評価:★★★★★5つ
(僕的主観:★★★★★5つ)
何度も言いますが、ネタバレなんで、ラジオ記事ともに、最初のシーズン1から見てください。そこは大丈夫ですが、以降は、すべてかなりのネタバレです。
■最高峰の悪役グスタボ・"ガス"・フリングとの息詰まる戦い
シーズン4は、僕の人生の中でも最高レベルの物語体験だった。前回の記事とラジオで、シーズン1‐3までの、この物語の持つ構造が示したつもりなんだけど、悪意がなく家族のために極悪人になっていく構造が示されるとき、シーズン5で示される結論は、2つのテーマを持つことになる、と思うんですよ。
一つは、1)「許されない罪を悪を、主人公は、どうして?するのか?続ける・たのか?」という問いと、
もう一つは、「ここまで積み重ねてしまった許されない罪に対してどんな応報(罰)を受けるのか?」ということ。
この辺は、シーズン5で語るべき、テーマなんですが、、、、シーズン4は、ようは1‐3で示されたドラマトゥルギーと、シーズン5での結論との、間に挟まる、、、、極端に言えば、中途半端でどうでもいい話なんですよ。
にもかかわらず、、、人生で最高レベルの物語体験といえるほど、スリリングで、刺激に満ちて、見るのを止められないほど面白かった。僕は、ホラー映画とかギャング映画とか、怖いのが基本的にダメな、チキンくんなので、そんなに魅力を感じてなかったのですが、これでギャング映画とか、この系統の映画に、めちゃくちゃ目覚めそうです。なんで、損ない面白かったのか?と自問すると、
その理由は、僕の物語大好き人生の中でも、最高といっても言い過ぎではない、ラスボス、グスタボ・"ガス"・フリングが、余りに凄いラスボスだったからです。
彼の、犯罪者としてのプロフェッショナルさが、凄い存在感でした。
■Giancarlo Esposito as Gustavo "Gus" Fring ~アメリカの過去の物語の中で最強の悪役とまで言われる
いろいろな批評を読むと、ガスのファンは根強いですよね。僕も、いまだうまく口にできないんだけれども、悪役として、なんというか最強な感じがしてて、なんでそう感じるんだろうと考えています。だって、物語構造はいろいろ説明できるんだけど、ブレイキングバッドは、シーズン5でうまくまとまっていて、「極悪人の怪物になっていくウォルターの罪と罰」という構造上から言えば、シーズン4は、その途中の話だし、、、いいかえれば横道?とまではいわないがエピソードだし、シーズン4で、はっきり言えば途中で倒されちゃう敵なので、ラスボスとさえ言えない感じなわけですよ。ガスは。でも、もうこいつ以上の悪役はいないんじゃないの、というほどのラスボス感で存在感ありまくりで輝きを放ちます。
44話、降りそそぐ危機 Crawl Space
45話、憎しみの行方 End Times
46話、フェイス・オフ Face Off
この辺りとか、もう凄すぎて、見るの全く止められませんでした。シーズン1‐2の頃、余りに主人公のウォルターホワイトの状況が苦しすぎて、見るのがつらいとか言っていたのが、全く忘れ去ってしまうくらいの、凄いエネルギーと魅力でした。ここまで見たら、この作品が、物凄いレベルの名作、傑作なんだというのがわかると思います。まぁ、そこまでいかなくてもわかるけど。
ちなみに、シーズン3の最後で、ゲイル・ベティカー (Gale Boetticher)を殺されるじゃないですか。シーズン3で、32話:憎しみの連鎖/Half Measures、33:向けられた銃口/Full Measureで、ウォルターが覚悟がガンギマリになっていく様を説明したんですが、この部分って、本当に悪人というか仕事人として、権力の世界で生きる嗅覚と覚悟に優れているんだよな、と僕は驚きました。ウォルターがね。というのは、ゲイルって、終始、ウォルターを尊敬しているじゃないですか。人間性もいいし、何よりもウォルターが愛する化学の才能がある。けれども、そういった「雰囲気や空気」には一切惑わされないで、ゲイルがいれば、いつでもガスがウォルターを殺せるというのが、ウォルターはすぐに理解しているんですよ。これ、すごいなぁ、と。普通、にほぼ日常で、ほだされちゃったりして、なかなか踏み出せなくなるはずですが、ウォルターは、身内とそうでないものの線引きの鋭さ明確さが、本当にすごい。これは、ガスの凄さにも通じるんですが、身内と認識していないものに対する、容赦ないまでの冷酷さは、犯罪者として生き抜こうと思ったら、必須なんでしょうね。けど、これがなかなかできない。
