不幸や我慢が美しい関係を作り出すとすると、、、、、人間には不足があったほうがいいのかもなぁ・・・

マイガール 3 (BUNCH COMICS)

絵柄が凄い好みで、毎回楽しみにしている。僕は、子供を描く物語にはキーワードを持っていて、「健気」というのが好きなんです。でも、そういうのって、不幸な環境にあって我慢しているから起きる現象なわけで、そういうのがいいというのも、なんか悪いなーと思うのですが、健気でない子供は好きではない・・・つまりは、不幸や不足がないと、何か大切なものを見落として生きている、と僕は思ってしまっているみたいです。弱いもの、何もないものにしか見えない持ってあると思いますんでね・・・・。けど、不幸なことがいいことなのか?と問われると、なかなか難しい。ただ、この親子は、妻でありお母さんである陽子さんの不在が、そして一緒に暮らした時間が少ないことがあって初めて、この微妙な距離を作り出している・・・・。あそこまで時間が止まっていないが、『Papa told me』を連想するなぁ。まぁ作者の目指している志向が、全然そういう方向ではないと思うので、ああいう「時間が止まってしまう」罠にははまらないとは思うけれども。


Papa told me (27) (ヤングユーコミックス)
Papa told me (27) (ヤングユーコミックス)


えっと、なんでそんなことを書いたかというと、この3巻のラストのエピソード「生き方の鉄則」の工藤君という、正宗の先輩の話が、とても印象に残ったからです。この先輩は、どうしようもない自己中でちゃらんぽらんな男なんですが、コハルの「我慢している」ことを一発で見抜いちゃうんですよね。いい子なんじゃなくて、ただ単に「諦めるのがうまくなっているだけ」ということを、ストレートに見抜いてしまう。それは、彼もまたシングルマザーの息子で、諦めるのに慣れて生きてきたからなんですね。こういうの鮮やかな対比でいい話だなーと思う。仕事でどうしようもないダメ男が、鮮やかに生真面目な正宗より複雑で魅力的な男に見えてくる・・・・。そう、不幸なことや苦しんでいること、、、には、「そういう経験」がなければ、なかなか見抜けないんですよねー。経験がないのならば、相当洞察力がないと、そういうものは見抜けないものです。そういう人になりたい、と僕は思います。

ちなみに、、、、このかわいいこはるちゃんに、「正宗くん」とか名前で呼ばれるのは、、、、うーん、素晴らしく幸せなシュチュエーションだなー。うらやましい、、、と思ってしまう僕は、本当はひどいやつなのかもしれない(苦笑)。この二人に距離があって人格を認め合っているのは、二人が不幸だからなんですよねぇ・・・。


そういえば、シュチュエーションとしては、『おたくの娘』さんも似たような感じだが、全く受ける印象が違うよなー。お父さんと娘モノという題材は、いろいろ見てみたいなーーと思うのだが、お父さんと息子もの?とかお母さんと息子もの?って、もしくはお母さんと娘モノか?とか、あるのだろうか・・・。ふと思った。

おたくの娘さん 第六集 (角川コミックス ドラゴンJr. 100-6)