アメリカは、共和党(資本主義と自己責任を最重視する)を選んだのだ、ということを理解すべきなんだな、と思う今日この頃。

「次の大統領選で、アメリカが普通の国になるのかどうかがわかる」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20121108

トランプ氏はノーベル平和賞を目指せ!
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20161117


ちきりんさんのこの二つの記事は面白かった。最近思うのは、トランプさんが大統領にえらばれて、2つの論調。世界経済が好転する可能性です。


大手メディアは、もしくは知識人は、ぜんぜんトランプさんを真面目に予測していなかったんだな、ということ。大手メディアや知識人が馬鹿だとは思わないので、構造的な問題で、こういうタイプの人を、予測できないんでしょうね。たしかに常識的な「あるべき論」からすると、冗談でも取り上げずらい人ですもんね。なので、真面目にどんな理由で選ばれて、彼は何をしようとするのかが、分析されはじめて、意外に肯定的な意見を散見するようになってきた気がします。


何を肯定的に見るのか?


それは、ちきりんさんが、4年前に言っていたように、これが共和党の「小さな政府」に向かうことを、米国民が選んだ、ということを背景にあると思えばいいんだろうと思います。短期的には弱者を切り捨てますし、大きな政府による保護はしないと自己責任を追及します(アメリカ的に言うと、成功した人が自費で寄付をすべきであって、それがアメリカの伝統という言い方になる)。それはある種の差別のように見えるし弱者切り捨てに見えます。けれども、そうじゃないく、資本主義と自己責任の仕組みを選んだんだ!ということになります。そして、問題はこの方法で解決するし、今までしてきた!と。まぁ、実際は、差別の助長になってしまうんですけどね。そうでないと、格差はここまで広ろがらなかったでしょうしね。でも、共和党の思想は、実践は、こう。


そして、オバマ政権成立後の民主党の一貫した凋落と、共和党が議会で過半数を(いまだに)とり続けている理由は、米国実がそれを望んでいるからです。そうでなければ、これほど圧倒的な勝利はありえません。トランプを支持する貧乏な白人!という図式だけではとても説明がつきません。アメリカの過半が、強く根深く長きにわたって支持していることが背景にある。トランプさんが、というよりは、民主党に対抗する共和党的なもの、といえるでしょう。

現時点では減税案の詳細まで提示されているわけではないので、幅をとって考える必要はあるが、あるエコノミストはその減税規模を10年間で4兆ドルから5.5兆ドルと見積もっていた。他のエコノミストらもおおむねこの前後の推計だろう。税制改革案が増税と歳出拡大でほぼ均衡していた民主党ヒラリー・クリントン候補の案と比べてその大盤振る舞いが際立っている。

仮に10年間の減税規模を5兆ドル、毎年均等に実施されると想定しよう。2015年の米国の名目国内総生産(GDP)は約18兆ドルなので、この減税案の年間規模はGDPの2.8%にも及ぶ。金融危機でも不況でもない経済的平時において実施される減税規模としては空前のものとなるだろう。

<米経済成長の上振れシナリオが浮上>

トランプ陣営は選挙期間中の様々な過激発言を、勝利後には急速に修正しつつあるので、この大減税案が原案に近い形と規模で本当に実施されるかどうかは不確実である。しかし、1980年代前半のレーガン大統領の減税、2000年代のブッシュ大統領の減税など、減税は「小さな政府」を標榜する共和党にとって代々の看板政策であり、相当の規模で実施される可能性が高いと、とりあえず思って良いだろう。

この大減税が実施されると、連邦財政赤字の拡大、国債発行増、長期金利上昇、日米金利格差拡大、ドル高というシナリオがすでに語られている。内外金利格差拡大がドル相場上昇をもたらすというのは国際金融論のテキストも語る基本命題なので、いかにももっともらしい。


http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKBN13G0LS?pageNumber=2
コラム:トランプ相場はまだ序章、大減税の衝撃=竹中正治


これが、世界によっていいことなのか?悪いことなのかは、まだわかりません。が、トランプさんの勝利後の短期の株価下落を超えると、株価が上がり基調にあることは事実です。いいかえれば、いまのところ、世界の市場は、これをプラス要因に取り込み始めているんですよね。


この現実は、ちゃんと理解しておかないと、単純にリベラリズムにおいて、切り捨てをする差別主義者と考えて思考停止に陥るのはだめなんだろうなと思う今日この頃です。共和との目指す本質の方向は、そもそもここだし、この背景は、トランプ自身は、よくわかっている可能性は高いし(明らかに一貫してそこにフォーカスしてきていますよね、スピーチ)、なによりも、アメリカ国民が望んでいる大きなトレンドであることは、間違いないです。選挙によって、証明されたのですから。



ちなみに、ノーベル賞については、もともとこんな話がありましたものね。ISの伸長は、アメリカがロシアとの駆け引きをしているから起きている問題ですから、やろうと対処できることをしていない欺瞞は、これだけ被害が世界中に広がれば、そりゃ感じざるを得ないもんね。

推薦者らの詳細は不明。ただ、同所長はインターネット上で推薦者の言葉を紹介し、「イスラム過激主義、過激派『イラク・シリア・イスラム国(ISIS)』、核開発を目指すイランや共産主義の中国に対する力のイデオロギーを通じた精力的な平和への追求」などの理由を上げたとしている。
トランプ氏は選挙戦で、ISISせん滅や中国との貿易での保護関税導入に再三言及している。


トランプ氏、ノーベル平和賞候補に 「力の外交」評価
2016.02.04 Thu posted at 16:37 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35077396.html


まぁ、とわいえ、共和党第一期目の大統領は、みんな」戦争起こすからなぁ。。。。。