それにしても、ガスの冷静さってのも、さらにウォルターに比較して、凄い。ウォルターが気づく前に、ガスにしてみると、ゲイルを保険にして、ゲイルが高い品質のメスを作れるようになれば、ウォルターを殺して排除できるという仕組みを作っているんです。こういう準備というか、関係性、構造を作るところは、まさに「組織人としての有能さ」を本当に示しているなぁと思います。どんなに感情的なことを言おうが、「この構造」を作っておけば、「何かあれば」すぐに、ガスはウォルターを排除できるのです。ガスが最初、まじめな犯罪者(笑)であるウォルターをとても気に入っている様子からも、なんというか、そもそも信用するしないとか、好き嫌いとは別に、常にこういう「仕組みを組織する」というのが当たり前になっているのが、信じられないくらい有能だなって思わせます。これ、仕事を円滑に回すには、空気を読んで、「目の前の人間関係をよくして」、いろいろ妥協して合わせて、、、、というのをやっているうちに、仕事の構造、マクロの仕組みから、どういう風にリスク管理するかを考えることは、抜けてしまいやすいのですが、見事なまでに冷静にこの違いが管理されている。ガス凄い。
というガスの「いつでも決断(殺せる)」という構造を、ウォルターが、強く意識しているからこそ、ドラマに緊張感が生まれるのです。決して、ガスほど、最初から分かっているわけでもないし、ガスほど、すべての感情をちゃんと分離して、仕組みを作っているわけでもないのは、シーズン1-3のウォルターの戸惑いを見ていればわかります。「にもかかわらず」、それにちゃんと気づいて、ギリギリのところで、ゲイルを殺すのに成功するのが、シーズン3でした。ようは、ウォルターは、ガスに比べると、凄い小者に見えるんですね。
シーズン4は、ウォルターに先手を打たれて、ゲイルを殺されてしまったガスが、怒りを爆発させるところから始まります。33話:ガスの怒り/Box Cutterですね。このタイトルも、日本語訳は、分かるんですが、、、やっぱりBox Cutterの方が意味深で、しかもストレートでいいタイトルだと思うんですよね。彼がこのカッターを使ったところに、凄まじい怒りが示されているわけで、、、。
■なぜ、ガスは、ヴィクターを殺したのか。34話:ガスの怒り/Box Cutter
なのでシーズン4は、明らかにウォルターを排除しようという意思を見せたガスに対して、ウォルターがどう戦うか?という、知恵比べ、根競べ、出し抜きあいのスリラーになります。
けれどね、このシーズン4が秀逸なのは、構造的には、ウォルターVSガスというチェイサーゲームみたいになっているんですが、それでだけじゃなくて、アメリカの麻薬の流通に関する覇権争いが同時に進行しているんですよね。凄まじい品質のブルーメスを引っ提げてアメリカのニューメキシコを中心とする市場をガスは手中に収めつつありますが、それに対して、麻薬カルテルは、激しい敵意をむき出しにしてきます。
■麻薬戦争(メキシコとコロンビアの位置関係)とヒスパニックの文化背景を知っていると、さらにおもしろい
この辺りの麻薬戦争の話は、なんというかアメリカでは、もう物語のフォーマットになるような「常識」に類する類なんでする。僕も不勉強なんですが、元ネタの一つといわれている、アルパチーノの有名な『スカーフェイス』1983年の映画の頃から当たり前になっていて、この映画は、キューバ移民の問題が背景に起きているんですが、その後の麻薬戦争の経緯もわかってくると、いっそう物語の理解が深まります。
