムの勝者、テクノクラート(管理者)側」に立つ可能性は残されているからではないだろうか。多分、グローバリズムの不可避性は、受け入れつつも「機会の平等」が奪われているという意識なのではないだろうか?。ほぼ同じ問題意識を源泉に持ちながら、共同体主義に傾斜しやすいTrumpian Republicanと、多様性については前提として生きているジェネレーションXやその子供のジェネレーションZの世代、ジェンレーションYのMillennial GenerationのSanders-Warren Democratsでは、対立とシンパシーが重なり合って、とても外から不透明に見える。ただし、究極の設問である経済問題については、ほぼ同じ意識があることは、忘れてはならないことでしょう。まだこの辺は、自分でも分解しきれていないので、ざっくりになってしまうので、なにが、AOCやスクワッドを支えているのかは、勉強していきたいと思う。まだまだ、自分でもよくわかっていないと思う。けど、対立の整理の構造は見えてきた気がする。

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■今後を見ていくうえで、だれを信じれるのか?どういう風に情報を評価すればいいのか?~会田弘継さんの視点が、置く深くて鋭かった

出会ったのは、1615プロジェクトの紹介をしている記事を読んで、目からうろこだったことです。まだまだ僕の勉強量では、全然わかっていないと思うのですが、少なくとも「この人を追おう!!」と思うくらいに毎回、鋭い本質的な視点を提供してくれて、気にしています。今後の世界では、メディアが信じられなくなっていくポストトゥルースの時代の構図は、簡単には変わらないと思います。その中で、何を自分の情報のフィルターや選別方法としてみるかは重要だと思います。僕はやはり、「人」じゃないかなぁと思っています。もちろん一人や二人ではだめで、何人かの組み合わせになるんじゃないかなぁと思います。アメリカの今回の2020年の大統領選挙を見ていて、日本語で非常に「本質的なところまで射程が届いていて」かつ「米国のローカルな文脈がちゃんとわかっている」人というのは、だいぶ選別できた気がする。また、その人の政治思想というか、肌感覚は、それなりに長期間観察していると、感じ取れるものだと思う。ちゃんと自分なりのバイアスと解釈をかけて、「自分の言葉で自分の頭で考え」ないと、ただの盲目的な信仰や、陰謀論を信じる姿勢と変わりなくなっていまうので、こうやって自分なりに、つたないなりにアウトプット出して整理しながら、コツコツニュースを読んでいきたいと思います。ちなみに、会田弘継さんがすごいと思ったのは、2つ。一つは、やはりアメリカ政治を見るうえで、重要な視点は保守思想が再編成を迫られていることだと思う。それに手が届いている。もう一つは、トランプ支持の7400万票の意味が、ちゃんと問われているところ。バイデン民主党、反トランプ万歳的なお花畑志向でもなければ、トランプ的Qアノンビリーバー的な熱狂でもなく、静かに淡々と、そこに迫っている鋭さ。素晴らしい。もっと勉強したよう!という気持ちにさせてもらえる。

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