『revisions リヴィジョンズ』 1-3話 谷口 悟朗監督 主人公の堂嶋大介くんが、『鉄のラインバレル』の早瀬 浩一くんを思い出して、その醜悪さに見てるのがつらい・・・

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見はじめた。谷口悟朗さんのということで。何の情報もなく見ているけれども、谷口監督のは見なきゃ!と思い。ちなみにアニメーションのつくり方が実験的なのか、なんか動きが変で、ちょっと見にくい。モーションキャプチャー的な動き?。たぶん、監督が実験かなんかして、新しい方法を試しているのではないかなーと思う。まぁ、ちょっと見にくいけど、手法的にチャレンジができるのは、谷口監督レベルの人でないと、なかなかできないと思うので、これは頑張ってほしいです。


ネットフリックスで見ているので、現在第4話。主人公が、全然感情移入できないで醜悪、、、とまではいわないが、相当「おれおれかまってくん」「思い込みで現実が見えなくなっている」人なので見るのがしんどい。。。。SFとして、めちゃくちゃ面白いので、これがつらい・・・・。確かに中毒的に、先が見たくなる面白さなんだけど、主人公が超絶感情移入できなくて、つらすぎる。。。。


というのは、僕は、「俺が特別だ!」という動機、思いが、反吐を吐くほど嫌いみたいで、『鉄のラインバレル』のアニメをすごく思い出させる。この全能感が、そのまま充足される形で断念がないならば、物語としては、僕が一番許せない類型で、これを谷口監督がどう料理していくのかは、とてもとても見ごたえがある。というか、、、まさか、またラインバレルみたいなことはないよねぇ。。。と、ドキドキする。この後、この醜悪な思い込みの全能感が、断念・・・・叩き潰されて、痛切に自分の独りよがりに気づくという「ひっくり返し」を物語にセットできないと、個人的には、どんな素晴らしくても、醜悪としか言えないんで、、既に3話見てもこのにおいが消えないのは、、、、ちょっとやばいんじゃないか、、、と、あまりに主人公に感情移入できなくて。反逆のルルーシュで、谷口監督が、全能感についてたくさんインタヴューを受けていたのですが、僕はこれがよくわからなかった。もちろんたしかに、主人公のルルーシュの「ナナリー優先具合」は、特に第一期の終わりにとても感情的に納得しにくい決断をさせたので、ああ、ルルーシュというのは、相当こじらせて歪んでいるのだな、というのはLDさんともたくさん議論して分かったのですが、、、、それでも、少なくとも僕には、ルルーシュの独りよがりで「ナナリーを助ける」という思い込みは、ナルシシズムになっているとはいえ、愛せたんですよね。だって、彼の子供時代の親に捨てられた過去の積み上げ、ナナリーがトラウマで目が見えなくなっていることなど、彼がかしくなるには、十分な「積み上げ」があって、納得はできなくとも、でも主人公が基本ラインで愛せたし、感情移入できた。だから、谷口監督がインタヴューで強調するほど、全能感のいやらしさは出てなかったと感じたんです。でもねぇ、、、『revisions リヴィジョンズ』の堂島君は、明らかに、だめだ。共感できるポイントがねぇ。

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具体的に描写しておくと、堂嶋大介という男の子が、小学生時に誘拐され殺されかけるが、ミロと名乗る女性に助けられて、その時に、「将来、大きな危機が起きるので、その時に仲間を守れるのは、お前の力だけだ!、お前だけだ!」みたいなことを言われるんですね。それ以来、ずっとそれを、信じている。けど、ちょっと、というか信じられないほど、独りよがりに妄想的に、それを信じているんですね。なんというか、こういう「自分が信じている妄想」が、「実際に実現する」という全能感、しかも自分がヒーローという形で、不遇な自分がみんなに認められるというドラマトゥルギーは、万人に愛される物語ではあるんですが、とても注意しなければならないのですが、1)それが、現実からはちょっとありえないという不信感や疑念が本人にまったくないと、だめなんですね。でないと、凄く醜悪になってしまう。というのは、その疑念がないと、2)「みんなを守る」という目的が大事なのか、そうではなくて「自分の妄想が受け入れられて自分が認められる」というエゴイズムが満足されるのが目的か、どっちかわからなくなるからなんですね。なので、見ていればわかるのですが、屋上で生徒が何人も殺されているのに、おれが救った!!!とか、なんでみんなもっと認めないのか?という風に周りにイラつくんですね。これ、見てて、明らかに目的が、自分が「認められること」の、オレオレかまってくんなんですよ。見てて吐き気がした。。。

・・・マクロの設定はともかく、主人公の早瀬君の、醜悪なルサンチマンには、もう見ている最初から反吐が出る。耐えがたい。演出上のものであるとしても、あまりに醜悪で、正直、物語として見るとしても個人的には、我慢が出来ないレベルなので、この後の展開がかなり良くても、駄目だなぁ。まぁ何もできない少年が、いきなり「力」を手に入れて人類を守るヒーローになるというのは、物語の基本類型みたいなもので、これも落ちモノのパターンなんだけれども、それを差し引いても、ちょっと耐えがたい言動だ。たとえ、そういったルサンチマンが激しくても、それでも、好きな女の子を守りたかったとか、何らかのいい点があると、主人公に感情移入できるんだが・・・彼の場合は、基本的に「自分」のみで、うざい。

僕は、たぶん主人公の動機をめぐる評価をしがちな分析をするので、動機があまりにひどいと、許せなくなってしまう傾向があるみたい。もちろん、「そういった視点」だけで評価するべきではないのでしょうが、感情的に、いらいらしていまう(笑)。ここは、僕の主観的に「許せないポイント」みたいなんですよねぇ。主人公の5人の一人、堂嶋大介くんですが・・・いやはや、ほんとに、いらいらする見てて。SF的に、凄い面白いし物語もさすがなので、見れているんですが・・・・・もし、これで、そのまま堂嶋大介が、必要不可欠で、周りに受け入れられていくドラマトゥルギーになったら、許せないなぁ。。。周りの人間は、非常に迷惑に感じていて、イライラしている積み上げをしているので、そうではなく、何か、この「独りよがりの積み上げ」について、カタストロフというか、報いがあって、契約・再契約的に、「自分を見直さざるを得ない」契機がシナリオにインボルブされることを切に祈ります。せっかく面白いだけに、、、。僕は、こういった醜悪な全能感だけが、ストレートに受け入れられるドラマの構成が、売れる、受け入れられるというのは、めずらしくあってはならない、と思うんですよ。そんな市場、そんな受け手であってほしくないし、作り手も、「それが儲かるし受けるよ!」と思わないでほしいと思う。。。物語を語るときに、あまり倫理・道徳を持ち出すのは、ほんとは滑稽だし、物語の力ってそういうものではないと思うんですが・・・・にしても、「これ」を醜悪だと感じないのが世の中のスタンダードや平均値であってほしくないなぁ、、、。いやー僕には珍しく、「倫理的なあるべき姿」が想定されていて、珍しい評価ぽピントなんですが、ほんと、これはやだ。


といいつつ、たぶん4話まで見ると、これがタイムパラドクスを扱った物語で、それぞれ5人に、それぞれの視点があるようなので、すごい面白そうではあるので、現時点で、何とも言えないのですが、驚くほど見てていらだったので(笑)。メモメモです。これがひっくり返ることを祈って。。


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