『暴言王トランプがハイジャックした大統領選、やじうま観戦記』 渡辺由佳里 著 2016年のアメリカ大統領選を理解する導入テキストとして最高!

暴言王トランプがハイジャックした大統領選、やじうま観戦記

評価:★★★★★星5つ
(僕的主観:★★★★★5つ)

https://cakes.mu/creators/617

こんにちわ。最近、社畜ぶりに磨きがかかっているペトロニウスです。既に最近の1か月は1日も休んでいません(苦笑)。ほとんど寝れていないので、風邪も治りませんので、ちょっと過労死しちゃうかなー?って、鬱になりそうな感じで働いています。まぁ、そういうもんだよね、人生と、遠くから自分を眺めているような感じで生きています。人間一度この感じになると、自力で抜けられないんだよなぁ、、、と、しみじみ。日本人体質です、自分。まぁ、それはさておき(←置いておいていいのかっ!)、もうすぐ大統領選挙の日ですね。来週。ということで、渡辺由佳里さんのcakesの人気連載「アメリカ大統領選、やじうま観戦記!」24回分をまとめた電子書籍です。これ、これまでの経緯のおさらいと、来週の選挙に向けて、読みやすいので、凄いおすすめです。


さてさて、僕は、この渡辺由佳里さんのアメリカ大統領選挙の記事を、とても好きなんですが、、、、というか好きなだけではなくとても信頼して読んでいる気がします。どういう意味かというと、TwitterFacebookなど、ずーっと、彼女の言動や反応を追っているんですね、もう軽く2年くらい。その蓄積があるんですよねー。毎日のジョギングの時間とか、わかってしまった(笑)。ボストンを家族で旅行してドライブしている時に、なんか見たことある森の感じだなーと思ったら近い地域だったりして(笑)、いやー今の時代のSNSってすげぇーなーと思いました。個人的な面識は全くないんですが。


その他の本も読みましたし、ブログの洋書ファンクラブも、実は彼女とは知らなかったのですが、何年も前から読んでいました。・・・というか、決定的なのは、やっぱりこの1年ずっと追っていたのかなぁー。大統領選挙は生ものだし、こういう記事を書くライターさんという作家さんというか表現者は、いろいろな批判とかを受けるんですよね。そして、自分の言っていたことの矛盾というか、様々なものをつっこまれる。読者とかだけではなく、実際に政治の状況を題材にしているから、がんがん状況が変わる。それを1年以上の長きにわたってみていると、彼女の誠実さやよって立つところ、、そして表現すべきものの基礎にあるものが、ぶれないしっかりしていことがわかってきて・・・・ああ、信頼に足る人なんだなぁと、しみじみ思ったわけですよ。その時々の記事が出はなく、それを書く、生み出す、渡辺さんという人が、信頼できる人なんだな、と思ったんです。これ、全く違うことですよ。


こういうネット時代というか、公益とか第4の権力を自称する新聞すらも、既得権益にまみれていて自分たちの都合で書いている(まぁ、それはあたり前=前提なんですが、選択しているんですから)時代において、さまざまな生情報にアクセスできるように時代が変わってくると、その情報の海で人は溺れるので、やはりもう一度、キュレイターというか解釈してくれる視座を求めるという循環になっています。そういう時に、誰が信頼できるか?っていうと、、、、時間の波に耐えうるかどうか?なんだよなーと思うんですよ。やっぱり。この1年様々な反応を見続けて、ああこの人の言うこと解釈は、信用できるものなんだなとしみじみ思いました。自分と同じとか、そういうことではないです。この人には軸と誠実さがある。ネット時代で最も大事なことは、長く情報発信をし続けることができて、その人なりの軸が時間の波にもまれているかどうかだと思うんですよね。信頼性は、自分の目利きに頼らなければなりませんが、時間は、ずっと見続けていると、特にそういった目利きの力がなくとも、わかるものがたくさんあります。


