『とある科学の超電磁砲』 4巻 作画 冬川基 原作 鎌池和馬 全編御坂のバトルシーンには、燃えました

とある科学の超電磁砲 5 特装版―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)

評価:★★★★4つ
(僕的主観:★★★★★5つ)

本編の方は、どういう内容だったか、多少ゆらいでいるのだけれども、それでも、アイテムの登場は面白い。さっぱりスピンアウトやコミカライズって、どれだけ、本編で「描かれなかったものを埋める=違う角度で描く」か、オリジナルをやれるかってのが、一番、みている側の面白さに直結する部分だと思う。だから、レベル5の麦野擁する”アイテム”とのガチバトルはめちゃおもしろかったー(これって、、、原作になかったよね?あったけか?)。特にね、御坂って、基本的には、勝ち組の代名詞のような「なんでもできちゃう子」として作中でも、特にアニメでも描かれており(佐天さんとの比較が構造に見えるので)、その御坂が「かなうはずもない上位の壁」に打ちのめされるというシーンの連続、追い詰められて狂気に走っていく様は、うーん、S的な心をめちゃめちゃ刺激して、えがったー。特に、ここでの彼女の絶望と苦しみがでかいほど、レベルゼロでもそれを挑戦する禁書の主人公に出会った時に反動が大きくなる(=好きになっちゃう)のがわかっているだけに、気持ちよくS的な気持ちで見れます(笑)。

ちなみに、最後のシーンは、時系列的には、近木野さんの禁書のコミカライズの4巻につながるシーンですね。これ、どうするんですかね?。そのまま同じのを書いちゃうのも、芸がないし。かといって、冬川基さんの作画や構成力って、ものすっげぇーうまいし、レールガンの方がスピンアウトだけに、禁書の本編で抱えれなかった角度のものが多く書かれるので、こっちの方がかなり面白いですよねーはっきりいって。本編のコミカライズは、面白いし良くできていると思うけれども「コミカライズ」を超えられない宿命があるものねー。オリジナルの視点が入りづらいから。ほんとうは、どっちも鎌池さんが原作としてデカデカとでいるんだから、いろいろエピソード盛り込んだらいいのにーとか思う部分もあるけれども、、、、本編は初心者には多少わからなくても「進んでなんぼ」という部分もあるしなー。。。原作の小説は20巻近く軽くあるわけだし、いまの時点で。なかなか悩ましいねー。

とある魔術の禁書目録(インデックス) 4 (ガンガンコミックス)

とはいえ、アージュのマブラブオルタのSSを読みまくっていて気づいたんだけれども、どうもシェアワールド、、、コミカライズやSSなどの世界観を包括して、スピンアウトをしてもオリジナル的に楽しめるというのには条件が存在していることが分かってきた気がする。そうでないとメディアミックスが、流通のカバー量をあげるだけの、ただ単にグッズにプリントしましただけ的な、何も考えない反射になって、それはそれで意味はあるけれども、受けてからはちょっと落胆まじりの反応をされてしまい、コアのファン以外はあまり巻き込めない。そうすると本編より確実に倍々ゲームで売り上げは落ちてい置くピラミッド構造にしかならないんじゃないかな?。自分のミクロの購買動機を見ているとそんな気がする。・・・・言葉のレベル付けとか無視で思いついたの上げるんだけど・・・

条件1:多様な主人公を設定できる群像劇スタイル

条件2:スピンアウトをしても揺らがないほど強固な歴史・マクロの設定

もっとSO WHAT?しなきゃいけないんだけど、それは後日として、ようは、条件1は、やっぱり麦野や御坂、浜面とかとか主人公を張ってもおかしくないような、それぞれの正義や動機を抱えた人間同士が、争っているような複雑な世界観を持たないと、スピンアウトしても読者が感情移入しにくい。やっぱり本編の熱量と絡まないモノは、ダメなんだと思う。

それと、条件2なんだが、こういた歴史の構造の基礎設定がないと、スピンアウトとした作品が、全然別のものになって本編の熱量を受け継がないんだよね。しょせん、本編にとってどうでもいい瑣末なことのサイドストーリーになってしまう。けど、たとえばアージュの「BEATを倒す」という目的と地理的な世界中の広がり設定があると、タケルが主人公でなくとも、世界中のそれぞれの戦線のとかプロジェクトとか戦闘が、そのまま同じに近い熱量を持った話になってしまうんだよね。これって、基礎設定や目的が凄くしっかりしているので、その他の場所や人物の違いはいくらでも味付けができて、「その世界と目的」という設定自体が物語にまでなっているから起きる現象なんだ。この世界観を理解して自分のものにするまでは大変だが、いったんできれば、SSやサイドストーリーはいくらでもかけると僕は思う。そういう意味でこういうプラットフォームを作ったのが、オルタの凄さなんだぁ…。それと似た意味で、この学園都市の謎という大まかなストーリ・・・・またその謎を追うために様々なチームが、それぞれの動機とやり方によってその謎に迫っているという群像劇のスタイル・・・・これが、これらのシェアワールドの世界・・・・「一つの大きな世界・・・本編さえもその大きな一エピソードに過ぎない」という感覚をもたらすんだと思う。

まぁとにかくこの全編御坂のバトルシーンには、燃えました。


マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ01
マブラヴオルタネイティヴ クロニクルズ01