ちょっと借りてみた。が、・・・・なにこれ、すげぇ傑作じゃん。。。1話でわかる。

フレッシュプリキュア!【1】 [DVD]

最近、すっごくドキドキプリキュアにはまっているんですが・・・朽木さんからも言われていたし、ずっと気になっている、フレッシュプリキュアですが、先日、妹の家に遊びに行ったとき、やっぱり妹もプリキュアにはまっていました。ほぼ同い年の子供がいるというのもあるんですが、まー僕が手塩にかけて洗脳した妹なので、エンタメ系はバッチリ趣味が合います。その彼女が、プリキュアを見るならば、フレッシュを見なければ!と力説していたので、そうかーーーと思いつつ、、、今日偶然レンタルビデオ屋が50円だったので、見れるかどうかかなり怪しいのですが借りてきました。といいつつ、まあせっかくなので、と、1は見ました。


・・・・なにこれ、すげぇ傑作じゃん。というか1話見ただけで、わかる。プリキュアの構造をずっと追っていると、1話を見ると、方向性がかなり分かります。確かに、これだけ構造的にそろっていると、凄い作品になりそうってのがわかる。


ラブっていまやっているマナにも通じるけど、「みんなを救おう=みんなの幸せ」という無理な欲求の塊なんだよね。プリキュアのような、単純にマクロのドラマトゥルギーが世界大に広がらない、日常をベースにする物語には、その主人公たちの内面の要求する「動機」の設定がとても重要になる。単純に「友達と仲良くしたい」とかいう、とっても普遍的ではあるけれども、そういう設定にしてしまうと、スマイルプリキュアが典型的なんだけれども、物語の解決が、オチのつけ方がとてもスケールの小さい方向に振れてしまう。かといって、マナやラブのような極端な要求は、物語の構造上扱うのが逆に大きな話に振れて物語が深刻になってしまいすぎるので、とても難しいだろうと思う。そういう意味で、スケールのUP、DOWNに関わる重要なポイントなんだろうと思う。ちなみに、スイート、スマイルやドキドキが、どちらかというと仲間との絆という、友達と仲良くするという方向、とても小さなスケールの日常の足場の話にスケールダウンしていってしまうのは、僕のようなマクロの大きな物語が見たい人には残念なのだが、それはそれで正しい時代の読みだろうと思う。実際、若年層が求めているのは間違いなくそのトレンドがある。たぶん中高生を対象としているライトノベルの分野が明らかに「友達との関係の再構築はどうすればいいのか?」や「豊かな楽しい学園生活を送るためには?」というテーマにとても話が集約されている様を見ると、トレンド的に2010−13年ぐらいのトレンドには大きくそういう要素があるのだろうと思う。



それと、、、やっぱり1話見ただけで、あきらかに敵役、悪者がいい。そもそもこのイース?でいいのかな?名前。この少女が存在するだけで、悪役の世界の関係性にすごい広がりが出る。それだけではなく、よーわからんが、青年の二人組みたいのもいて、悪役の人間関係が組織を感じるし、それなりの目的を凄く感じさせる。これ重要なんだよね。上記の「友達と仲良くすることとは?」にドラマトゥルギーが集約するための仕掛けなので、しかたがないのだが、スマイルでは、悪役が非常にレベルが低かった。悪をする敵側にも、信念と理念があって、という二元論的対立にしなければ、勧善懲悪的な非常のにシンプルな世界になってしまって、それはそれでドラマ上都合がよくはあるが傑作にはなれない。ハートキャッチの敵側には、ドラマと葛藤があり、それが「なぜ戦わなければならないのか?」ということに対して深みを与えていた。もうすでにフレッシュには、1話で、それが垣間見える。ドキドキでは、その点がいまいちなのは、やはりスマイルから流れるトレンドの大きな背景を押さえているからだろうとは思う。ちなみに、敵側に同じ年ぐらいの少女がいるというのが重要なポイント。というのは、「自分と同じ(=交換可能性のある)」相手が、なぜどうして、敵側にまわったのか?というのは重要な物語上のドラマトゥルギーを発生させるからだ。これが、スマイルのような鬼とかそういうのだと、異形になって、まぁ、違い生き物だからといううような流れになってしまうので、共感と問題意識が生まれにくいんだろうと思う。ということで物語において、敵側の救済という善悪二元論の超克的なマクロのドラマトゥルギーをセットしようとすると、相手側に、組織があって、かつ同じ年齢で入れ替わってもおかしくない少女がいるというのが設定上に深みを与えるようだ。しかしながら、これを作ると、物語の焦点が「敵と味方」というカテゴリーに分かれてしまうために、味方の中の人間関係の微細な部分を追うという昨今の「友達と仲良くするとは?」という物語の類型とは違う方向に行ってしまうので、描く焦点によっては、スマイルやドキドキのようにバッサリやってしまうこともあるようだ。この辺の潔さは、さすがシリーズものだけある、実験精神と終点に絞る意識があってイイと思う。商業的には、そういうのは絶対に必要だ。そうでないと、詰め込み過多で壊れてしまうからだ。


などなど、1話を見て思った。


ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.1