これは世界の中で見ると、日本人が貧しくなったことを示す。

アベノミクスの効果は、おおむね出尽くしたといえよう。その結果も、著者のいうように、ほぼ教科書的な経済学の予想どおりだった。


•短期:日銀の量的緩和の効果はほとんどなかったが、円安の効果は大きかった。

•中期:財政再建は絶望的になり、社会保障の負担が激増する。

•長期:人口減少によって世代間・地域間の格差が拡大する。


政治家やマスコミは短期の効果ばかり見ているが、「インフレ目標でデフレを脱却すれば日本経済に明日がある」というアベノミクスはもともと幻想であり、2年たってそれが幻想であることが証明されただけだ。インフレ率も成長率もほぼゼロになり、経済効果は円安の影響だけだ。

これによって輸出企業の収益が上がる一方で労働者が貧しくなったのは当然で、インフレや円安は家計から企業への所得移転なのだ。これは短期的には景気がよくなったような錯覚を与えるが、潜在成長率はゼロになり、交易条件は大幅に悪化した。これは世界の中で見ると、日本人が貧しくなったことを示す。


日本経済に明日はあるのか 池田信夫
http://agora-web.jp/archives/1641368.html


これは、実はここ数年来感じることです。仕事でスイスに行ったときに、あれ?って思っていたことなんですが、アメリカで生活してみて、最近強く実感している。日本は、貧しくなっているだなって。相対比較なので、実感しにくいところはあるんだが、物質水準で差がついてきているような気がする。もちろん成熟社会においては、単純に比較はできないとは思うんですよね。豊かさの定義が物質だけでは測れないところがあるわけだし。とはいえ、そういう事実はあるんだよなーって思います。ただ単純に考えれば、物質的水準に格差が差ができれば、単純に差は開きます。


橋本さんの大阪での住民投票が否決されたけれども、あれって大阪はその他地方として沈むことを決めたんですね。池田信夫さんが、大阪は現状維持を選んだ、とおっしゃっているが、そうだよなぁと思う。これで、地方の一つとして埋もれることは決定してしまったようなものだ。橋本さんの構想自体は、正直しょぼいものだったと思うし、性格的にもあまり受け付けない人ではあるが、日本には珍しい「小さな政府」志向の人だったのは間違いがない。あの程度の変化が否決されるのでは、、、、。これを封じ込めたんだから、少なくとももう大阪には未来はないだろうなぁ。同じことが言えて、本来は先進諸国の選択肢は、大きな政府と小さな政府で争点が争われてバランサーが動くべきなのだが、、、。大きな政府一択だと、未来を現在世代から奪うだけに終始してしまうのが、現在の民主制度なんだよなぁ。日本にはなぜ小さな政府の伝統が根づかないんだろう。