●第一部 TVアニメ『トータル・イクリプス』
・TVアニメ『トータル・イクリプス』最新情報
・原作・吉宗鋼紀、監督・稲垣隆行インタビュー
●第二部 『マブラヴ オルタネイティヴ』
・『マブラヴ』ワールドガイダンス
・ペトロニウス氏による『マブラヴ』解説
〜ビルドゥングスロマンとしてのマブラヴ・ワールド〜
・『マブラヴ』座談会(参加者:村上裕一、坂上秋成、ペトロニウス)
●第三部 『マブラヴ』CREATORS
・対談 吉宗鋼紀×諫山創
〜狂気から生まれる物語――『マブラヴ オルタネイティヴ』と『進撃の巨人』〜
・『マブラヴ』関連アーティスト&クリエイターズによるコメント&イラスト集
●『シュヴァルツェスマーケン』書き下ろし外伝小説
(作:内田弘樹、イラスト:CARNELIAN)
縁あって、エンターブレインさんのジャイアニズムのマブラヴ特集に記事を書かせた頂きました&座談会に参加させていただきました。3月30日販売です(クロニクルズの発売日と同日です)。かなりの分量を書いていますので、ぜひ物語三昧の読者は、読んでみて感想をもらえると嬉しいです。マブラヴ・ワールドは、愛したやまないので、このように関わる機会が持てたことを光栄に思います。凄くうれしいです。平成12年(2012年)の個人的な裏目標で、商業誌に書いてみたいね、というのがあって、まさか今年の初めにすぐ達成するとは思いませんでした。後は、仲間と一緒に聖地巡礼(なんでもいいのだけれども)を考えていて、まぁそれは、やる気があればできるものなので、もう達成できると思います。そういう意味では、うーん目標をもう少し上乗せしないといけないかなぁ、とか思います。SomethingOrangeの海燕さんも有料メーリングリストを始めたみたいだし、漫研のLDさんも何か挑戦するみたいなので、みんな少しづつ変わっていくというかトライしていくものなんだな、と噛み締める今日この頃です。まぁ、少しずつ変化を意識するのは基本ですからね、成長の。。。。それにしても、申し訳ないぐらい凄い分量を書いた気がする、、、、。
あっ、ちなみに、このマブラヴの記事に関する解説ラジオを評論家の村上裕一さんとしようと話で盛り上がっているので、彼の『ゴーストの条件』の解説と合わせて、近いついにマブラヴ解説ラジオをしようと構想中です。ずっとブログ追っててくれれば、近いうちに日時を報告すると思います。もちろん、気分と自分の仕事によって難しいかもしれませんが、まぁさすがに、やるでしょう。こんな機会は、素人の僕にはなかなかないもの。いやー座談会にせよ記事にせよ、もう信じられないくらいもっと量があって(笑)それを圧縮に次ぐ圧縮と、決断による削除(笑)を繰り返してまとめていくという作業があったので、余剰分ってものすごいあるんですよ。3人とも、マブラヴへ愛あふれるもんだから、とまらなかった(笑)。ちなみに、発売日以降にすぐやるつもりなので、買って読んでおいてもらえると、おもしろいと思いますよ。
「作り込み」と「ダダ漏れ」の間
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120214
僕は、ちきりんさんのブログの大ファンで、毎日読んでいますが、上記の記事がすごく印象的でした。というのは、文章を書く仕事の、『あり方』が違ってきていることのいいところををついているなと思ったからです。僕自身、ブログの文章は、本当に「たれ流し」「ダダ漏れ」で思考をそのまま記述しています。推敲もしないし、構成も無視だし、そもそも文章として成立していない表現も多発しますし、誤字脱字だらけなのは読者の皆さんもよくご存じだと思います。けど、まず自分視点からいうと、「これくらい」の努力が社会人の僕の限界であって、これ以上のクオリティを上げる「作りこみ」は、労力的に割に合わず、ブログを書かなくなってしまいます。これは過去経験済なので、実感としてわかることです。そして、まぁ自分のため(もしくはよく知る身近な友人とのコミュニケーションコストを下げるため)の日記だからいいかーと思ったのですが、意外に読者は増えているんですよね。ラジオなどを見ていても、意外にこのあたりの思考の履歴を理解して追ってくれている人も、会ったことがない読者さんでも結構います。僕はもっと「作りこみたい」という意識があって、それができていないのはある種の「駄目だなー自分」という気持ちがあったのですが、意外や意外、このまま「思考の履歴を垂れ流す」ことにブログというメディアの価値があるな、と今は感じています。自分が友人に自分の思考の履歴を理解してほしいという「個人的なコミュニケーションコストを下げる目的」が、意外にメディアの機能や自身の目的、世の中のニーズとマッチしているところを見つけた感じです。そのもやもやっとしていていたものを、ちきりんさんのブログで、そうか!そういうことなのか!と思いました。なので、商業的に書く経験は、その逆になるわけで、今回は非常に楽しみました。
