宇野朴人さんの天鏡のアルデラミンをコツコツ読み返しています。

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初めてはアニメを見たんですよね。それで途中まで読んでて、星3-4のなかなかいい作品ぐらいに思っていたんですよね。でも全巻読み通すと、素晴らしいハードSFでありながらキャラクターたちが生き生きと息づいている素晴らしいエンターテイメントで、何度も読み返したい★5つのマスターピースとして評価は定まりました。最終巻まで、長編を設計できる小説家としての力量は、素晴らしい。ライトノベルは、そうはいっても、なかなか10巻以上の長編は読み返したいとは思わないのですが、これは僕は好きでよく読み返す作品の一つ。最初の評価でも書いているが、マクロとミクロの設計がとてもバランス良くて、素晴らしい。戦記モノ、読みやすいエンターテイメント、しかしながらハードSFのような「世界の謎」がちゃんと解き明かされていく背景も設計されているという素晴らしい小説、素晴らしい物語です。ペトロニウスの名にかけて傑作です。

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僕が、アニメを初めて見たのは2016年ですね。これ何の情報もなくてアニメを見ていて、、、、まさかこれは「あの方向に」と思いながら、エンターテイメントなんだから、「そこまで」はしないだろうと思いつつも、不吉な予感をしていたのを今でも思い出す。いま小説の6巻まで読み直しているけれども、起きる出来事がわかっていてさえ、胸が苦しい。いやはや、いい物語なんだろうなぁ。。。まだこの物語を読んでいない人は、あの高揚感を、合本版で一気に読むことができるのですね、羨ましい。あ、これ面白いから娘にもすすめてみよう。多分好きだと思う。

【合本版】ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 全14巻 (電撃文庫)

漫画版が途中で打ち切られているのは、とても残念。これ、ちゃんと最後まで書ききれば、息長く愛される「完成度」を誇る作品だから。アニメーションと、小説と、漫画とそれぞれに、特にヤトリのキャラクター造形が一致していないのは、ちょっと戦略ミスだと思うなぁ。どれも魅力的ではあるんだけど、メディアミックス展開が最後まで行き着くという覚悟がプロデューサー側になかったかなぁ。オリジナルが素晴らしすぎるだけに、そこはとても残念に思える。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンI (電撃コミックスNEXT)