機動戦士ガンダム00 水島精二監督 「突き抜けている」部分がない作品

機動戦士ガンダム00 (1)機動戦士ガンダム00 (1)
宮野真守 水島精二

バンダイビジュアル 2008-01-25
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00は、僕は、なんといっても高河ゆんさんが大好きなので、キャラデザだけでも十分、おなかいっぱいなので、ずっと見続けています。基本的に、うん、秀作!って感じで、よくいえば、ほぼすべてが水準に到達している・・・が、悪くいえば、すべてが「突き抜けている」部分がない作品、という印象なんです。先週の、ロックオンが死んじゃったことや、1クール目の最後に向かって今まで出てきたキャラクターがかなりの割合で死んでいく様は、ドラマの盛り上げ方からいって、そんなに違和感はないです。けど・・・逆に言うと、「安易な特攻」って批判してても、ガバーって涙が出るグレンラガンに比べると、妙に冷めている感じがするんですよね。なんというか、キャラクターに感情移入できないっていうか・・・少なくともSEEDには、僕はそれがあった気がして、賞賛したんですが・・・。


みんな実際どう思っているのでしょう?。


いや、秀作なんですよ。丁寧だし、いろいろな文脈をもちゃんと抑えているし。演出も安定している。けど、なんというかなーコードギアスやSEEDの時は、ぐわぁーと感情移入して、なんというか多少の(かなりの?)構造的問題点があっても、そんなに気にならねぇぜ!みたいな、エネルギーを感じたんですが、僕にゃーこの作品にはそこまでは感じないんだよなー。


20数話話が進んでも、いったい何が話が進んだのだろう?って気になってしまう。いや、3すくみの政治状況等は、そういう神に視点的な、ちょっと突き放して感情移入しにくい演出になるのはわかっているのですが・・・。感情移入が激しくないので、人が死んでも、まー死んだなーというふうにあまり感情が動かない。それこそ、リテラシー問題の再燃なんだけれども、これってガンダムやそれなりのアニメ作品を見なれている人ならば、ふーん?とか思っちゃわないかなぁ?とか思うのですが。実際、皆さんどういうふうに見ているのだろう。いや、生まれて初めて見るのならば、絶対感動するとは思う。演出は水準をクリアしているからね。けど・・・・。うーん、うまくいえない。


□補助線

機動戦士ガンダム00/02ガンダムマイスターネオリベラリズムは肯定されうるのか?
http://ameblo.jp/petronius/entry-10071016919.html


■ご無沙汰しております。

無事に復旧されました事、お喜び申し上げます。またお会いできて嬉しいです。
ご覧になられたようですが、やはり序盤はまずはこの世界を塗り固め、主人公たちのミクロな問題を見せてから、マクロの命題に取り組んでいくようです。コードギアスと同じ、25話×2という物語構成なので、第一期だけでは現在の進行具合では、其処までたどり着かずに終わってしまうかもしれませんね。ちなみにバンダイはこの作品を主軸とした営業目標を非常に高く設定しているようです。(バンダイのサイトのガンダム関係の売上の実情と目標を見て驚きました)さて、この作品は果たしてその目標に応えられるのでしょうか?そういう点からも、この作品に興味を持って見て行きたいと思って視聴しています。(前作はDVD売上は高かったようですが、主戦力のプラモの売上で、相当落ち込んだようですので)それでは、また。

萌えオタ 2008-02-19 03:02:57

■萌えオタさんへ

ガンダムはここまで見ていますが・・・どうもだめですねぇ。。脚本がだれすぎ、、、いや糸も質も水準以上なのですが、なんだか「どこかでみたもの」の二番煎じにしか感じません。熱気というか監督の思い入れの深さや侠気を感じないんですよね。なんというか、今まで成功してきたパターンのパッチワークの上に秀作な脚本を書いているような・・・いまのところは少しザンネンというのが本音です。

