チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェスト&エヴァーグレース国立公園(3)-2ミドルトンプレイス・プランテーション

■雨の中散策

雨でしたが、とりあえず正面玄関をさがして、次の日の邸宅内部のツアーの申し込みに。ツアー自体は、早い者勝ちだったので、予約できんなせんでしたが。ミドルトンプレイスを、散策。ちょっと引くくらい広くて美しい。サウスカロライナプランテーションと考えると、これが巨大な奴隷のシステム取引の富とと労働と証と考えると、12years slave やハリエットの映画を連想しちゃって、うわちやぁ〜という気になる。この巨大庭園、個人的には、浜離宮をなんだかとても連想した。人力で作られている、巨大な権力と富による庭園だからだろうか。

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学生の頃に行った、イギリス郊外の貴族の庭園を物凄く連想する。ヴァージニアのジョージワシントンのプランテーションのマウントバーノンも思い出す。これらか、イギリス帝国の一部で、かつイギリス貴族、もしくは、ジェントリーによって支配されていた植民地なんだって、強く連想する。彼らの意識には、明らかにイギリス帝国臣民、ジェントリーの生活様式があったんだろうなーってこれだけまわると、ほんとうにわかってくる。イギリスとのつながり深すぎだ。

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What is GENTRY? What does GENTRY mean? GENTRY meaning & definition - How to pronounce GENTRY - YouTube

ジェントリ - Wikipedia



浜離宮やイギリス庭園、マウントバーノンそれに

バージニア州アレクサンドリア(ここはシーフードがおいしいです!)近くのマウントバーノン(Mount Vernon)は、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンプランテーションで、ほんと生涯ここで彼は人生を過ごしています。また彼の自伝を読むと、彼の自己認識が、「イギリス帝国臣民」であり「農園を経営する農園経営者」として自分を定義づけていて、新国家の基礎も、常にこの中産階級以上の独立自営農民による民主政体を前提としていました。建物は、新古典主義ジョージア調建築様式であり、ポトマック川の堤にあります。HPの遠景の動画を見るとわかりますが、凄い高台にポトマックリバーを望む農園主の邸宅で、この当時のヴァージニアの富裕さがどれほどのものかがうかがえます。しかし同時にワシントンの伝記を読むと、マウントバーノンのレベルの生活では、たぶん状富裕層の中では、かなり下の方の、生活するのにだいぶ才能と経営能力が必要な、いってみればカツカツな感じなんです。実際に行って、マウントバーノンを、歩き回ってください。「これ!!!!」で、ヴァージニアの富裕農民としては、貧しい方なんですよ・・・・。当時の農園主の巨大な権力とと見に、目がくらくらします。ただ中規模の農園を軌道に乗せようとしていたため、日本近世や近代の徳川幕府の庄屋や名主のような豪農富裕農民(渋沢栄一の家のような農業生産だけではなく技術者でも商社でもある総合の商売人経営者のイメージ)の当時の苦労が歩いていると随所に感じられます。新国家アメリカという共和国を軌道に乗せるためには、それを支える独立自営農民の富裕層が、「自分で独立独歩で食べていける経営モデル」を示さなければならなかったので、明らかにワシントンはロールモデルとしての農園経営を意識しています。なので原材料から、何とか付加価値をつけた産業を生み出して、イギリスの植民血(=原材料供給拠点)という性格から脱出しようと苦悩しています。
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なので当時のイギリスの新技術を次々に試して実験しています。綿花ではなく衣服を作る、デザインをする、色を染めるなどなど、付加価値をつけてよりサプライチェーン下流に行こうと四苦八苦です。「この感覚」「自己認識」によって南部の農園・プランテーションが経営されていることをわかっていると、この地域が大英帝国の「一部」であることが、まざまざとわかってきます。ここでいう近代的な新技術は、すべてヨーロッパからイギリスを通して(時にはフランスから直接)はいってきますので、子供をイギリスに留学させて人脈と学位をとるのは常識でした。また、農作物の「アメリカ国内での自給自足」と同時に「大英帝国のグローバルサプライチェーンの一部としての南部の農作物や綿花などの原材料」の利益がせめぎあっているのが、ワシントンの自伝の農園の財務表から読み取れます。

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www.mountvernon.org

www.youtube.com

バージニア州シャーロッツビルにあるトーマス・ジェファーソンの邸宅Monticello(モンティチェロ)、これは世界遺産ですね、とも比較してみたいです。

https://www.monticello.org/

https://www.monticello.org/sites/default/files/inline-pdfs/FLBJapan.pdf

なんでヴァージニアの建国の父であるジョージ・ワシントンGeorge Washington 1732- 1799)とトーマス・ジェファーソン( Thomas Jefferson 1743-1826)の名前を出したかというと、ヘンリー・ミドルトン(Henry Middleton:1717年 - 1784年)、アーサー・ミドルトン(Arthur Middleton、1742年-1787)の親子は、この年代にドンピシャ同じで、同じ時空間に生きていた人だからです。アーサー・ミドルトンは、独立宣言にサインした「建国の父」ですよね。また同時に、彼がイギリスで教育を受けて学位をとっているのも注目です。アメリカ生まれの大金持ちは、「イギリス帝国臣民」としてのキャリアと人脈のために、高等教育はイギリスに留学のするのが当たり前だったのです。ミドルトンプレイスも、マウントバーノン、モンティチェロをバラバラに行くのではなく、一つの同じ時代の様式と文明として眺める姿勢があると、とても面白い。


