町山智浩さんのYoutubeをコツコツみています。現場に足を運んで、雰囲気をよくよく伝えてくれてる。

本日は、2024年3月16日。町山智浩さんのYoutubeをコツコツみていますが、いやーいろいろバイアス強い人ですが、やはりアメリカを見るという意味では情報量の解像度がすごい細かい。僕の友人は映画が好きでかなり細かく見る人が多いので、町山さんは評判が異様に悪い(苦笑)。まぁ、確かに時々偏っているしおかしくなることも多いんですが、それを差し引いても、アメリカウオッチャーとして、この解像度の細かさは、やはり嬉しい。ニューハンプシャーの取材とか、これだけ現地の「空気」をしっかり伝えてくれるのは、なかなかない。見れば分かります。

www.youtube.com
町山智浩が見た!米国大統領予備選【前編】トンでもトランプサポーターを直撃!【町山智浩アメリカの今を知るTV With CNN】#266-1

スィングステートのニューハンプシャーの予備選の雰囲気をよくよく伝えてくれる。人数が少なく、各候補者との距離が近い雰囲気がよくわかる。ちなみに、この映像では、移動の途中の車の風景が映し出されるのですが、これが凄いいい。季節や距離、雰囲気が、主要メディアより、よくよく伝わる。民主党のディーン・フィリップス候補(下院議員)を見にきているけれども、言い方は悪いけれども、主要メディアでは、こんな泡沫候補は、普通全く報道しない。しかし予備選の絞り込みで、こういう部分を見ていないと、背景が全然わからなくなる。ニューハンプシャーで、駆けずり回ったオバマ候補が、ここで注目されたんだという自慢なども、とても興味深い。トランプが前回の選挙で結果を盗まれた!というのが普通に問題なく喋れる雰囲気が、よくよく伝わってきます。


www.youtube.com

アメリカ大統領選・徹底解説① バイデンVSトランプ!?“老人対決”に有権者はウンザリ?【町山智浩アメリカの今を知るTV With CNN】#265-1

合衆国憲法修正第14条第3項でトランプさんは訴えられているけれども、このためどんどん共和党がトランプ支持で固まっていくのは、なかなか皮肉。

『SHOGUN 将軍』を見ました!

www.youtube.com

評価:まだ終わっていないので未評価
(僕的主観:★★★★☆4つ半)

ジェームズ・クラヴェルの1975年の小説『将軍』(Shōgun)を原作に1980年にNBCで製作された大ヒットドラマのリメイク作品。2024/2/24に公開された2話を見ました。ずっと見たいと思っていたのですが、このレベルでのリメイク。うれしい。Twitterで絶賛の評価だったので、おもわず優先順位を繰り上げてみてしまった。なるべく全て完結してから一気に見たかったけど、我慢できませんでした。

🔳ヨーロッパ人から見た異世界としての日本を見るセンスオブワンダー

見どころは、やはり、徳川家康に仕えた実在のイングランド人、三浦按針にインスパイアされたJohn Blackthorne(ジョン・ブラックソーン)から見た、「日本という異世界」ですね。真田広之がプロデューサーを務めて繊細に日本を描いているが、それでもやはり、これはアメリカのドラマ。そして、原作、主人公の視点ともに大航海時代南欧グローバリゼーションのヨーロッパ人の主観視点から構成された「物語」であって、そこにセンスオブワンダーがある。


エドワード・ズウィック監督の『ラストサムライ』(2003)のような感じですね。あれは、撮影がニュージーランドだったはず。将軍の撮影場所は、公式には公表されていませんが、カナダの南西岸ブリティシュコロンビア州ポートムーディみたいですね。でも、たぶん、日本で撮影しても、画面の処理や画面の構図は、ヨーロッパ人から見た異世界という演出になっただろうし、その辺の異国情緒はたっぷり感じられる。無礼を働いた村人が、いきなり侍に首を刀で吹っ飛ばされるシーンとか、いやそりゃないだろ(笑)、と思う面も、イングランド人という視点からの、全くいの異世界に放り込まれている感覚を増幅してくれるから、とてもありだと思う。そこが、、それがこそがいいのだ。

🔳まるでゲームオブスローンの権力争いを見ているような壮大さ

もう一つは、2話で、大阪城の遠景からのロングショット、5大老の権力争いが、どうみても『ゲームオブスローン』(笑)、という感じで、いやはやこれは美味いドラマだって唸りましたよ。このブログを読まれる方で、『ゲームオブスローン』のドラマを知らないという人は、少ないかと思いますが、ジョージ・R・R・マーティンの小説『氷と炎の歌』を原作としたHBOのテレビドラマシリーズで、全米で最も人気があった伝説のドラマです。特に当時(2011−19)米国で、若い世代からの人気が圧倒的で、これを見ていない人はいないだろうって言われるくらいの盛り上がりでした。

www.youtube.com


この権力と血、バイオレンスとSEXに国盗り物語!みたいな雰囲気は、めちゃなんというか「入りやすい」。日本の文化や伝統がよくわからなくても、「どこか遠い異世界の権力闘争にも空き込まれた航海士」という視点は、めちゃくちゃ燃えると思います。Netflixシリーズ『忍びの家』(House of Ninjas)で、Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で初めて1位を獲得したりしているし、なんとなく日本のコンテンツきているなって気がします。