ペトロニウス@管理人 2008-02-24 09:09:35

■そうですね

後あえて言及するなら、主人公たちの設定はWガンダムのオマージュ、さらにその目的については、其処から還元されたライトノベルでアニメにもなったフルメタル・パニックを更に還元している部分が見られます。私も第1クール(13話)までは退屈で仕方がありませんでしたが、14話からいきなりマイスター達中心のミクロな視点から、それを巻き込んだマクロ全体の話へと話が急展開したのには正直意表を突かれました。これは、そもそも第1期までは主人公達周辺の話だろうと正直見くびっていた私が未熟なだけだったかもしれませんが。話を薦める者としてはマナー違反なのかも知れないのは承知で、とりあえず一続きの14、15話を見てみてください。主人公達に対する各国のパイロット達の熱さと、主人公たちの存在の根幹を揺るがしかねないある事態、そしてそれを元に主人公達も熱さをもっていく流れを私は確かに感じました。そして、退屈だと思われた部分がどんどんひっくり返っていく様には正直驚かされました。勿論、これはあくまで私個人の私見に過ぎません。もし、現在放映している部分まで既にご覧になってそう思われていたのでしたら、潔くお詫びいたします。それでは、お返事ありがとうございました。
萌えオタ 2008-02-24 22:48:49

■萌えオタさんへ

コメント、どうもうれしいですっ!♪。だけど・・残念ながらリアルタイムで見ていてそう思うんですよ・・・。なんというかSEEDほどキャラに入れないし、うーむというところです。でもまー見ているので、けっして駄作だとは思いません。今のところどうも心には響かないですよ。たしかに良作とは思うのですが。・・・・秀作って感じなんですよねー。オリジナリティを感じなし。

ペトロニウス@管理人 2008-03-01 12:02:57

■こちらこそ、お返事ありがとうございました。

やっぱり、余計な気の回しすぎだったようですね。申し訳ありませんでした。
お返事を私なりに解釈させて頂きましたが、「詰まらないと言う程ではないが、引き込まれるものが無く、退屈」「作り手側の、これを見せたい、こう考えてるといった物が見えてこない」といった点がネックという事でしょうか。00の水島監督は、どちらかというと、スケジュール調整などの、物作りの環境を整えるのに定評のある方らしく、作品の内容は、脚本家の方が作品の内容の主導を任せる事が多いようで、作品ごとに作風は色々違ってますね。(実際、今のところはプラモデルの販売と、促進の為の作品の展開は非常に連絡が円滑なようです)脚本家の黒田さんは沢山の作品に関わっている方ですが、偶然宇宙船で放浪する事になった少年少女達、という設定でアニメ版「蝿の王」を作った、「無限のリヴァイアス」や、近未来の荒廃、隔離された横浜で、特殊能力を身につけてしまった少年たちが例え相手が誰であろうと、軍であろうとひたすら殴りあう熱血バカを貫いた「スクライド」という作品が私には印象深いです。それらの作品や、黒田さんが書かれたライトノベルと比べると、確かに現状の00は非常にそういった「らしさ」を意図的に押さえた作品であるとは思います。黒田さん自身がガンダムの大ファンで、以前脚本家の依頼をされたときに断ったりしているそうなので、やはりそういった「自分のガンダム像」に、遠慮している部分があるんでしょうか。とりあえず、私は最後まで見続けてみようと思っています。放送が全て終わるのは再来年になりそうですが、もしそれまでに、一度でもいいから、またペトロニウスさんのブログの記事に取り上げられるような作品になればいいなあ、とも思っています。勿論、それとは関係無しに、いつもペトロニウスさんの記事は楽しみに拝見させて頂いています。
それでは、これからもよろしくお願い致します。

萌えオタさん 2008-03-02 02:00:58

■萌えオタさんへ
どうも最近忙しくてテキトーに書いているので考察の質が下がりまくりのペトロニウスです。ガンダムも、いろいろせっかくかうなので語りたいことはあるのですが、、、、なかなかまとまった時間がとれません。

1)Wガンダム由来?の5人の美少年(笑)キャラ

2)ネオリベラリズム的な武力で世界平和と部族同士の殺し合いへの介入

という流れは、とても興味深いのですが、「それそのもの」で、「その先」がないんで、とても陳腐に見えてしまうのですよ。黒田さんが脚本ということですが、ということはリヴァイアスなどの素晴らしさは、やはり谷口監督一人に負うところが大きいということかもですね。もしくはこの水島?監督が、才能が秀才タイプだ、ということかもです。

こうやって会話しながら、記事への考察を深めたいので、コメントしながらお話しできると、とてもとてもうれしいです。こちらこそ、いつもコメント本当にうれしいです。ありがとうございます。

ペトロニウス@管理人 2008-03-02 16:40:18