『鹿鼎記〈1〉少年康煕帝』 この面白さ、半端じゃないです

鹿鼎記〈1〉少年康煕帝 (徳間文庫)

出張から帰り、そのまま羽田空港から出社して仕事をしていたんだが・・・この出張と帰りの時間の中で、1巻を読み終わる。

途中で感じたんですが、やべぇ、超おもしれぇ!、と興奮しました。

うん、うん、、、海燕さんの言っていた意味がほぼすべてわかりました。


金庸の世界へようこそ。

http://d.hatena.ne.jp/kaien/20071225/p1
Something Orange


僕の隣の席で仕事をしている人は、50歳くらいなんだけど、とっても多趣味で、死ぬほど本とか音楽とか、食べ物とかを極めている多彩な人なんだけれども、この人は、非常に短気な人で、面白くない本に出会うと、「ゴミだった」と、二度と手に取らないし話題にも上げない人なんですが、、、その人が、もう一人の本大好き人間に金庸を薦められて、1冊読んだ感想が「よくわからないんだ、、、このキャラクターの性格の整合性がメチャメチャ」ということだった。彼曰く、小説慣れしていないのか、それとも日本人の物語の感覚と合わないのか、訳が悪いのか、何とも言い難いが、とにかくいっていることがすぐひっくり変ってしまう豪快というか極端なご都合主義的な物語が、ちょっとなーとかなり否定的なことを言っていました。


けど!、このつまらない本は破り捨てるようなタイプのうるさ型の批評家さんは、数日後、同じことをぶつぶついいなが、すでに読んでいる巻数は10冊は越えたらしい(笑)。読んで、同じ感想を持ちました。たしかにね、ご都合主義的すぎるし、訳文調の部分もあるし、なによりも主人公の性格の極端さは、日本の小説に慣れた人には、少しキャパシティーが多い樹医というかスケールがでかいというか、統一感がないというか・・・とか、いろいろ細かいところは、最初感じないでもない。

ただね・・・・もうそういうことがどうでもよくなっちゃうくらいに物語が面白いんだよ!!!(笑)。これは凄い。凄い本だ。

とにかくね、エンターテイメントに徹っしている!としか思えないこのおもいっきりのいいご都合主義な感じがたまらない。そして、たぶん壮大な中国の歴史が、テンプレート的にすごく挿入されているところが、またもうたまらない感じがする。うーん、ライトノベルという言い方がいいのわからないけれども、確かにその中のキングオブキングな感じです。

ちなみに、浅田次郎さんの『蒼穹の昴』と『中原の虹』などのシリーズと同時に読むと、間違いなく感動倍増。

中原の虹 第一巻