チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェスト&エヴァーグレース国立公園(3)-1 ミドルトンプレイス・プランテーション

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遠景。写真は、HPから。アシュレー川に臨んでいます。

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■マウントプレザントから郊外のミドルトンプレイスまで車で移動

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2日目は、マウントプレザントからサムター要塞に行って、夕方は、宿泊地のミドルトンプレイスに。車で約40分。プランテーションを体験したい!がコンセプトだったので、マグノリアとミドルトンプレイスのどちらに泊まろうか悩んだ。決め手は、特になし(笑)。

www.magnoliaplantation.com

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もともとは次の日にマグノリアプランテーションのツアーに行こうとしていたのですが、翌日が雨の予報100%だったので、これは無理だと急遽やめました。うちの夫婦は、ウルトラ晴れ男晴れ女で、二人っきりで行く旅行では、雨が降ったことがなかったんですよね。若いころに新宿から上高地バスツアーに申し込んで、当日大雨で失敗しちゃったなーと話してたんですが、上高地についたとたん晴れて(なぜか急激に)、そして観光してバスに戻ってきた瞬間から雨が降り始めたので、うちの夫婦は、ずっと思っていたけど晴れ確率やばすぎると思ったいたのですが、子供がいるとこの確率が少し下がるようで(笑)、今回は完全に雨でした。ただ次の日、市内を観光したんですが、小雨で十分歩けたので、そういう意味では、やはり雨に苦しまないなぁと思いました。

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Google mapの拡大や縮小してるとアガる。この記事は僕の私的日記なので、当時のGoogle mapをそのまま。マウントプレザントのチャールストンダウンタウンの都市部の雰囲気から、アシュリーリバーを内陸の郊外に進む感じでドライブ。雨模様なのが残念でしたが、どんどん田舎になっていく感じ。地図を見ていると、ここって東海岸なのかーって。しみじみ。風景が、田舎な感じがして、カリフォルニアのオレンジカウンティよりも平家が多い感じがする。髭みたいな感じの木がたくさんあるのが、南部っぽい。ヨークタウンの港もそうだけど、湿地というか低地なんだなぁと感じる。沼地をところどころに見る。かなり郊外に奥まったミドルトンプレイスに向かう。今日は、ここの中にある、コテージというかホテルで。5時ギリに着く。けれど、宿泊者なので、夜も公園を散策して良いらしい。といっても、ガチの真っ暗だから、怖くてあまり歩けなかったけど。この辺りは、アシュリー川の横で、巨大なプランテーションが集中している模様。運転して向かう途中に、マグノリアなどの他のプランテーションの観光地を多数見た。

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■Spanish Moss(スパニッシュ・モス)

ちなみに、南部といえば、このスパニッシュ・モス。米南部独特の植物で、映画とかでもアイコンになっている気がする。このひげが出てきたら、ここは南部だって感じ。Moss(こけ)と言っているけど、パイナップル科の植物だそうで、Southern Live Oak、Bald Cypressなどの大きな木に乗っかっています。けれども寄生植物ではなくて、湿気のある空中の塵から養分をとっているそう。スパニッシュモスと沼地が出てきたら、アメリカ南部だ!と思うとよいです。ちなみに、この風景が最も印象的で有名なのは、映画『フォレストガンプ』の最初のベンチのシーンで有名なジョージアのサバンナ(Savannah)ですね。

www.smithsonianmag.com

www.youtube.com

ちなみに、フォレストガンプは、ロードムービーでもあるし、アメリカ大陸中のアイコニックなポイントをめぐるので、これを軸に旅するのも楽しいと思います。アニメでは聖地巡礼はよく言われますが、映画の聖地巡礼も、軸を決めて「ここに行く!」と決めていくと、盛り上がると思います。ちなみに、2021年は、ペトロニウスは、Chippewa Square, Savannah, GAとMonument Valley, Utah and Arizonaに行きました。

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さて、郊外のミドルトンプレイスに到着。我々は宿泊するので正面玄関ではなく、コテージ?の受付に。正面入り口と全然違うところなので、大丈夫か?と思いながら森の中を進むと出てきました。

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■ザ イン アット ミドルトン プレイス

ペトロニウスは、旅行プランニング能力が低いので、奥さん(うちの奥さんは、めちゃめちゃ頭がいいの!)にお任せなのですが、よくぞ見つけてくれた!って感じで、うれしかったです。アメリカは、ナショナルパークの中のコテージとか、結構とんでもないところまで宿泊施設があったりするんですが、これがかなり予約が難しい。ずっと予約、埋まりっぱなしなので。モニュメントバレーにあるお部屋から絶景を眺めることができるビューホテル(The View Hotel)とか、泊まったときは衝撃でした。
monumentvalleyview.com
あれも、コロナでだいぶ予約が空きとかキャンセルとかでわちゃくちゃなところ、奥さんが毎日サイトに張り付いてとってくれたので、遠く海外から来るにはリスク高すぎて、なかなか難しいだろうなぁと思いました。でも、英語のサイトも含めてコツコツ探していると、こういうの出てきて、おうってなります。

