思えば、もうかなりの「大作」だよね・・・・

魔法先生ネギま! 28 (少年マガジンコミックス)

28巻か・・・・実際のところ、もうこの作品って「大作」って感じだよなー。ナギの過去話や謎解きがされてくると、実は、非常に王道的でマクロも描かれている、真っ当な物語なんだよなー。最初が30人を超えるクラスメイトとか、そういうガジェットというか、いろいろな萌え的な仕組みがミックスされていって、それに目がいってしまいやすいけれども、結局のところ非常に真っ当に物語を物語っている、と思う。だってそう思わないですか?。ここまで読んでくると。たぶん全体の「大きな物語」は、最初の最初期から細かく構想していて決めていたと思うんですよね、、、そうでないと、こういう壮大な物語はかけない、と思う。そういう意味では、とても手がかかっている作品だと思う。今のマーケティングで成功しそうな手法を徹底的に盛り込んで、作り手が悩み続けながら試行錯誤はしているけれども、そこは所詮表層の部分であって、実はいいたいことは、とても王道で骨太な物語。非常に、同時代的で、同時にとても古典的な作品、と思う。

なんかね、、、、僕はもう、まぁあまり余裕がないってのもあるけど、ここまで物語に「ずっと寄り添って」いると、もうあんまり感想とか考える気力がなくなってきたなー。出てくる人々の動機の構造がわかったという感じがして、、、、、そういう動機の構造が読み解けると、あとは、キャラクターへの感情的なシンパシーだけになるんだよね、おもしろさって(僕手の読み方だと)。。。


それゆえか、もうゆえゆえの出てくるところだけ何度も読み返したりして(笑)、非常にわかりやすい読書行動をするもの、自分(苦笑)。


・・・・いやーでも、この漫画って、、、、おもしろい、おもしろいよ、、、いやとてもよくできていると思うよ。実際に、きっと、この連載が終わって、何年も立って人々に忘れ去られて読み返しても、絶対に面白いと思うんだよ。それくらいに良くできている。マクロとミクロの比率も素晴らしい。ガジェットの部分の情報量の質の高さ多さだけではなく、男の子が悩みながら成長していく(王道ヒーローとしてナギ、そして現代的な苦悩の答えが出せないヒーローとしてのネギ)というビルドゥングスロマンがきっちりストレートに設定されていて、かつマクロの壮大な「創られた世界」という謎・・・・そのすべてが細かいサブストーリーとリンクする複雑な「構成」・・・そして、それをシンプルでわかりやすく連載で人気を逃さないように「ひたすらわかりやすく」バランスをとり続ける戦術・・・・いや、まじで、素晴らしい作品だと思う。

こういう作品に出会えたのは、漫画大好き人間として、とても素晴らしく幸運だったと思う。「なにをどれだけ楽しんだか?」ってのは、出会えば良いってもんじゃなくて「出会い方」や「その作品との距離」言い換えれば「作品の楽しみ方」とも大いに関連があって、、、それはどれだけ記憶と心に刻まれるかってことと関連すると思うんだよね。そりゃー別に、過去の偉大な文学作品とかと比べたら陳腐なものなのかもしれないけれども、そういう比較はナンセンスなんだよね。だって「出会い」ってそういうものだから。自分が世界で一番大好きな彼女との「出会い」が、その彼女が、世界一の美女じゃなかったからって、「その人」にとっては、すべてなんだから。


DVD付き初回限定版『魔法先生ネギま! 28巻』