本好きの下克上、アニメの放送が始まりましたね!


TVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』本PV


放送が始まりましたね。いま4話まで見終わって、毎週じりじり、楽しみ放送を待っています。ペトロニウスは、アメリカに住んでいるので、アマプラで見ています。いやはやいい時代になったものだ。毎週好きすぎて、何回も見直して、また本まで読みはじめちゃたので、アニメ凄い楽しいです。


本郷みつる監督は、ハウス食品の「世界名作劇場」テイストで演出を一貫させると決断されているですね

とはいえ、実は、1話を見た時に、めちゃがっかりしちゃって、「もう見ないかもなぁ」と思うほどでした。というのは、大きく分けて二つ自分の期待と違ったからです。一つは、『本好きの下克上』は、思い入れのある作品で、エピソード自体は、誰もめちゃくちゃ好きなので、映像化されるのならば、いまのリアリティを精度高く上げる感じで、背景の街並みや世界観の描写が、めちゃ凄いレベルになるのを期待していたんですね。まぁ、いまの時代のアニメならば、それが普通だろうし、という思い込みあった。それが、、、、あれ、なんか、かなり背景が普通だぞ、、、と。同じように止め絵での演出ばかりで、人の動きがとても弱い。もう一つは、見てて分かったのですが、マインのキャラクターの理解が、自分とだいぶずれていたんですね。最終話まで見ているというのもあってもっと「上品な感じ」に思い込んでいたんですよね。なんというか、デフォルメの表現や、キャラクターのデザインそれ自体が、だいぶ、大阪のおばちゃん(笑)というか、もっと元気ある感じに作られていますよね。


総じていうと、往年のハウス食品の「世界名作劇場」のころの感触を感じたんですよね。それって、数十年前のアニメの感じです。なので、がっかりしてしまった。あれにはあれの良さがあるんですが、やっぱり最近の描写のリアリズムが追及されている作品と比較すると、がっかりするじゃないですか。


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けど、数話見続けているうちに、なんというか「フレームがあってきた」感じがしたんですよね。自分の中で。えっとですね、この作品は、本郷みつるさんという監督だそうですが、大人の事情があるのかどうかはよくわかりませんが(僕は情報を集めようと一切しないので)、少なくとも、ハウス食品の「世界名作劇場」のテイストで統一する、とはっきり決断していますね。「できなかったから」というのではなく(事実はそうかもしれないですが)、このテイストで、かっちりとまとめてきている。演出として、一貫性があって安定していると、これはこれでありだなという風に、なってきました。これは、監督の力量だなぁと思います。アニメーションって、背景のリアルさとかそういうのではないんだなぁ、というのが、こういう技を見せられると、しみじみ感じます。演出力なんだなぁって。少なくとも、同時に、FGOバビロニア戦線も好きで見ていますが、お金のかけ方、動き、もう同じアニメとは思えない(笑)ぐらい差がありますが、でも、面白さは、下手したら、僕は、本郷さんの方が、好きかもです。というか、好きです、ぶっちゃけ。今シーズン見ているのは、この二つかなー。

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■『本好きの下克上』の面白さのコアって、本を作ろうと試行錯誤する最初の部分なのか、貴族院の学園変なのか、、、、

おしむらくは?というか、悩みどころなのは、話数の進み方と、14話の尺で考えると、これがどこまで行くのかわかりません。丁寧に描かれているので、いいところ、本でいうと第二部の神殿に入ったところで終わりかなぁ、と思う。いっても3部の領主の養女になった貴族編まででしょう。アニメが、めちゃ気持ちを喚起してくれているので、また漫画をすべて読みなおして、小説もコツコツ読み直しているんですが(←内心、仕事しろよって、ほんと自分でもおもう、、、、)、僕は、『本好きの下克上』の何が最も好きなのかなぁ。。。何が一番の魅力なのかなぁ、、、ってふと考え込んだんですよね。というのは、この物語の「完成度」については、下記で言っているんですよね。でも、「そこ」だけが魅力というわけではなくて、異世界転生チートもののの構造的問題点を克服してるってだけで、「僕自身が好きな理由」に到達してないなーと。なにが、こんなに長い物語を何度も何度も読み返すほど、好きなんだろう、、、と。

petronius.hatenablog.com

いつもガツンと読み返すのは、「ローゼマインが貴族院に入学した学園編」と「アーレンスバッハとの戦争編(あれもう戦争だよね)」なので、4部と5部になるんだろうけど、特に4部の、学園編が、めちゃビルドゥングスロマンになっていて、しかも異世界の魔法という「世界の謎」を学校で学んでいくプロセスは、やっぱりハリーポッターの学校に行く話と重なると思うんで、ここが王道というかコアなのかなぁと。おお!と、『七つの魔剣が支配する』で、思ったのも、やっぱり魔法学校って、日常なのに世界の謎、自分が住む世界とは異なるマクロの仕組みに支配された世界の謎を知るというファンタジーというか物語で、これってすごい魅力なんだよな、類型として、と思う。

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でもなぁ、、、、いやね、これって云いかえれば、僕は1部や2部の「異世界転生して何もないところから本への偏愛を語って、それを何とか作ろうと試行錯誤していく部分」よりも、後半の方が面白いってことを言っているんですが、、、、いやほんとうにそうか?って、アニメの本郷監督の丁寧な演出を見て、めちゃ読みたくなって、1-2部を読み返しているので、どうも、両方面白いみたい(笑)なんで、「本好きの下克上」の面白さのコアには到達していない言説だなぁ、と、うーん、うーん、と唸ってしまって、、、、


