『シン・仮面ライダー』2023 庵野秀明監督・脚本 本郷猛の「戦う理由・動機」の語られる部分が素晴らしかった!

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評価:★★★★☆4つ半(4.5)
(僕的主観:★★★★☆4つ半)

『シン・仮面ライダー』。3月18日の公開初日に観に行ってきました。とにかく、アクションが素晴らしかった。昭和のテレビシリーズの特撮のリアリティラインをベースにしていながら、「それ」を今風に最大限かっこよくしたらという演出の流石の冴えを感じる。なんというか、ハリウッドなどの文脈と明らかに違う日本のテレビシリーズの累積の果てに作られている絵作りには、流石の庵野秀明さんと唸る。リブートの意味をすごく感じる。ちなみに、僕は仮面ライダーシリーズはほとんど見てないし、知識もゼロであったけれども、2時間全然飽きず楽しめた。

個人的に最もヒットした部分は、主人公、本郷猛の「戦う理由・動機」の語られる部分。なるほど、そう描くのか!と唸りました。『シン・ゴジラ』から続くテーマの連続性を僕は感じます。

あとは、緑川ルリ子を演じる浜辺美波さんが素晴らしかった。どこかで見たことあると思ったら住野よる原作の『君の膵臓をたべたい』のヒロイン山内桜良を演じていたんですね。庵野ヒロインの系譜としては、綾波レイ味を感じますが、系統としてとても似ている感じの薄幸のヒロイン。だけど友人の指摘では、綾波には綾波でも、映画版の最後で農作業やった後の綾波だよねという指摘には、思わず頷く。意外とイキっているという指摘には、笑ってしまいました。とても魅力的でした。

さらに友人に、石ノ森章太郎先生のリスペクト、初期13話リスペクトから読み解きたいという文脈を教えてもらった。この作品は、仮面ライダー生誕50周年企画の一つで、コピーは「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」なんですが、やはりこの作品を分析的に見たい時は、オリジナルから、庵野秀明監督が改変した部分に、色濃く作家性が宿ると思うので、その部分を細かく見ていくと、なるほどそれが表現したかったかという部分が現れてきます。なので、そこを注目したいところ。

ちなみに、入場特典でもらったライダーカードは、コウモリオーグさんとハチオーグさん(変身前)でした。