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www.theinnatmiddletonplace.com

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水回りも悪くなく、設備も新しいとは言わないけれども、こぎれいでよい感じでした。窓を全開にすると正面のアシュリー川が望めるので、眺望も最高。なによりも、ふらっと、外に散歩に行けるのが、こういうのの贅沢ですね。うちも少し曇り模様でしたが、閉館後の夕暮れに、家族で内部を散歩していました。

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息子は、本館(歴史的建造物)に泊まると思っていたみたいで、近代的コテージを見て、がっかりしていた。お前、ぜいたくすぎ(笑)。というのは、サッカーチームのチームメイトと、試合に行く時に(僕が運転してて)「最近どこか旅行行った?」といったら「フランスに行ったんだけど、お城(シャトー)に泊まったんだ!」といって、見せてくれた写真が、マジでガチのお城なの。こういうの普通に泊まれるんだ!(←無理)と、息子が感心してたから、その流れの連想だろうけど、うちはそこまでお金ありません(笑)。ちなみに、うちの息子のチームは、移民大国アメリカだけにいろんなバックグラウンドなんだけど、みんな金持ちなんだよなー。なぜか。毎年、みんな夏休み(アメリカは長くて3か月!)とかに自国に帰って、その後ヨーロッパとかでバカンスしてる人が多い。なんというか、うちとは次元が違うんだよなぁ、、、こういうのが、普通の中産階級ですって顔しているのって、マジかよ?って思うよ。


■ミドルトンプレイスとは?~ヘンリー・ミドルトンからはじまるミドルトン家に思いをはせる

さて、コンセプトに戻ると、サウスカロライナチャールストン観光のコンセプトは、「プランテーションを経験したい!」でした。さらに奥を紐解けば、ヴィクター・フレミング監督の『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)1939の映画で描かれていた、滅び去ったアメリカ南部という「文明」を見たい!というものです。

最初の植民地というと、マサチューセッツ州ボストン郊外のプリマスプランテーションが知られていますが、実際は、アメリカ最古の植民地は、現在のヴァージニア州ウィリアムズバーグ郊外のジェームズタウン(Jamestown)です。イギリスが北アメリカに建設した最初の永続的植民地。13年も前の1607年5月13日に、「スーザン・コンスタント号」「ゴッズスピード号」「ディスカバリー号」の三隻に分乗した104人が到着しています。この辺のイメージは、アメリカの神話となっているジョンスミスとポカホンタスの時代くらいですね。

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John Gadsby Chapmanによって描かれた絵が、ワシントンDCの連邦議事堂に飾られています。この絵画シリーズは、圧巻なので、なんとしても議事堂内部ツアーに行くのをお勧めします(予約とるのが大変ですが!)。これを見ないと、アメリカがローマ帝国・共和国をベースに建国された神話の国だってことが実感できないと思うんで。『ポカホンタスの洗礼』。このあたりの知識があると、最古のイギリス植民地の雰囲気がイメージできるでしょう。アメリカ建国の神話は、いってみれば、大英帝国のジェントリー・ジェントルマン、帝国貴族、なによりも白人の神話なので、現在のポリティカルコレクトネス論争の時は、真っ先に「攻撃の対象」になる物語類型です。けれども「オリジナル」を知らずして、その話をしても非常にバランスが悪いと思うんですよね。やはり、まずは、イギリス人、白人によるアメリカ建国の神話をちゃんと直視して、どういうものだったかを実感したうえで、次のステップ「どこが悪かったのか?」という解体のステップにいかないと、わけがわからなくなる。

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さてさて、アシュリー川沿いの稲作農園プランテーションハウスですね。これは市内観光やいろいろなことを調べていくとわかるのですが、アメリカ最大の稲作の産地で米を輸出していた!というのは、驚きでした。この屋敷の祖先であるヘンリー・ミドルトンという大商人が「何をしてそんなに儲けたんですか?」とキュレイターの人にい聞いたんですが、僕はてっきり「西インド諸島の砂糖とか南部の綿花」のみだと思っていたんですが、メインは「米ですね」と言われて驚きました。この辺は、前の記事で説明しましたね。西アフリカの文化を、黒人奴隷が持ち込んだからです。

もともとこのプランテーションの始まりは、1730年に、プランタージョン・ウィリアムズがミドルトン・プレイスに家を建て始め、娘のメアリーが、 ヘンリー・ミドルトンと結婚したのがはじまりです。彼がこの場所を気に入って、イギリス庭師であるシムズを雇って、「バタフライレイクス」などクラシックなイギリス庭園に造成したようです。

