評価:★★★★☆星4.6
(僕的主観:★★★★☆星4.6つ)
いつも思うのだけれども北海道を舞台にしている場合には、大陸感というか、大地の雄大感の広がりを感じられるリッチな絵作りが求められて、それができていれば成功、できていなければ失敗だといつも思っている。そういう意味では、悪くない出来に思う。
ゴールンカムイというマンガは、かなりぶっ飛んだリアリティラインの作品であるため、マンガの映像化ができているかが重要なポイントなのだが、山崎賢人主演、黒岩勉脚本の『キングダム』シリーズと同じレベルと感じる。というかみていて、とても連想する。よくもまぁ、この難しい作品を、仕上げてきたと思う。一番すげぇなと感じたのは、杉本佐一やアシㇼパ、土方歳三、鶴見中尉と、濃すぎるキャラクター群(そここそがゴールデンカムイの魅力なので)が、コスプレ感がなく、自然に画面と世界観に溶け込んでいる味がするところだ。これは、大したものだと思う。北海道の広大さをリッチな絵で見せること、明治期1904年の小樽などの架空の北海道が実在している感じが、VFX、美術、アイヌコタンの再現度合いなどなどで、ちゃんと溶け合って、違和感がないのが見事だと思う。
全31巻ある原作のうち、第3巻の途中なので、映画なら数部作品(多分4−5部?)だろうし、続きはドラマでという可能性も捨てきれない。いま『沈黙の艦隊』をドラマシリーズでもいているが、オリジナルの枝葉を回収して、リッチな絵作りで、ドラマで広げてくれるのはありだと思うが、WOWWOW限定とかは、ちょっとみにくいので勿体無いなという気はするけれども。
少なくとも、オリジナルの傑作漫画のメディアミックスとして、とてもリッチで幸せな作品だなと思う。
個人的には、見どころは三点。
一つは、山田杏奈のアシㇼパさんのブルーアイズの青い瞳。のちの設定と絡んでくるけれども、やはりこれは、実写でリアルに見せられると実在感が違う。アシㇼパ役で、大丈夫かという前評判はあったが、僕は、どうしてどうして悪くなかったと思う。
二つ目は、舘ひろしの土方歳三。正直に、しびれるというか、カッコ良すぎて、ほんとかよと思うくらい存在感だった。
三つ目は、最初の導入部の203高地の戦いのシーン。まるで『プライベートライアン』を見ているような迫力で、邦画でこんなシーンが見れるんだと胸が熱かった。このシーンの迫力、ほぼ生きては帰れない戦場を生き抜いていく「重さ」が伝わらなければ、杉本佐一や鶴見中尉の行動原理、動機が重くならないので、このシーンは白眉だった。
今回は、豊洲のユナイテッド・シネマへ。3連休だったので、家族連れが多すぎて、ビビった。ちょっと休日は、いくところじゃないなと思ってしまった。
終わった後は、巨峰の紅茶とラザニアで。友人と、映画談義。