もちろんブレイキングバッドだけ見ても、めちゃ面白いですが、こういう構造が起きる背景について、アメリカ的な常識を知っていると、ヒスパニックのカルチャーなどを理解していると、深さが何倍も深まります。『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』を、町山智浩さんがすすめられているのをラジオで聞いて、見た時は、その凄さに震撼したんですが、僕も南カリフォルニアに住んでいるので、あ、この感覚分かる、、、と思って、震撼しました。これ、リアル(現実)じゃん、、、って。なので、最近、2015-2017ネットフリックスのオリジナルドラマ『ナルコス』(Narcos)や2018年のピクサーアニメ『リメンバー・ミー』(原題:Coco)などもみようと思っています。この辺りに文脈がわかるようになると、、、、たぶんもっとアメリカがわかるんじゃないかな、と最近見つけた鉱脈に、楽しみを感じています。
『ブレイキング・バッド』(Breaking Bad)のシーズン3をこつこつ見ているが、これメキシコの分かわかると、もっと「深さ」がわかるかも、と思ってきた。なので『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』を予習して見ていると、いいかも。『リメンバー・ミー(Coco)』もいいかも。
— ペトロニウス (@Gaius_Petronius) 2019年1月11日
Coco Official US Teaser Trailer
ちなみに、元ネタの一つとして、スカーフェイスも、素晴らしくよかった。これが、アフリカンアメリカンやギャングたちのバイブルといわれるのは、見ると本当によくわかる。
ヴィンス・ギリガンは「『ブレイキング・バッド』とは一体どんな話なのか?」を説明する際には必ず「チップス先生が スカーフェイスになる話(from Mr. Chips to Scarface)」と言っています。
これについては本当に何度も発言していて、前出のインタビューでも「たぶん今まで100万回くらい言ったと思う」と言っていましたw もう一方の「チップス先生」は、イギリスの小説「チップス先生さようなら」の主人公で、男子校の教師。
http://breakingbadfan.jp/trivia/everyone-dies-in-this-movie/
映画「スカーフェイス」はキューバからアメリカにやって来た難民の青年トニーが麻薬密売でのし上がり、一時栄華を極めるものの、次第に自身も麻薬や金、女に溺れてついには身を滅ぼす…という話で、1983年の公開以来現在までカルトな人気を誇る名作。監督はブライアン・デ・パルマ。クライマックスのセリフ「俺の坊やに挨拶しな!(Say hello to my little friend!)」は、アメリカではシュワちゃんの「I’ll be back」に並ぶ「誰でも知ってる決め台詞」のようです。
■ガスのラスボスとしての凄み
だいぶ話が、わき道にそれましたが、ガスの凄いところは、プロフェッショナルの犯罪者として、あらゆる面が完成されているマシーンのような人なんですが、格からいうと、ウォルターは、だいぶ格下に見えるんですよね。それが戦うところに、絶望的な戦いの恐怖が描かれていて緊張感があふれるんですが、、、、、そのガスでさえ、麻薬カルテルのドン・エラディオには容易に手が出せないんですね。この対立関係が、何十年にもわたって継続されていて、しかも、初めて会ったときに、ドン・エラディオに大事な人を殺されてるんですよね。その復讐を、物凄い年月をかけて、冷静な顔をしながら、求め続けているんですよね。そういう背景もわかってくるとガスが、どんだけすごいんだ、と感心する。ちなみに『スカーフェイス』の主人公トニー(アルパチーノ)の相棒役だったマニー・リベラ役をやっていたのが、このドン・エラディオですね。この辺も、トリビア的なものですが、分かると、、、、おおーーーと唸りますよ。そう来たかって。
43話:" Salud "復讐の杯。ちなみに、日本語タイトル、ネタバレになってるじゃねーか、と後で見て思いましたよ(笑)。これいっちゃあかんやつだろ、と。ガスが、ドン・エラディオに強い憎しみと復讐心を持っているとは、、、という物語の凄さをうばっちゃうので、これはなー。Saludという、一見分からないシンボリックなタイトルにした意味が失われちゃっている。
