評価:★★★☆星3つ半
(僕的主観:★★★★4つ)
極地恋愛 http://novel18.syosetu.com/n1896br/
よかった。蠅の王ですね。話としては。島に漂着して変えれなくなった男女が、、、というお話。非常にきれいにまとまっている。完成度が高いです。
主人公の性格の壊れ具合というか、主人公にはありえないような性格は、とてもめずらしい。最近、、、猟奇殺人鬼というかすべてを壊したいと思うような破壊破滅願望の持ち主の性格がすごくよくわかるようになってきて、ああー時代は進んだなーと思います。Fateの言峰綺礼さんが饒舌に自分のことを説明してくれたので(笑)、あれがベースになって、 ああーこの系統の人はこういう風に思うものなんだーというのが理解できるようになってきました(笑)。よく考えると、神戸連続児童殺傷事件(1997)の酒鬼薔薇聖斗のころから不透明な動機の事件がクローズアップされるようになり、動機が壊れている人間をテーマにした映画や物語が溢れるようになっていきました。あれ、いま思うとブームだった気がします。特に、不透明というだけあって、なんでそういうことを考えるの?というのが当時はよくわからなかったんですよね。でも、もう今時代が追いついてきて、動機が壊れる、世界を壊したくなるってのは、もう時代的な空気としてかなりの人が共感できるようになっているし、、、共感を通り越して、ああ、あれってあんなふうな感じというような常識になって、あたりまえになってきてしまいましたよね。
この感性って、1990年代の後半ぐらいから2000年代の前半ぐらいまで盛り上がっていた気がします。あのころに『FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』とか読んだよなー。よく考えてみると、自分に何もその毛がないのに、なんでこういうのを一生懸命読んだのか、とても不思議です(苦笑)。やっぱ時代的な空気なのかな、と思うんですよ。
あの時代の代表的なものは、アニメならエヴァンゲリオンでしょうが、邦画だと」岩井俊二監督のこれですね。素晴らしい映画でいた。。。。でももう一度みたいかというと、重すぎて、、、、。
黒沢監督の『Cure』もよかったですねー。
こういうの積み重ねて、いやーもうこのへんの感覚って、キャラクターが出てくると、ああ、あの系統かーとわかるようになってしまいました。これってもう不透明とは言えないですよね。こうやって、人は自明性を獲得していくものなんだなーと思います。