『幼女戦記』 カルロ・ゼン著 タイトルでは考えられないガチなハードボイルドな戦争ものです(笑)

幼女戦記(1)<幼女戦記> (角川コミックス・エース)

評価:★★★★星4つ
(僕的主観:★★★★4つ)

アニメ化なんですね!って、まだ見ていませんが。小説投稿サイト「Arcadia」で一気にはまった読んだのを覚えている。思わずまた読み直しています。


超合理的できつい性格のサラリーマンが、リストラした部下に逆恨みされて電車に突き落とされて死んだところから物語は始まるんですが、まぁ、情が全くないというか、わざわざ合理的なことでも口に出して突きつけると人追い詰めてそうなるわな、という酷薄な性格で、神さま(存在X)の前でも態度が全く変わらなくて、それを反省しろ!って、戦争の真っただ中にターニャ・デグレチャフという小さな女の子として転生するんですが、孤児なので孤児院に引き取られて才能があって軍人としてどんどん出世していく、、、という話。


これ最初に読んだ時に、うまいなって!思ったんですよね。というのは、通常「幼女」なんてタイトルつけて、サラリーマンのおっさんが女の子に転生して9歳で、しかも軍人!とかなると、萌えを狙うのか?的なことを考えるじゃないですか。でもこれ、超ハードボイルドな戦争ものなんですよね(笑)。まじなミリタリー系の作品で、驚きました。もちろん9歳の幼女とのギャップが面白さにあるんだけど、メインじゃない、、、というか、この戦争マシーン、合理性の塊の行き過ぎって、明らかにライトノベル的じゃないよねって、最初に読んでいてすごい思ったもの。いまでこそ漫画もあればアニメもあるので、この幼女という部分がヴィジュアル的にギャップを生み出すのはわかるんだけど、小説で読んでいた時は、そういうイメージがないから、読んでいて、どう考えても戦争マシーンの兵士にしか見えなかったんだよね。超、ハードボイルド。でも、凄い読ませるというのは、あっ、読んだ当時止めれなくなっていっきに最後まで読んだもの、凄い物語のすすめ方がうまいと思う。というか、Arcadia系の方が、完結に向けての構造というのが意識されているものが多いような気がします。なので、最初に読んでいても、あっ、これ完結するなという感じがするので、なろう系の小説を読んでいるような、途中で終わるなという感じはしなかったのもよかったです。


漫画を見て、やっぱり面白いな!と読みなおしていたんですが、これ小説上手いですね。漫画はとてもうまい出来だと思うのですが、ビジュアル的な目に浮かぶものがまったく差がなくサクサク進むので、文章とテンポがいいのだろうと思います。


幼女戦記 (1) Deus lo vult