このガスの、凄まじいラスボス感というか、悪役としての重みってのは、ウォルターに、ゲイルをつけたり、「その犯罪の継続性」がちゃんと持続可能になるように、様々な仕掛けが「安定的に」つくられて、プロとしての凄みを本当に見せつけてくれるからだと思うんですよ。様々な部下や協力者たちから、深い尊敬と畏怖を勝ち取っていて、かつ、そういった「恐怖でコントロールする部分」の抜き差しも、十分に分かっていて、、、、つまり、恐怖で人をコントロールすると、ある人には聞いても、凄いアホとか、凄い自尊心がある人とか、ある種のタイプに逆効果だったり、「どのタイプのアプローチ」や「状況づくり」が、安定的な構造を作るのに寄与するかが、十分以上に計算しつくされているんですよ。
これは、「凄い」ことだと思うんですよ。
というのは、ウォルター・ホワイトも、スカーフェイスのトニーも、ピカレスクロマンの大犯罪者になって上り詰めていく物語の主人公の大問題点は、「自尊心の問題」なんです。
つまり、自分が「その犯罪」という極端な逸脱行為をすることでの自己実現を、「誰に認めてもらうか?」という話なんですね。
スカーフェイスのトニーもウォルターも、自分が「その巨大な犯罪という仕事を」切り盛り、こなし、解決し、マネージしているという「自負」を、時々タガが外れて、周りに示そうとして、どんどん壊れていったり、完全犯罪がばれちゃったりしちゃうんですよね。ウォルターが、大事なところでばれちゃうのは、麻酔をして酩酊したりすると、ぽろっと漏らしちゃう。これって、普段は強い克己心で自己コントロールできているものが、酒、麻薬、あと感情が爆発した時に、コントロールできなくなって、「自尊心の問題」、おれを認めてくれ!という気持ちが出てしまうからなんですね。ピカレスクロマン(悪漢小説)には、つまり、犯罪者や悪者が、のし上がっていく過程では、その違法性によって、「世間に向かって自分の才能や凄さを宣伝できない」という問題があって、それをアピールすると、捕まってしまう。もしくは、ライバルに殺されてしまう。だからと言って我慢していると、やっぱり、強い自負心が、自分の自我を摩耗させて、奇矯な行動に走らせて、やっぱり同じ結果になってしまう。いいかえれば、ドラマトゥルギーが進めば進むほど、どんどん警察に捕まる可能性が高まるか(だって、自分からアピールするから)、もしくは、自分自身をコントロールできなくておかしくなって自滅していってしまう、というところに、悪人(他者に認められない類の才能)のビルドゥングスロマン(成長物語)の面白さ、物語性があるんです。
が、、、、、ガスには、そういった「あやうさ」が全くないんです。
だから、あの巨大な麻薬ディーラーの仕事が、明らかに安定して続いていく、持続可能性を持っているのが、周りから誰が見てもわかるんです。実際、周りの部下たちの心服と信頼を見れば、それがよくわかります。特に、トラブルが起きている時ほど、ガスに味方したり、ガスに駆けようとする人がたくさん出ているポイントも見逃せません。Mike Ehrmantraut(マイク・エルマントラウト)が、最後の方で、ウォルターに、ガスだったらもっと安定してビジネスが継続できたのにと叫んでいた時は、いやはや、ほんとだよなーと沁みました。ガスが、ウォルターにこだわったのも、必ずしも必要のない「品質の高さ!」にこだわっているからで、その求道精神は、より完璧を目指す大企業の経営者のように見えます。これが、他の平凡悪役との凄まじい違いとなって、格の違いを見せつけるんです。かといって、そういう場合は、動機や根拠がない、マシーンみたいに描かれてしまって、動機が描かれないから、怖くはあっても、人間に見えないので、感情移入しにくいし、そもそもそんな人本当にいるの?と思ってしまいやすい。けれども、ガスには、ちゃんと背景がある。復讐、という大きな目的もある。彼が、人間関係をミクロでも結べる人であることも、様々なエピソードで出てきています。実際、犯罪者として、真剣に金以上の何かを求める真摯なウォルターの姿勢に、とても好ましく思って、家にご飯い呼んだり、めちゃ人間らしいところも、よく見えるんです。けど、物凄く深く大きな復讐心を、何十年も隠していたり、それが整うまで、何十年も待つ根気もあるし、なによりも、追い詰めらたとき、43話のエピソードのような、自分の命をガツン懸けるかけまでできるんです。こんな勝負時に、自分が最も危ない、死ぬ確率が高い賭けをするなんて、すげぇ、男だよ。
この凄まじいラスボスを、どうやってウォルターが倒すのか!というのは、凄まじいスリラーとサスペンスです。
面白かった!
