バイデン大統領の一般教書演説(STATE OF UNION):Full Speech Version スーパーチューズデーのトランプ圧勝に対して、バラバラの民主党をまとめることはバイデンにしかできないこと示せるか?


🔳バイデン大統領一般教書演説2024年3月7日


この演説で見るべきポイントは?


3月5日のスーパーチューズデーは、想定した通りトランプ元大統領の圧勝しましたので、これを見越して、この日程でぶつけてきたんだと思います。


何をここですることが戦略上大事か?と言えば、それは、81歳(本日時点)で、健康上の不安があるかどうか?だと思うんです。


3月5日のスーパーチューズデーではっきりしたのは、トランプさんが共和党指名では圧勝する既定路線が、かっちり確定したこと。


そして、構造的にわかっていたことだが、民主党がバラバラになっていく内部分裂を繋ぎ止める存在は、結局のところバイデンさんしかいないということがはっきりしたこと。バイデンさんの次に出るべきは、本来ならハリス副大統領になるけど、なかなかそれが難しい。能力も、人気も、そこまでではない上に、彼女が出てくると、CA州知事のギャビン・ニューサムが出てくる可能性があり、彼とは犬猿の仲だ。そして、そういう対立をしていると、新世代の民主党左派のバーニーサンダースとその新世代のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが出てきて、民主党は分裂傾向が進んでしまう。この構造は、前回の選挙から全然変わっていない。


しかし、何よりも、怖いのは、もう81歳ってこと。


77歳のトランプさんだって、十分高齢なんだけど、たしかにバイデンさんの動きは、凄まじく老人老人してて、大丈夫か?凄い思う。この「感覚」をどこまで払拭できるか?。


今回のSTATE OF UNIONは、大成功だったと僕は思う。メディアの反応も同じ。67分の長丁場を、気合い入れて、エネルギー溢れて、力強いスピーチを繰り広げた。


少なくともこの時点では、はっきりと、民主党の中道路線を維持して、左派も右派もバランスを取れるのは、バイデン氏かいないってはっきり印象づけたと思う。



www.youtube.com

ちなみに、これもちゃんとフルスピーチ全部聴きました。フルスピーチ聴いていると、おおっと唸る。


論点的には、ウクライナの支援を訴えることや「国民支持あれば 中絶の権利の保障 法制化を約束」などなど、文章にして読むと、いままであることの羅列だし、何も変わらない老害の政治家の既定路線送り返すに聞こえて、ちょっとうんざりすしてしまうと思うんですよね。同じことしても、何も変わらなかったというのが、有権者の実感だと思うのです(実際は、少しづつ漸進していると僕は思うけど)。文章で並べると、言い換えれば、要約して報道したのを聞いただけでは、ぜんぜんわからないと思う。


でも、これらの利害が絡む、さまざまな問題を包括してバランスよく対応できるのは、バイデンしかいない!(ハリスにも、ニューサムにも、サンダースにも、オカシオコルテスにもできない!)というのは、力強く伝わってきます。こればかりは、全ての論点の複雑さと利害調整の気の遠くなるような難しさをよくよく知っていることと、そして、それをズラーっと並べたときに、そのバランスを取れる民主党の指導者はバイデンしかいない!というのが力強く伝わります。これは、フルスピーチを聞かないと分からない感覚かもしれません。


そして、


「恨みや報復の物語を見ている人、私とは違う」「前大統領は言語道断で容認できない」「私たちは前例のない瞬間に直面している」


これらの問題意識が、対トランプに対しての、お前には負けない!というリベラルサイド、民主党支持者への結集を呼びかける言葉になっているのも、大事なことです。そして、それが感情に届いていると僕は思う。


今回のスーパーチューズデーで、バイデンVSトランプの一騎打ちになるのは確定路線です。今はトランプさんの選挙ターンなので、彼に報道が集中しますが、大勢は明らかな五分五分だと僕は思います。なぜならば、トランプ支持が高ければ高いほど、反トランプへのエネルギーも高まるからです。そして、そのエネルギーが、結集するに相応しいというのが、今回の一般教書演説で明確になったからです。


なかなかの力強いState of Unionでした。


www3.nhk.or.jp


www.youtube.com

トランプさんの反応。



www.youtube.com