岡田麿里さんの作家性を軸に見る今期の二作品

花咲くいろは 2 [Blu-ray]

今期の日常系のアニメを追う!と、レスター伯とのラジオで、心に誓ったので、即実行を。とりあえず『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』と『花咲くいろは』は追いついた。これで、リアルタイムで見れるようになりました。気合い入れました。『アマガミSS』『かみちゅ』『日常』も押さえろという指示が出ておりますが、そこまでできるかは、、、、頑張ります(←がんばりますって、社会人では最低な言葉なんですよねぇ、、、、(苦笑))。


ちなみに、これは両方とも脚本が、岡田麿里さんなので基本的に彼女の作家性を軸に物語を見るというのが目的です。


ということは、ルイさんではないですが、とるてあを見ないといけませんね。↓これ、物凄い大傑作です。ちなみに、今後岡田さんを分析の主軸に据えるために、このとるてあは、ずっと参照として知っている前提で出ますので、見たことがない人はぜひ見てください。素晴らしい作品ですよ。

true tears vol.1 [DVD]


しかし、この『花咲くいろは』って、僕には、落差と幻想を無くした形での『千と千尋の神隠し』に見えるなー。都会の子が旅館に行って、シゴトをすることを通して、自分を取り戻・・・的な。『あの花』もそぷなんだけど、どちらも案外、ストレートなテイストの作品だよなーと思う。『treutears』は、非常に奥歯にものが挟まったような、語らない、積み上げ系の作品だったので、それに比べると、物凄いストレート。どっちも、ある意味陳腐、ともいえる設定や演出が行われている。でも、確かに面白い。これが、どこまで一般受けするかはわからないが、少なくとも、僕には以上に面白い。じっくり読みこんでいきたいと思う。ちなみに、日常における非日常を演出するにあたって、ノスタルジーの喚起を利用する場合には、1)地方と都会の落差を利用する、2)過去(だいたい十年前)と現在との落差を利用する、の二種類があるようなのだが、この場合は、1)なのですね。


ところが、なかなか興味深いのは、この地方を演出の糧にする技法は、もう手垢にまみれていて『海がきこえる』とかいろいろな作品で描かれているけれども、かなりこの作品が、新世代だなぁ、と思うのは、やはり『千と千尋の神隠し』みたいに、都会にいる子供は無気力でエネルギーがないけれども、それが田舎に行くと元気になる!という落差のステレオタイプなパースペクティヴが、この作品には全くない。むしろ、都会で育っていて田舎を知らない緒花が非常に強い動機を維持している女の子で、、、というところが、、、、渋いところが、非常に新しい感じがする・・・というか新しいというよりも、それが現代の事実だと僕は思うけどね。このへんの落差がない、もしくはそれがないと考えている人が、何をどう演出して、NHK朝ドラ的なこの世界を描き手行くのか、これから楽しみです。