3人でビールを飲みましょう

米国:黒人教授「誤認逮捕」、オバマ大統領が仲介 教授と警官、ホワイトハウス招待

Obama invites James Crowley - Gates for Beer Press Conference Friday July 24
 
【ワシントン小松健一】米ハーバード大の黒人教授がマサチューセッツ州の自宅で不法侵入者として「誤認逮捕」された問題で、オバマ大統領は24日、ホワイトハウスで会見し、教授と白人警官をホワイトハウスに招くと表明した。警察に黒人への偏見があったのではないかと論争になっており、大統領の仲介で事態の沈静化に努めるという。さらに大統領は22日の記者会見で逮捕を「ばかげた行為」と非難した自らの発言について、「警察に悪意を持っているような印象を与えた」と配慮を欠いたことを認め、発言を撤回した。

 大統領の22日の発言は、黒人が警察に不当に扱われた歴史にも言及。これに警察当局が反発し、大統領に謝罪を求めていた。

 オバマ大統領は24日、教授と警官双方に電話をかけ、ホワイトハウスへの招待を伝えた。会見で大統領は、警官から「教授と大統領の3人でビールを飲みましょう」との提案があったことを披露し、警察との和解を印象づけた。

http://mainichi.jp/select/world/news/20090725dde007030073000c.html


これが政治的・・・マクロ的に本当に意味があるようになるかは、もっと大きなマクロの政策をオバマ大統領がどういう風に制御するかに関わってくることで、しょせんこれ一部で何を評価することができるわけでもない・・・んだけれども、もうしわけないけど、すっごいうらやましいーくらいかっこいい物語みたいなエピソードだよなー。こういう和解と仲裁の方法が、たとえ虚構であったとして物語として成立する「凄さ」ってのを感じるよー。まさにドラマじゃねーかこれ。僕の好きなポール・ハギスアカデミー賞を取った『クラッシュ』を思い出した。アメリカでは、黒人など有色人種を狙い撃ちした五人逮捕と差別がよく起きるんだけれども、それも、単純に差別意識だけでもなくて、都市での貧困層で重武装しているのに黒人が多かったりもするので先にぶち殺さなきゃ殺されてしまうので(警官はアメリカではガンガン殉職する)、それへの対抗できが立っているという「信頼が揺らいでいる」状態なんで、小さな出来事が連鎖的に大暴動に発展したりしていってしまう。そういうアメリカの現実を僕は実体験で知っているわけではないが、映画でよくよく身に染みているので、なんかこいうエピソードを聞くと、映画の話に接続されて、ぐっと来てしまうなー。

『クラッシュ』 ポールハギス監督 アメリカ社会の都市の分断が見事に描かれているhttp://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080808/p1

クラッシュ [DVD]
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ローマ帝国の末期、次々にマイノリティの皇帝が乱立して国が衰亡していったことを例に、オバマ大統領の登場は、アメリカの帝国として衰微だと嘆く人々もいるが・・・そのへんのマクロの評価は、簡単人はできないんだけれども、やっぱりすごい「身体性」だよね・・・。ハワイで生まれてインドネシアで育って、お母さんが白人で、父親はアフリカからの移民で、、、って、もうなんじゃそりゃーってシンボルだ。最近ゆったり彼の著作や好きだといわれる本を読んでいるけれども、、、、うーん凄い。凄い興味深い存在ですよ。ちなみに下記の本は、とーても面白い。簡単には読めないけど、手がかりに、少しづつ読んでいる。背景や文脈が読めてくると、勝利宣言のスピーチの深さが感じられて最高に面白いです。


オバマの本棚 ―人を動かす言葉の裏に膨大な読書あり
オバマの本棚 ―人を動かす言葉の裏に膨大な読書あり