『とある飛空士への追憶』 犬村小六著 

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
犬村 小六

小学館 2008-02-20
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僕的主観:★★★☆3つ半

「地上のことがくだらなく思える瞬間はあるかも。空のなかでは身分なんて関係ないから」

海燕さんがおもしろといっていたので、早速購入。


・・・・・ラストシーンが、見事な美しさで、かつそれまでのすべての話が「そこ」へ集約していくのは、とても完成度の高い物語だなぁと思いました。「ライトノベルの歴史の中でも屈指の名ラストシーンである」というのは、同感です。


物語は単純。

大瀑布で分断された二つの国家、神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上が戦争する最中、敵中12000kmを水上偵察機の後部座席に次期皇妃を乗せて、単独で巨大な中央海を横断するという任務を背負った混血の青年の物語。


海燕さんが、『ローマの休日』+『紅の豚』と書いていたが、まさにそのイメージ。


とても評判がいいのであらすじは、そのあたりを見ていただければいいと思うのですが、一言で評すると


シンプルな物語


だなーと思うのです。ドラマの演出が、本当にシンプル。もう最初の時点からオチはほぼ見えている「にもかかわらず」読者を引きずり込むのは、この話がシンプルな力強さを持っているからだと思う。骨太ともいえるのだろうが、この繊細さはちょっとニュアンスが違うような気がする。

とりわけ、ラストの締め方は、「ふさわしい」と確かに納得。

あの終わり方があると、とても胸に深くゆったりと残りますよね。