ヘンリー・ミドルトン(Henry Middleton:1717年 - 1784年)がどういう人かというと、イギリスで法律を学んだ後、サウスカロライナで治安判事、植民地議会議員になって1774年の第一次大陸会議で第2代議長になったひとですね。仕事を息子に引き継いだので、アーサー・ミドルトン(Arthur Middleton、1742年-1787)は、アメリカ独立宣言と連合規約にサインしたいわゆる「建国の父」ですね。


ヘンリーの父親もサウスカロライナのガバナー代行をしているので、それの先は遡れなかったのですが、イギリス国王からチャーター(特許状)などをもらったイギリス帝国貴族か富裕なジェントリー(郷伸)だったのでしょう。当時、ミドルトン家はバークレー、コールトン、グランビルの3郡に農園を持つ大土地所有者だったそうです。ちなみに、この邸宅には、1960?か70年くらいまで、ミドルトン一族が住んでいたそうです。いまは財団に預けて博物館として公開しているが、一族はまだ市内に大邸宅を持っているようです。うひぃ-すごい。この広大な屋敷を、1970年代くらいまで維持してたとか、どんだけ金持ちなんだって思いますよね。

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www.middletonplace.org

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■黒人奴隷による膨大な富の蓄積を思う~プランテーションを考えるときに黒人奴隷による労働力を無視しては語れない

この贅沢と広大な人力による大庭園が、黒人奴隷システムによることを思うと、なんというか。。。あとで言及するつもりの徳川将軍家による浜離宮もそうなんですが、いま見ても巨大で壮麗な大公園や空間を造成維持するために、そもそも近代的な重機などがない世界では、「人の手で作る」しかないわけです。いわゆるエジプトのピラミッドなわけですよね。それが世界史に類を見ない残酷な黒人奴隷システムで構築されていることを想像すると、、、、アメリカの神話自体は、アメリカ建国の物語ですから「かっこよく」て偉大なことなんですが、それが何によって支えられているかをこうして具体的なものを垣間見ると、うなります。過去の黒人奴隷に関係する映画は、


D・W・グリフィス監督『國民の創生』(The Birth of a Nation)1915年
リチャード・フライシャー監督『マンディンゴ』(Mandingo)1975年
クエンティン・タランティーノ監督『ジャンゴ 繋がれざる者』(Django Unchained)2012年
ティーブマックイーン監督『それでも夜は明ける』(12 Years a Slave)2013年
ネイト・パーカー監督『バース・オブ・ネイション』(The Birth of a Nation)2016年
ケイシー・レモンズ監督『ハリエット』(Harriet)2019年


この辺が、残酷で見ていられないくらい苦しいです。ちなみに、だいぶ子供たちには見せています。アメリカで人種差別を考えるときに、これらを知らないと歴史を聞いても、まったくイメージできなくなってしまうと思ったので。ほんとは、ドラマシリーズの『ルーツ(Roots)』が最高なんですが、これいまのところ配信とかで見れないので、見る方法がないんですよね。

もうすぐ(オバマさんがはじめて、トランプさんが差し止めて、バイデンさんが実行)20ドル紙幣になるハリエット・タブマン・デイヴィス(Harriet Tubman Davis)は、メリーランドからフィラデルフィアに逃げた逃亡黒人奴隷ですね。メリーランドは南部じゃないですが。あとは、マンガになっているハリエット・アンジェイコブズ『ある奴隷少女に起こった出来事』もおすすめです。僕は、異世界転生物のファンタジーが大好きなんですが、こういう「奴隷の残酷な現実」を見てしまうと、ファンタジーでも気軽に受け入れられなくなってしまいます。それほどに重い。

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しかしながら、南部を見る、アメリカを観光するにあたって、歴史を顧みるならば「建国の光の部分」と同時に、国の恥部としての闇の部分も同時に重ね合わせてみないと、まったく「見た」ということにならないと思っています。この素晴らしい南部のプランテーションの美しき生活、文化、建築、様式、富・・・・・『風と共に去りぬ』で描かれた南部という文明が何によって支えられていたのかは、ぜひとも感じながら見たいところです。そうしないと、黒人奴隷の生活の場所など、さまざまなスポットがありますが、「それがどういうルーツで、どういう現実で、どのような意味で後世の我々とつながっているか」が全く分からなくなってしまうので。

(3)-2に続く。

■過去の旅行記
コロニアル・ウィリアムズバーグ (Colonial Williamsburg)に行ってきた!
https://petronius.hatenablog.com/entry/20120118/p1

サンディエゴ航空宇宙博物館(SDASM:San Diego Air & Space Museum)と林檎(アップルパイ)の古い町ジュリアン散策
https://petronius.hatenablog.com/entry/2021/11/30/044025

チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェストエヴァーグレース国立公園(1)
https://petronius.hatenablog.com/entry/2022/01/08/093408

チャールストン&サバンナ+フロリダ・キーウェストエヴァーグレース国立公園(2)空母ヨークタウンとサムター要塞
https://petronius.hatenablog.com/entry/2022/01/10/064317