わかりづらかった。
韓国の古典的怪談『薔薇紅蓮伝』をモチーフにした映画。わかりづらかったので★★★星3つ。
まずは謎解きが、わかりやすくない。これでは『カル』や『エヴァ』のように映画の外で謎解きを衒学的に行う作品になってしまう。
映画の中ですべてを語れないものは、失敗作だと思う。
もちろん、韓国社会で人口に膾炙した怪談がベースということでドメスティックには理解されるかもしれないから、その部分は割り引かねばならないとは思うが。
もう一つは、映画のトーンが怪談なのかホラーなのかサスペンスなのか腰が定まっていない。だから演出の方針が良くわからない。ただビックリさせるためだけに行うのはつまらないし、やるなら『呪怨』のようにスパッとわりきってやるべきだった。美味しい味付けがありすぎて、シンプルにまとめ切れなくて駄作になったという印象がする。
とはいえ、もっと優れた監督と脚本であれば、傑作になった感触はある。10代の少女の危さを表現しつくしている姉妹スヨンとスミやその他の演技もなかなかだった。ちなみに、ホラーが大嫌いな僕があえて見たのは、最近の韓国作品の素晴らしさから行って、韓国の四谷怪談といわれる古くから伝わる脚本は見ておきたかったのと、主演のイム・スジョン、ムン・グニョンがすごくかわいかったからだ。特にムン・グニョン・・・好きなんだよなー。
いつになるかはわからないが、スピルバーグの映画化に期待する。とはいえ、こういうアジアンホラーのおもしろさは、アジア人でなければ作れないと僕は思うけれども。