ちなみに、もともとガスの大事な人だったのは、パートナーだった男性なんですが、ガスがゲイかどうかは、いっさいあきらかになっていません。物語的にはあいまいな方がいいし、という本人やギリガンのインタヴューがありますが、それは正しいと思いながらも、僕は、ガスがゲイで、パートナーの男性が恋人だった説に一票。なぜならば、なんというか、好きな人がいる、その復讐を考えるというだけで、ラスボスとしては、「理由があるという背景を持つために」弱く負けフラグ的に見えます。それに、これは勝手なイメージで、もしかしたら、ポジティヴに言っているけど差別的な発言になってしまうかもしれないのですが、、、、僕には、ゲイって、物凄くリベラルで人間としていい人、という勝手な思い込みのイメージがあります。これ、パブリックイメージでもそうなんじゃないかなぁ、と思うんですが、、、、Netflix『クィア・アイ』のファブ5(fab 5)とか、めちゃ素晴らしいじゃないですか。。。これ、めちゃいいですよ。
Queer Eye | Official Trailer [HD] | Netflix
えっとね、「だからこそ」、アメリカの犯罪映画史上の最高の悪役とまで言われる、この冷酷なラスボス、ガス・フリングの、奥深い人間性を感じて、そっちの方がかっこいい、、、と、僕は思っています。「ほんものの中のほんもの」って、そういうものじゃないかなぁ、と思うんですよね。全く、外側からの簡単な評価やメジャーを一切受け付けない。矛盾しまくってて、一般的な常識を受けつけない。
ガス・フリング。カッコよすぎでした。
■怪物となっていくウォルターホワイト
この最後の勝負、ガスとウォルターのカギを握るのは、Jesse Pinkman(ジェシー・ピンクマン)の心です。ジェシーの心を、、、彼は基本的にとても善人で、情にほだされて状況に流されやすい人なので、その場その場で揺れ動いちゃうので、本当に動かすのが難しい。ものすごく人間的に弱いんですね。だからこそ、彼は、本当にいやつに見えるのですが・・・・。
シーズン4で、明らかに、ガスが上司としてジェシーの心をつかんでしまって(笑)いるのが見ているとよくわかる。なんというか、ガスは、ウォルターのように情で訴えることは全くしないんですよね。そのあたりが、本当に組織人として見事。ジェシーがどう心が動くのかか?というのを、彼の性格や行動パターンから、さりげなく「そういう構造」を作っていくのが、信じられないほど巧み。
もう無理、、、、と思える最後の最後で、ネタバレですが、スズランの実の毒のシーンを見た時に、、、視聴者は愕然とするんです。
余りの格の違いに、ウォルターホワイトの戸惑いやガスへの負けっぷりに、ああ、この人は素人なんだなぁ、、ウォルターは、悪人としては、だめなんだなぁ、、、、とか、、、と思っているまだ、シーズン1‐3の覚悟が決まっていないころのやさしいウォルターを想定してて、、、、。
そして、あのラストのワンシーンで、それがひっくり返る。
・・・・・・・そして震撼します。ああ、この人は、希代の大悪人で、怪物なんだ、、、と。
いやはや、シーズン4最高でした。
■ほんとにいるウォルターホワイト(苦笑)
ちなみに、純度100%をつくる有名な犯罪者がいたそうです(笑)。名前が、同じ。しかも、ブレイキングバッドの放送の後。いやー凄い、シンクロニシティ。