本当にブログとは違う意識で作りこんでいくので、その「過程」の違いに非常に感銘を受けました。要求されるとこはほとんどないのですが、自分自身も、商業で読者に向けて書く、ということを考えると、普段と全然違う形態を考えてしまいます。それは、ある程度の「わかりやすさ」や「読者を想定」した「理解度」などのことを前提においてしまうことから、表現を和らげて受け取りやすいようにしたりと、ということです。ブログは、極端な話、他者に向けて書いていません(笑)。けれども、雑誌は商売だし、流通だし想定の読者がいる(その雑誌の読者だけでなく、なによりもリアルに編集さん(=クライアント&すぐ読む人)がいるわけですから)わけですから。思ったことを書いたらすぐ出すブログというメディア形態のタイムラグのなさ、も見逃せません。だって、雑誌の記事はとっくにできていますが、まだ発売しないんですよねー。ブログって、書いたら即掲載するので、こういう「今の自分の気持ち」とかい離した時期に掲載されるという、書き手の心象とのずれというのも、おもしろい差だなと思います。
さて、記事の内容については、もちろん読んでもらえばいいのですが、マブラヴワールドを再検証していて、気づいたことがあります。記事が書き終わった後に気付いたので、明示的には書いていないのですが、分析は同じ結論を示していました。それは、1990-2010の20年間には、どうも共通性があるということ。そしてその主題は、どうも80年代へのアンチテーゼや反発から生まれていること。さらにこのいわゆる「失われた20年」と経済の世界では言われる(ほんとか?)期間で生まれた、ハーレムメイカーや再契約もの、並行世界などの主題は、後半でこのタイプの類型を追求しきって「その次」を目指す作品が登場していること。具体的に言えば、『マブラヴ・ワールド』『魔法先生ネギま』と『まおゆう』は、明確に共通性が見いだせること。また、その物語の「終わり」をどう裁くかということで、次世代の物語に対するある種のモデルケースたり得ること。
そして、マブラブのシェアワールド(僕はシェアードワールドよりは語感好きでシェアワールドと書きます)がはっきりとして、その手法を使用していること。もっと具体的に言うと、群像劇の叙事詩的な大河歴史ロマン(←まだこの表現は、ちょっとわかりにくいなー。なんかいいキーワードを探さないと・・・)になって、並行世界も包含する歴史を背景にするシェアワールドになる、というところ。この話は、LDさんとのラジオやこのブログを、ずっと追ってきてくれている人は、正しいかどうかはさておき、わかってもらえると思います。僕の「次世代の物語」への回答の一つです。そして、ハーレムメイカーを代表例とする自我のナルシシズムの折からの脱出方法への、言い換えれば、この時代に青春を過ごした世代にとっての「成長とはどういうことか?」の一つの明確な答えとなります。文脈を精査していた時に、自分が何で、村上龍と村上春樹がすごく好きなのか(今ではかなり正反対)もすごくよく理解できました。ダダ漏れの思考を深く追及することも大事ですが、時々立ち止まって、全力で精査、整理して思考の過程を検証するのも、凄く意味があることなんだな、と今回は感じました。
記事でも書きましたが、解釈の遊び、、、ああでもないこうでもないと、何の意味もなく金にもならないことを、仲の良い友人とだべることこそが、僕は幸せの一つだとおもっています。マブラヴ・ワールドは、僕はコミットする価値がある作品だと思っています。コミットする価値にはいろいろな条件があって、やっぱりコアの作品が、超ど級のクオリティを持っていることと、それを若い時に「出会ってしまう」こと、そして、コンテンツが終わらずに広く展開していくこと、、、、イメージは、ガンダムサーガですよね、あれはあれでオリジナルのコンテンツから広がりすぎているので、もう少し「育てる」感覚が失われていますので、いまはマブラヴは、一押しですよ(笑)。なによりも、トータルイクリプスのアニメ化やクロニクルズなど、まだまだ新しい世界が、シェアワールドが広がっていっているじゃないですか。ガンダムは、もうなんというか、あまりに語りつくされていて、今から再エントリーするのって、しんどいじゃないですか(笑)。青春時代に、初代富野ガンダムを見ている人はいいけど、ゼロからシリーズを全部体験するのって、もうしんどいよ(苦笑)。
あと、全然関係ないんですが、エンターブレインさんの本社に行って初めて明確に意識したのですが、『まおゆう』と『アマガミss』って、ここがやっている作品なんですね。僕は出版社をほとんど意識していないので、看板がいっぱい立っているのを見て、おおっ!そうなのか!と驚きました。まぁ、別にどうでもいい話ですが…(苦笑)。
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