寿命が長くなるにしたがって、もしかしていままでその年齢であたりまえだったことが、だいぶ変わっているんじゃないかな?

アラサーだけど、初恋です。 (デジタル版ガンガンコミックスpixiv)

『アラサーだけど、初恋です。』を読んだんです。めっちゃよかった!。・・・・・んだけど、記事を書こうとしても、よかった!以外余り思い浮かばない。批評的に引っかかるというか、何が「他とは違う伝えるべきポイント」なのかが、余り思い浮かばないんですよね。えっとどういうかというと、要は普通のラブコメ以外の要素がないんですよ。唯一、ポイントがあるとすれば、まさにタイトルで、アラサー30歳にもなって恋をしたことがない人が恋をした、というポイント。たぶん主人公とヒロインは、童貞で、処女ですね!。けど、、、、うーん、、、それも、なんか本当に新しいというか、新規なことなのか?と思っちゃうんですよ。コメディというのは、落差がポイントになるもので、30歳なんて当然のごとく彼女もいてHな経験もあって!という強いコモンセンスがあって、初めて、「そうではない」ということとの落差がコメディーになる。けど、僕は読んでいて、30歳の男の子が、ヒロインは28歳ですが、彼女が仮に35くらいであったとしても、童貞と処女で、恋をしたことも付き合ったことがなくても、、、えっ、それって、今時、よくあるんじゃない?という気がすごくしてしまうんです。うーん、、、なんか、たしかに、ほんの5−10年ぐらい前までは、それはカッコ悪いこととか、そんな年齢にもなって恋愛経験もないなんて!というような世間の圧力があった気がするんですが、いまはもうほとんどない気がしませんか?。。ものすごく感覚的なことなんですが、僕は、30代まで恋愛経験がないことが、何かのハンデになったり、人として成熟していないとは、もう思わなくなってきています。「思わなく」ではなくて、「感じなくなってきている」ですね。だから、あまりコメディーとして機能していない気がします。


でも、おもしろかった!んですよ。まぁ、絵柄が好みというのもあるし、主人公とヒロインの性格が、とっても初々しくて好きだったとかなんですが・・・・でもね、、、ちょっと振り返ったんです。僕、この系統の漫画すごく好きで探して読んでいるんですよね。『ヲタクに恋は難しい』とかも、凄く好きなんです。。。。でも、僕って、子供が3人いる、40代真ん中の、おっさんですよ、、、、何そんな青臭いこと、楽しめちゃうの?って、自分で、????って気持ちになります。実は、5年ぐらい前までは、ちょっと、忸怩たる思いがありました。「忸怩」というのは、ようはね、組織で偉くなって、人の上になって、年齢も高くなって、人の親になって、、、、というような「いい年したおっさん」が、こういう恋愛初めての青臭い中学生の感じるような物語が好きとか、なんて幼稚なやつなんだろう自分って、、、、Mぁ、僕は漫画とか好きなのは誇りなので、少しそう思っても、却下するんですが。。。。。でも、まぁ5年ぐらい?2000年代の初めぐらいまでは、それでも、「年齢や役職にふさわしく」なきゃなーという思いが片隅にありました。いいかえれば、40歳にもなったいい大人が、感じるようなじじむさいことが、できないとダメだって、「あるべき姿」があったわけです。・・・・・けど、いま、そういうの全くないんですね。いったい、この5年ぐらいに何が変わったんだろう?。


ちなみに、僕はいまアメリカに住んでいますが、よく言われるのが、昔の年齢と今の年齢は違う。今の人は、昔の年齢の10歳マイナスで見るとちょうどいい、というやつです。時には20歳近い差がある、と。


どういうことかというと、たとえば僕は今40歳だとすると、マイナス10歳−20歳で、感受性的には、言い換えれば精神年齢、肉体年齢的には、昔の20−30歳と見るとちょうどいいというのです。僕は、頭の中ではそうだなーと思っていたんですが、いまいち実感がなかったんですが、、、さっきこの漫画を読んでいて、もしかして!!!と思いました。というのは、もしかして、リンダグラットン教授が言うようにこれからの先進国の平均寿命が100歳になるとすれば、これまで、戦後う時代は織田信長の50年とか、昔ならば60年とか、そういった時代で遂げなければならなかった成熟が、少なくとも平均寿命の80歳に伸び、今まさに100歳まで延ばされようとしているのではないか?ということです。


だとすると、この主人公が34歳でも、マイナス10−20歳ならば、14−24歳のレンジではないですか!だとすれば、恋なんかしたことなくても、全然おかしくない。もしかして、そういうことなのか!?と思いました。ちなみに、生物用語では、幼生の外見のままで性的に成熟する、つまり子孫を作る能力を持つ現象を幼形成熟ネオテニーといいます。性的に成熟する(=肉体的成長)のと、精神的に成熟するのが、人間的に成熟するのが、昔と比率が変わってきているのではないか!!!と(笑)。


ヲタクに恋は難しい』なんかも、何が面白いかよくわからないけど、好きだったんですよ。だって、これも、要はラブコメじゃないですか。ヲタクとか、社会人とか、年齢が上がったとかの要素の落差のコメディーは、ほとんど機能していない気がするんですよねー。ただ単に、普通の学園ラブコメを、別の舞台で見ているだけ。でも、そういうふつーのものが、これまでの常識でマーケットの需要はあるのに、出なかっただけ、、、、だったんじゃあ!!!とか。だからこそ、むしろ特に濃くない、落差を強調しない、普通の作品を、その舞台で描く、特に差異を際立たせないフツーの作品のほうこそが需要があるのではないか!!!と。


いや、まぁそんな小難しいことばかり考えて読んでいるわけじゃないんですけど、、、、。


ヲタクに恋は難しい (1)


人生、100年の時代ですよ。全く違う感受性の時代が来ているんじゃーねーかなー。


LIFE SHIFT(ライフ・シフト)