合本で9巻まで読んでいて、続きをとても楽しみにしているんだけど、なかなか続きが出ない。。。単行本買うのは、いくらでもいいんだけど、Webの課金で見るのは、どうも抵抗があるのは、やはり僕は、古い世代なのかなぁ。
超優等生の周藤海成くんと有本佳織さんの、ちょっとHなラブコメ、と言ってしまえば、それで説明が終わるラブコメなんですが・・・・いや、とても好きなんですよ。たぶん読者層は、ちょっとHなのを求めている層だろうと思うんですが、なんか生々しいんですよ。なんでこんなに生々しいのか、うまく言語ができないんです。キャラクターの魅力なんでしょうが、、、、。僕何回も読み返しているんですが、もちろん有本さんもかわいいんですよ、確かに、でも、なんでこんなにこの二人見てて、グッときて、生々しいエロさを感じるのかというと、絶対これ周藤くんの魅力だろって思うんですよね。有本さん、いつも発情しているように思えるんですが(笑)、これだけストッパー外れて発情するのは(笑)、周藤くんが、かわゆーてたまらんからだと思うんですよね。後半の巻で、三角関係、、、とも少し違うんですが、宮田くんというライバルが出てくるんですが、この彼も、もうとんでもなくかっこいいんですが、、、、周藤くんと宮田くんの、この男の子としてのかっこよさってのが、僕は、いろんなマンガとか見ていても、なんかなかなか見たいタイプだなって思うんですよね。解説を見ると、「超優等生カップルの恋の行方は?」みたいな描かれ方をしているんですが、めちゃくちゃ特徴的なのは、かなりの進学校の1−3位を独占するような、超優等生なんですよね、この三人。でも、そういう優等生キャラって、ラブコメでよく出てくるんですが、なんか解像度が高くない気がするんですよね。こういっちゃ悪いんですが、本当に優秀で頭が切れる人を解像度高く描くのって、なかなか難しいと思うんですよね。
ふと、横にあった単行本で、筒井大志『ぼくたちは勉強ができない』(2017−2020)で、理系科目で緒方理珠、文系科目の古橋文乃という超天才を描いているんですが、正直いって、記号的な意味で、「頭がいい」「成績が上位」「周りから称賛される」みたいなことが書かれているだけで、決して、本当に頭が切れる人の世界を描けているかというと、うーん、たぶんこの子たち、基本バカだよね、、、としか見ていて思えなかったんですよね(苦笑)。いえ、バカにしているわけではなくて、ラブコメであって、そこに魅力があるわけじゃないんで、それはそれでいいんですけれども。頭がいい人を描くには、たぶん作者側に、エリートの世界を理解できる経験が必要なので、、、なかなか解像度上げるのは、難しい気がする。本当に頭が良くて、頭で生きている人は、マンガとか物語を読む確率は低い気がするので(笑)。。。ちなみに、僕が、あ、頭のいい人の意識を描けているなぁーと思ったのは、津田雅美さんの『彼氏彼女の事情』の雪野ちゃんは、あ、この子、頭のいい強者の発想しているって感じましたね。
ぼくべんのキャラクターと比較すると、周藤海成くんのナイーブさや、モチベーションや、振る舞い、勉強に対する姿勢とかって、、、あ、こいつら、マジで頭いいやつだ、って実存感が解像度高く伝わってくる気が僕はするんですよね。「知識を自分をものにしたい」とか、たぶん、わからない人には全くわからないこと(←これ聞いて、ああ、あの感覚か、、、と思う人は、相当頭がいいです(笑))を言うんですが、有本さんも、「あ・・・そいうことか・・・・」みたいにすぐわかってしまうじゃないです。いや、そんなのわからないって普通(笑)。なんと言うか、生活や生き方が、「本当に頭のいい人たち」の世界で、あ、これめちゃ、、、、なんというか、マンガの世界では見たことがないって。っそれで、この思春期の頭の良い少年少女たちは、めちゃナイーブだと思うんですよね。それが、胸がキュンキュンするんすよ(笑)。
だけど、それだけじゃない。ナイーブさって、繊細さなんですが、周藤くんと有本さんも、宮田くんも、、、、特に、周藤くんと宮田くんって、なんというか、超絶頭がいい人の「自負」がすごくあるんですよね。実存が、自分の知識をちゃんと使えるレベルまで消化して体内に取り入れている人、特有の覚悟と自信に満ち溢れている。もともと、周藤くんも、「そういう類の優れた男の子」なんですが、宮田くんがライバルとして迫ってくるのに触発されて、花が開くように、男の子の色気がムンムン出てきて、、、、いや、これは佳織ちゃん、しょっちゅう発情しちゃうのは、、、、わかるなぁって。
そんでね、、、、でもね、じゃあ、この発情ばかりしている(笑)佳織ちゃんが、恋に恋している女の子なのかといえば、もちろん「そう」でもあるんですが、周藤くんに触発されている形で、どんどん頭良くなっているし、、、、それ以上に、たぶんこの周藤くんの「男らしさ」と言うか覚悟の決まり具合に、連動して、彼女も、無理なく成長している・・・・えっと、さっき言ったように、周藤くんって、めちゃけちゃ頭良い上に、それがちゃんと実存に結びついているので、成績や評価に踊らされるような甘ちょろい子供じゃないんですよね、、、男らしいと言いましたが、めちゃくちゃナイーブなので、男くさいと言うわけではなくて、「人間としての人間力が高い」のが、めちゃ伝わってくる。それに、対等で、簡単に追いついて、下手したら追い抜いている感じがあって、なんというか、この対等感が、すごく最高!!!思うんですよ。僕は、男女の恋愛に、対等な感覚をすごく求めるんだろうと思うんですよね、、、、好きな女の子が尊敬できる人であってほしいと言う感覚が強いのだろうと思うので、、、これだけ佳織ちゃんが、頭が良くてできる子だと、、、、そりゃ、周藤くんや宮田くんも、メロメロになるよなーって。
これを書いているときに、僕は、多田かおるさんの大傑作の少女マンガ『イタズラなKiss』(1990-1999)を思い出していました。落ちこぼれの相原琴子と超天才の入江直樹のラブコメでした。これは、頭が凄くいいんだけど、エネルギーや共感性が弱くて、「幸せに生きる方法」が上手ではない入江くんが、パワーがあって共感性が高くぐいぐいくる琴子ちゃんに絆されるという骨格でした。やはりね、一昔前のラブコメって、この類型が多かった気がするんですよね。要は、バカな女の子が、すごい頭のいい男の子に惚れるってやつ。でも、男の子の方のは、人間性に欠陥があって、それを女の子が助けてあげたり、カバーしてヘルプしてくれる・・・・見たいな。いや、それはそれで、普遍性のある物語なんですが、僕の好みではないんだなぁ。
なんかねー、、、ああ、たぶん今の若い世代のこういう対等感覚があるんだろうなー、、、それが超ナチュラルなの。そういう感じが読んでてしちゃいます。
まぁ、何が言いたいかというと、このマンガ、好きです。