自分の中で答えが出ていないのですが、でも、少なくともアニメは14話くらいだそうなので?ほんとうかな???だとすると、2部くらいまでですよねぇ。どこまで、この「面白さ」って一般受けして、新規の層にリーチするのかな、、、と。何が指標になって、2期が決まるのかとかは、僕は全然わからないんですが、、、


というのは、きっと、本郷みつる監督や制作陣にとって、この長い物語の「どこを切り取るか?」、「最初から丁寧にやるか?」って、当然最初に考えることだと思うんですよ。アニメ化しようと思ったら。最初から丁寧にやったら、1-2部しか到達しないのは、自明。だとすると、いまの時代(2019年後半)に「異世界転生して何もないところから本への偏愛を語って、それを何とか作ろうと試行錯誤していく部分」を提示するならば、どんな演出方法が、、、つまり、「その部分のシナリオの面白さのコアはどこにあるのか?」ということを普通考えるじゃないですか。その結果として、背景の精密描写ではなく、動きでもなく、「世界名作劇場」的な演出を選んで、かつ、マインの性格を、だいぶ子供っぽくというか、、、、なんといえばいいのだろう、コミカルに演出しているじゃないですか。あの、デフォルメしたマインが、内心の内語で感想を言う演出って、素晴らしいな!と思うんですが、、、、何が素晴らしいんだろう、、、って。うまい言葉が見つからない。


というのが現時点での僕の感想。


僕は、 井口裕香さんの前の声優さんは聞いていないので、違いは分からないんですが、、、、いやはや、、、声優さんって、めちゃくちゃな凄い技術ですねぇ。マイン、かわいくて仕方がないよ。これ、声の演出っと、なんというか、キャラクターのデザインと性格があっているんだろうと思うんですよねぇ。。。。うーん技術的なことがわからないので、どう表現すればいいのかわからない。


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これ、小説の挿絵と漫画版の挿絵二つですよね。この3つの差を見ると、書き手の性格の捉え方が全然違うと思うんですよ。ちなみに、それぞれが素晴らしいので、『本好きの下克上』って恵まれた素晴らしい作品だなと思います。明らかに「キレイ」に「おしとやか」に、もしくは「理知的」に描かれていると思うんですよ。見れば、全然違う捉え方なのがわかりますよね?


けど、アニメって、デフォルメのシーンなんかもっと露骨だけど、表情が、凄いゆがむじゃないですか!、この表情の表現のし方って、めちゃめちゃ違うと思いません!。これ、アニメーションの作陣が、考え抜いているからできるテイストだろうと思うんですよね。少なくとも、凄い「マインの性格はこう!」「振る舞いはこう!」という明確な一貫性を感じる。


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マイン1


これって意図して表情を豊かにして、かつ、理知的とかおしとやか、というよりは、なんというのだろう、、、、決して子供っぽいとは思わないんですよ、、、なんといえばいいのかなぁ、、、、ちなみに、「動き」が凄い少ないアニメなんですが(笑)、それをマインの声のトーンと表情の変化で、深みを与えるところは、やるなぁ、、、と本と思うんです。だから引き込まれる。この目のしわとか、マンガ的には、徹夜の時に現れるような、極度に疲労した目のしわみたいなのが、がっつり描かれていて、表情の変化が凄い動く気がするんですよね。精密というよりは、性格をそういう落差があるように設定している。


僕は、「貴族院の時」の「アーレンスバッハの時」の貴族として、領主候補生として、リーダーとして、指揮官として、経営者としてのローゼマインが好きだと、そこが魅力だと思っていただけに、もちろん1-2部というステージもあるのですが、だいぶとらえ方が違うのが最初、違和感になったんですよね。ようは「キレイ・スマート」みたいなコンセプトから「ドタバタ・泥臭くて」みたいな感じかなぁ、、、まだうまく言葉がない。。。なんというか、演出からして「マインの性格をこう捉える」と確固たるものが、制作陣あるんだろうと思うんですよ、、、、なので、あれ、、、この子、かわいくないか?って、、、(笑)。自分と解釈が違ったんですが、いやむしろ、こっちの方が魅力的かも、、、、と、少なくともそう思わせる何かがある。現代のアニメーションとしては、だいぶ、なんというかなぁ、安っぽいのに、たぶん、書いてて分かってきたけど、マインの捉え方が、凄くしっかりしてて、それに基づいて、「やれるところ」がものすごく深堀されて一貫性があるんで、いい、とおもえるのかもしれない。。。


まぁ、、、、どうでもいいこと(笑)、ダラダラ考えているんですが、、、、何がこの物語の「僕自身が好きなところ」なんだろう、、、と、つらつら考えています。既に連載が終わって、何度も読み返しているのに、またこんな新鮮な感覚を味わえて、アニメ化というか、他の媒体で見せてもらえると、やっぱり幸せだなぁ、としみじみです。今期は、毎週、まだかまだかとじりじり待っているアニメがあると、生きる意欲わきますよねぇ。


ちなみに、OPの最初のシーンは、ほんと絵とか何もないのに(笑)、見てるだけで泣ける。。。。これ、素晴らしい監督が演出しているんだなぁ、としみじみ。でき売れば、、、2期も、続きもみたいですよ、、、これ。



TVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』キャラクターPV:マイン