特に、僕は、下記の渡辺さんのブログの記事が、ぐっと来た。そうだよな、素晴らしいよな、と思った。結局、いろいろなものを表現していると、、、自分の本質に向き合うこと、なぜそういう風な意見になるかの根拠がどんどん深掘りされていくんですよね。そこにウソがあったりすると、凄い矛盾が出てくるし、なんというか、、、、うーん矛盾はあるのは当たり前で、それに誠実に対応して、悩み苦しんでいるかが、透けて見えるんですよ。まさにこの記事で書いていた、

100人いれば、100とおりの意見があって当然である。自分自身も経験を積むうちに変わってくる。すると、立場を変える政治家に対する視線も変わる。「ああ、この人は学んだのだな」と。

政治オタクを長年続けていたら、そのあたりが見えるようになる。そして、何が最も大切なのかを秤にかけることも。


政治オタクの告白
https://watanabeyukari.com/2016/10/06/political-junkie/


この部分であるんですが、長い人生にはいろいろなことがあり、いろいろな蓄積がある。「そこ」から、学んで「自分自身を変える」ことができるかどうかが、僕は人として大事なことなんではないか、と思うのです。政治家とかじゃなければ、この「差」は、凄い小さいかも、もしくは時の流れに流されて全然わからないかもしれないのですが、、、でも、自分自身の中には、「それ」があるわけです。それを、ちゃんと見続けて、受け入れるべきは受け入れて、変化して、認めていけることが・・・・・時の流れによって自分自身を変えていけることが、人としてのいい在り方なのではないかと思います。そして、その「変化」が評価できなければ、その人は、ただ単にイデオロギーと過去の自分の決めた尺度で世界を測っているだけにすぎないと僕は思うんです。


と、ちょっと人生論ぽくなりましたが、まぁ、今の時代って、信用できる情報ソースが何か?というのが、とても曖昧になっている時代だと思うんですよ。ネットが整備されると、解釈抜きで、生情報が提供されるようになっていくでしょうし、そうなると、それを追い切れないのでもう一度、解釈を求めるフェイズに戻るんですが、過去の新聞のような世論というものの形成がすごく難しい。何を信頼していいのかが、よくわからない。そういう時に、自分の中で、時間の波を経た(一時期の自分のブームや盛り上がりではなく)信頼できる情報ソースを追い続けて、それを複数持っていると、いいんじゃないかなーと、思います。


ちなみに、西原さんの記事をついこの前書いたんですが、同じ匂いを感じるんですよね。やっぱりつらい若い時代から、動機と行動力で、自分の世界を獲得してきた感じ。自伝っぽい『どうせなら、楽しく生きよう』を読むと、よくわかります。なんというか凄みというか信念というか、、、でも、ぜんぜん渡辺さんは、下品な感じがしない。この差はなんなんだろうかなぁ。というか、渡辺さんのすべての表現が同じ軸で描かれるとまでは思わないんですよ。この人は「変われる人だ」という感じが凄いします。何が違うんだろうか。。。。。

以前ブログで非難したBattle Hymn of the Tiger Motherの著者Amy Chuaが、本書では、著者ヴァンスに的確なアドバイスをした教授として登場する。人の多角的な面を評価するという意味で、私にとっても学びになった。


トランプの強い支持層である白人労働者階級「ヒルビリー」を鮮やかに描くメモワール Hillbilly Elegy
https://youshofanclub.com/2016/10/31/hillbilly-elegy/#more-9470


中国式子育てが世界で一番だと信じるモーレツ教育ママの「自伝」Battle Hymn of the Tiger Mother
https://youshofanclub.com/2011/01/23/tiger-mother/


このあたりのAmy Chuaの部分とかは、「ここ」を意識しているんだ、、、と渡辺さんの世界への姿勢に、とても共感しました。人間は、よくわからない生き物なんですよね。本当に。



どうせなら、楽しく生きよう