『ラストエグザイル-銀翼のファム-』 千明孝一監督 1-11話の感想

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評価:★★★☆3つ半
(僕的主観:★★★☆3つ半)

最新話11話かな?までを見たのですが、好きだなー。なによりも、村田蓮爾さんのキャラデザ、すげー好きなんだよなー。これ、たぶん穴という極端な穴を感じないし、一気に11話まで見れたくらいだから、きっと最後まで見ると思う。そういう意味では、いい出来なんだろうと思う。にしても空賊の世界と群雄割拠の時代。凄く凄く良くできている、、、、けど、こういう風にできすぎているSFは、『フラクタル』も『NO6』もそうだったんだけど、どうしても、小さくまとまってしまうのは、なぜだろう。がつぅぅぅぅん!!と思うものにならないんだよね。精緻にロジックというか、設定が組まれているが故に、

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人間関係がうまく描ききれない


設定が複雑が故に論理性が優先されて意外に常識的なオチになってしまう


なかなぁ、、、、。必ずこの二点は、SFアニメを作る時は、どうもいつもついて回る問題みたい。アニメって共同作業だから、監督やクリエイターがもつ狂気が、どんどん薄れて、中途半端というか当たり障りのないものになりやすい。特に、SF作品は設定が細かくたくさんあるが故に、コアの狂気が薄れて行ってしまうのかもな、、、。この作品も、メッチャ好みだけど、、、、好みで、出だしがいいが故に、思ってしまうよなー。ただ、この作品のコアは、たぶん空を飛ぶ楽しささなんで、それを忘れなければ、いい秀作ができるとはおもうけどね。でも、秀作では、秀作なんだよなー。まぁ、、、作りてとして、なにを目的とするかにはゆるんだけどなー。こう考えると、今から振り返ると、非常に常識的なSFである『不思議の海のナディア』とか、は、信じられないくらい面白かったんだよな、、、。あれも構造的にいえば凡百なSFなんだよな、、、。それが、なぜあそこまでおもしろかったのか、、、、。監督の才能としか言いようがねえなー。


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ちなみに、人間関係、特にミクロの関係が丁寧でないな、と思うのは、たとえば、ジゼとファムが仲たがいする話なんかの演出がそう。あれって、ジゼが自分の価値は「頭が良いこと」だと思っていたんだけど、敵が裏をかいてくることを読み切れなくて自分が失敗したと思いこんでいたり、一度も成功したことが泣い敵艦のエンジンをミリアが成功させたことで、自分の居場所がなくなったと感じたことで苛立ってしまったんだけど、、、彼女がファムにとって狭い意味では価値がない(とまではいわないけど・・・)のはそれらの描写から事実であって、そこが全然解決しないのに、なんとなくうやむやにファムのそばにいることという風に話が収束してしまうのは、?って言う感じだった。少なくとも、自分が「役になっている!」という部分が、情緒的な部分はではなく、もっと物理的、功利的な面でなければ、居場所があるという「自信」がジゼには訪れないはずだと思うんだよなー。少なくともあのテーマを掘り起こしたら、一話では簡単に話が納得までいかないのにさー。。。。言いたいことはわからないでもないけれども、なんというか、ああー話を進めるためだけに早めにジゼの話が展開させられたなーと感じてしまった。なんというか、マクロの大きな謎解きや戦争、政治の話が優先するんで、この系統のSFは、そこがおざなりになって情緒的な感情移入がしにくくなってしまう。マクロを描きたい人にありがちな、ようはミクロの演出が弱くなってしまう、、、、。なんというのだろうなーSFを描くときに、どうしても、背後のテーマ自体が焦点にあって、キャラクターが記号になってしまいやすいんだよね。


とはいえ、11話の過去回想回は、とてもよかったー。なんというか、、、そうか、皇帝の女の子がアウグスタと呼ばれているところのイメージとも重なるんだけれども、こういう空想この古代世界って、ローマ帝国が多分イメージの根底にあるんだろうなーと思う。多民族国家の大帝国。ちなみに、この回想回僕は、魔法先生ネギまの空中の都市を凄い思い出させるなー。