🔳南欧グローバリゼーション時代のカソリックVSプロテスタントの海外覇権争いを軸に据えることで欧米人にわかりやすくしている

見ているときに感じたのは、なるほど、カソリックVSプロテスタントの海外派遣争いを軸に、国内の権力関係への影響を描く物語にしているのだなと感心。これ、アメリカやヨーロッパの歴史を知っている人なら、なるほどと唸る構図なので、いやはやいいところつている脚本。原作も、その視点からフィクションを構築しているのだろうなと思いました。見ているときに、『クアトロ・ラガッティ』を連想していました。

クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国 (上)(下)巻セット (集英社文庫)


🔳日本人が米国のこのレベルの大作で主演とプロデューサーというのは凄い



真田広之さんのインタビュー。このレベルの扱い、英語力、いやはや素晴らしい。



www.youtube.com

『騎士王の食卓』の2巻が発売ですね。

ゆづか正成さんの『騎士王の食卓』の2巻が発売ですね。紅花(カルタモ)修道院出身のレノくんの物語。実際は、たぶん美味しくないのだろうけど(笑)、中世の食事の解像度が上がってとても美味しそうに見えて楽しい。

この方のマンガは、『騎士譚は城壁の中に花ひらく』からとても好き。この人、中世の騎士や城などとても細かい描写が解像度が高くて、見ていて凄い楽しい。キャラクターも素敵だし、ブレイクしてほしいなぁ。絵の書き込みが素晴らしいので、大判で眺めながら読みたい作品。ある意味、こういう書き込み系の人は情報量型のマニアックになりすぎて、エンターテイメントになりきらないのですが、この人は、凄くバランスが良い。ぜひとも、3巻を超えて話が続いてほしい。

解像度が高い分だけ、「日常系」になるので、4コマ漫画と同じ「日常の小さい出来事の解像度を上げていく」話になると、物語って繰返しになるので、長く続きにくいんですよね。その中で、食事ににフォーカスするのは、日常系の常套手段なので、この辺りが深掘りされたら楽しいかも。レノくん、むしろ、男の子の設定にしている方が、『騎士譚は城壁の中に花ひらく』の女の子主人公よりも、色気があるというか可愛いのが面白い(笑)。

でも、やっぱりこの作者、ぜったいに「物語」をつむぎたい人だと思うんだよね。ロサ=スカーラエの物語にしても、やはり騎士を目指していく、騎士になる成長物語を描こうとしている。世界観や設定上の共通点も多いので、きっとシェアードワールドなのだろうから、レノくんの物語が人気が出て長く続けば、ロサの物語も重なってきそうな気がするので、期待しちゃうなぁ。


キャラクターも、世界観も、舞台の解像度もどれも素晴らしいし、「騎士になる物語が描きたい」という情熱も感じるし、あともう一歩、何かが欲しいんだよなぁ。いや、僕は、もうこれ十分なほど好きなんだけど。もっと、長く広く物語を描くには、もう一歩大衆ウケというか、人気がいる気がする。でもなー、書き込みも多くて情報量多いけど、わかりにくいわけでもないし、キャラクターもよいし、、、、うーん、あと何を入れればいいのかなぁ。ロサ=スカーラエの物語にしても、女の子が騎士を目指すという設定は、めちゃ狙っているというか、良い設定だったと思うんだよね。


僕の好み的なものを言えば、政治とか、このクエルクス(樫の城)が、全体の王国?のどこに位置して、何をしているのかの戦記モノ的なマクロの情報が、欲しいなぁという気がするけど。その辺の政治的位置づけがわからないと、レノくんが、最終的にどこを目指しているのかがわかりにくい気がする。ロサの物語も、同じような感じがしたもの。物語を長く続けるには、「なんの目的で動いているのかがクリアーだといい」んだけど、、、でも、この作者そういう設定は絶対作っていると思うんだよね。そこで手を抜く人とは思えないので。だから、テンポが遅いっのかなぁ。うーん、、、ちなみに、ペトロニウス的な評価では、既に星5なので、なんか改善点とか思いつかないんだよなぁ。この人の描く世界は、あたたかくて、美しいんだもの。

騎士王の食卓(1) (シリウスKC)

それにしても、クラウストラのスクワイア ロサ=スカーラエの物語は、続きが見たかった。。。

騎士譚は城壁の中に花ひらく 1 (ガルドコミックス)