素晴らしい作品だなーと思う。なんというか「目的を持って生きていく切実さ」が見事に描かれていて、1巻から全くぶれない。にもかかわらず、部活で、チームでやって行くという部分の美しさ楽しさが、、、、むしろそっちこそがメインで描かれている、、、素晴らしい作品だと思う。・・・が、これほどの切実で切迫した求道精神を、この豊かな国で描くというのは、、、いったいどんな背景を作者は持っているんだろう?と、少し心配になります。なんか、これって折れると、死にかねないようなまっすぐさで、、、それほどに生きるのに余裕がないのはなぜだろうか?と思う。ちはやは、素晴らしくかわいくて、いい女だと思うが、、、、でも、何かに追われているような、何かよほど自分自身に自信がないような相当の空洞が心になければ、普通はここまで強い動機は持たないと思うのだがなぁ。。。いや、お姉ちゃんとの比較が、彼女にこうした負の意識というか、自尊心の弱さをもたらしているんだと思うが、、、、物語世界では、納得できるが、、、まるで何かの罪を背負っているかのような求道精神には、その凄さも含めて少し慄く・・・。いったい作者は、どういう人生経験があって、こういうのを書くのだろう?って。
まぁ昨今のサークルや部活モノなどの、、、『げんしけん』以降の、ゆるーい仲間共同体にもう少しより強い目的意識を与えるというジャンル系・・・・『放課後ウィンドオーケストラ』でも、もう少しゆるい『けいおん』でも、ちょっと古いが邦画の『スウィングガールズ』でも、まぁなんでもいいのだが、、、あっちなみに、部活モノジャンルが最近良作が目立つ気がするので、、、もしかしたらそういうブームがあるのか、ブームを作ろうと編集がしているのか、そんな気がします。・・・ああ話がそれたんですが、なんというのかなぁ、ウェルメイドな作品は多いのですが、こういうのって、ウィンドもそうなんですが、やっぱりある意味丁寧で、安定した、普通の作品に堕しがちなんですよね。なんでかっていると、狂気がないから。部活モノ、、、普通の学園に、スターや狂気の求道精神や動機を持つ人ってなかなか生まれにくいでしょう?。でも、『ちはやぶる』には、その両方がある。このレベルは、僕が大傑作と感じる『しゃにむにGO』くらいしかないんですよね。だから、凄いですよ。素晴らしい作品なので、おすすめです・・・・が、僕にしては珍しいのですが作者の動機にも興味があって、どんな人生経験があると、こんな切実な求道的な動機を持つキャラクターや世界観が作れるんだろう?と不思議に思います。