■イギリスの宮廷社会との連続性を感じてみる大英帝国の一部としてのチャールストンの大プランテーション

イギリスの人の知り合いが、最近旅行に行ったそうなんですが、とても見知った風景で、ほっとすると言っていたので、へーと思ったんですよ。軽い感じだったんだけど、え?なんで、ほっとするのって、ひっかかっていて。散歩していて、たしかにイギリスの庭園を凄く連想するんですよね。学生のころ観光でいったロンドンの郊外の庭園とかを凄く連想する。やっぱり英帝国の一部、領土してみなとダメな空間なんだなぁとしみじみ思いました。

miyearnzzlabo.com

ちょっとずれるんですが、最近見た映画で、イギリス映画の『ベル ある伯爵令嬢の恋(BELLE)』を思い出しました。これは、イギリスで黒人奴隷制度がなくなるきっかけになった最高裁判事にあたるマンスフィールド伯爵の歴史的事件に関連する物語です。サマセット裁判とゾング号事件のことなんですが、細かいことは記事を読むかググってもらえればいいのですが、ベルってこの映画の主人公は実在の人なんですが、黒人なんですよね。でも、ずーとっ隠されててわからなかったんですが、実は、マンスフィールド伯爵家で育っているんですよね。しかも貴族の女性として。え?なんで?というのがずっとわからなかったんです。この絵の人です。普通、イギリス貴族の家の絵画にでてくる黒人は、奴隷で召使とかなんですが、この人、どうも真ん中の白人の少女と姉妹として育っているのですよね。え?なんで?という物語です。まぁ、ぶちゃけるマンスフィールド伯爵のマンスフィールドの甥っ子の娘なんですが、それを引き取って貴族女性として育てるんですね。ほとんど娘として、凄く愛して育てたようなのですが、そのマンスフィールド最高裁判事が、イギリスにおける黒人奴隷を認め否判決を出していくんですね。これ、ヨーロッパ世界における黒人奴隷の終止符への話と絡むので、ぜひ覚えておいて損はない歴史的実です。それ以上にロマンチックですよね。このベルという少女は、かなり優秀だったようで、マンスフィールド伯爵の私設秘書のようなものをして、相当かかわっているようなんですよ。


まあ、ちょっと脇道ですが、そんなこんなんを、いろいろ連想して、ほーと思いながら、子供たちと散歩していました。娘もちょうど映画をもいたばかりで、その話を一緒にしながら。


ちなみに、数々の映画の舞台になったHatfield House (ハットフィールド・ハウス)の写真とぜひとも比べてみてください。

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gardenstory.jp


www.mapple.net

浜離宮
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同じように浜離宮もちょっと思い出したんですよね。僕はここが好きで、銀座で働いていた時に、よくお昼に一人で散歩していたのですが、本当に素晴らしい庭園で。「恩賜公園」ですから、天皇陛下からのものですね。これはもともと徳川将軍家の庭園なのですが、潮の満ち引きとかもせっ益されている壮麗な庭園で、これを見ると、徳川将軍家の巨大な財力権力を実感できます。もちろんイギリス的なものとはテイストが違うのですが、なぜこれを連想したかというと、「ほぼ同じ時期に」、「人力」で公園を作ろうとすると、とてもに似通ったテイストになるんだ!と驚いたんですよね。

www.ambassadors-japan.com

浜離宮恩賜庭園|公園へ行こう!

いやー素晴らしい体験でした。繰り返しますが、コンセプトが、

コンセプトに戻ると、サウスカロライナチャールストン観光のコンセプトは、「プランテーションを経験したい!」でした。さらに奥を紐解けば、ヴィクター・フレミング監督の『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)1939の映画で描かれていた、滅び去ったアメリカ南部という「文明」を見たい!というものです。

ですので、そういう文脈で最高でした。


■ミドルトンプレイス

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マグノリア

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Magnolia Plantation and Gardens | Charleston, SC

■過去の旅行記
コロニアル・ウィリアムズバーグ (Colonial Williamsburg)に行ってきた!
https://petronius.hatenablog.com/entry/20120118/p1

サンディエゴ航空宇宙博物館(SDASM:San Diego Air & Space Museum)と林檎(アップルパイ)の古い町ジュリアン散策
https://petronius.hatenablog.com/entry/2021/11/30/044025

チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェストエヴァーグレース国立公園(1)
https://petronius.hatenablog.com/entry/2022/01/08/093408

チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェストエヴァーグレース国立公園(2)空母ヨークタウンとサムター要塞
https://petronius.hatenablog.com/entry/2022/01/10/064317

チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェストエヴァーグレース国立公園(3)-1 ミドルトンプレイス・プランテーション
https://petronius.hatenablog.com/entry/2022/01/18/123318

チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェストエヴァーグレース国立公園(3)-2ミドルトンプレイス・プランテーション