『パレス・メイヂ』 久世番子著 凛々しい陛下がカッコイイ!

パレス・メイヂ 1 (花とゆめCOMICS)

表紙とタイトルで一目ぼれ。まずないんだけれども、久しぶりに、まったく事前情報とかなしに、購入。そして、アタリだった。うん、僕はとてもとても好き。いやー自分の嗅覚は、素晴らしいなぁ、、、ちゃんと自分が好きなものを見分けるなーと、感心。感心。架空の明治宮殿を舞台に比繰り広げられる、近代の宮廷物語、というところだろうか?。架空の国での少女帝と少年侍従の物語。


えがったー。もう、彰子陛下の凛々しさに、ウルトラノックダウン!ですよ。キャラクター造形もしっかりしているんだが、この切れ長の目の造形が、、、ゾクゾクする。ふっ、、、踏まれたい、、、、(笑)。普段は父親の例に倣い軍服をいつも来ているのだが、時々平服なのが、これがまた…うーむ、かわいい、、、といったら不敬なのだが・・・。


・・・・現代日本は、女系化している、というのは統計や大規模調査が示している、と言われている。一つには、圧倒的に女性が高齢で長く生きる寿命の構造。日本は、おひとり様の単身世帯が、既に標準家庭であって、構成の大半を占めている。そして男性に比べて、女性は平均年齢で10歳近い差がある。つまり、日本は女性の単身世帯が、圧倒的に多い構造をとして伸びていく人口構成になっているんです。そして、基本的に娘夫婦が親に近居するという、娘とその母親とのつながりが、高齢化社会の主軸の関係性になりつつあると言われています。それをして、女系化…と。


そういう事実から見て、まぁ飛躍なんだけれども、女性天皇だって、ありなんじゃないかなーと、てきとーに思う今日この頃。僕は、凛々しい女性の陛下ってのを、凄く見てみたい!という物語を自分の中に抱えているようなので、このことは、いつもちょっと考えてしまう。とすると、、、やはり男系と万世一系の問題を、ちゃんと勉強すべきなんだろうなぁ、、、何がこの問題を阻む構造や伝統なのか…とかとか。って、、、どうでもいことを書いてしまった(苦笑)。


森薫さんの『乙嫁語り』のような画力と精密さとウルトラ精密さはないのが惜しいところではあるが、まぁ、あれは森薫さんが狂うっている(笑)ので、そこまで望むまい。けど、、、なんというのだろう近代宮廷のこの世界を切り取ってきたセンスと、この世界を成り立たせる重要なポイントがきちっと押さえられている感じがして、良い。なので決して、夢想から、、物語の没入から、少なくとも僕は冷めない。この和洋折衷の明治宮殿という・・・パレス・メイヂというタイトルもセンスがとてもいい。うーん、あるようで見たことがない世界だった。決してマクロ(政治)が描けているわけでもないが、宮廷という世界の関係性が、凄くきれいにまとまっている気がする。『大奥』のような、家系の存続の道具とされる王族の、籠の中に閉じ込められた、人を道具とすることへの、、、、責任感と苦しみが、じわっとあって、、、いいなーこれ。、まぁ、とにかく、あまり細かい話はどうでもいいんですが、言いたいことは好きなんです!ということでした。2巻が楽しみです。