没落する中産階級を、どうできるか?が今後の先進国の最大課題

こういうのもただ見るだけだと選挙のためプロパガンダとかそうやって切り捨ててしまいそうだが、アメリカの政治において、中産階級の復活がもっとも重要なポイントであって、ここが経済的に安定しないと移民排斥やリベラリズムとは逆の方向へ感情の怨念が吹き荒れるというような背景の知識があると、こういうのは、物凄く興味深い話になる。ヒラリーさんの選挙戦略って、アメリカの文脈では凄いオーソドックス。とにかく中産階級の復活、そのボリュームゾーンにフォーカスしている。選挙に最初に選挙に出る時のオフィシャルのアナウンスも同じでしたね。


Hillary Clinton's 2016 Presidential Campaign Announcement (OFFICIAL)

しかしながら、その中産階級こそが、経済的にうまくいかなければ、安全保障に問題があれば、ドナルド・トランプさんを支持するような方向に簡単に切り替わるんです。中産階級の没落は、グローバルな新興の後発組が成長して中産階級を形成して、職がそこへ移っていけば必ず起きることなんで、構造的に止めようがない。いってみれば、世界のその他の国々を食いものにして、植民地的に搾取して、先進国の中産階級というクローズなセグメントの幸せを維持してきたわけだから。富が平均化しているだけ。左翼の言説が凄く嘘くさいのは、結局世界的に豊かに暮らす人々は増えていて、いままで虐げられていた人々が豊かになっているのを制限しても、先進国の職と最低賃金を守ろうというのは、倫理的に非常におかしな話だからなんです。ダブルスタンダードを常に云うしかないところに追い込まれている。


そして先行している先進国で、中産階級という民主主義的に数の力を持つ層が、ポピュリズムに落ち込んでいけば、自由を制限し、かつ自分たちの既得権益を守るためになりふり構わない振る舞いに出るようになる。そうすれば結果として、過去の世界大戦やブロック経済のような、世界的な災厄をもたらすのは既に分かっているので、数々の歯止めのシステムがあるのだが、かといって、マクロ的に長期的に危ないからといって、いま自分の職がないこと、生きていけないこと、苦しむことをのような、生活に直撃することの地獄は、我慢できるものではない。というジレンマの中で、ポリティカルコレクトネスのようなキレイごとはたくさんだ!!というのは、先進国の「なにものでもない僕ら」の中産階級(既にもうそういえないかもしれないが…)実感です。だからこそ、移民の排斥、ナショナリズムの交流、セキュリティ重視による自由の制限が起きるのです。アメリカがとても興味深いのは、まったくこの先進国のジレンマと病とは逆の理想主義を掲げるバラク・オバマ大統領のような指導者を選んだり、同時に、現在のトランプ旋風のような強烈なポピュリズムのどちらも極端に内包していることです。これから、どうなるんでしょうね。アメリカ的な特殊な文脈はあるにせよ、この国の世界への影響は大きいわけで。また、人類のフロントランナーであり、ここでの解決策の方向が、世界のモデルになるんですよね。


Hillary Clinton's Official Campaign Launch | Hillary Clinton


最近は、Twiiterやinstagram,それにSNSで登録してくれると、毎日リアルタイムで生の情報を直接見れるので、メディアを見る必要がぜんぜんなくなる、まとめや確認や、世論動向なんかのためには、あとで確認するが。メディアの在り方が、全然変わっていっているんだと実感する。デモクラッツだけではなくリパブリカンやTea partyとか、まったく反対の人間の情報も登録しておけば、十分いバランスもとれるんだよね。日本のものも、右側と左側の極端な人を登録しておいて眺めていると、だいたい全体が見えるようになるんだよね。いやはや、本当に時代がどんどん変わっているなーと思います。もう個人的に、新聞とかマスメディアって、必要ないなと思う今日この頃です。何か興味があることは、直接オリジナルソースになるべく近づいて審議を見定めるとか、視る癖をつけると、いいですよね。なんちゃってレベルの努力でも、いまはテクノロジーやシステムが違うので、凄いところまでいけるよ!。テクノロジー万歳!!。