ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』 Amazon Prime2/6配信の6話を見ました。ちょっと驚きの面白さで、感心した。

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評価:★★★★星4.3(まだシーズンを見終わっていないので評価途中)
(僕的主観:★★★★星4.4)   

友人が、昨日深夜まで1−6話し全て見て、悪くなかったというので、体験が共有したくて、3連休ということもあり、がんばって見てみようと、、、、したけど、途中からやめられなくなって、1−6話し(現在公開の話数まで見た(この記事は、2/12の月曜日に書いています)。


映画版は見ていないのだが、驚くほどしっかり描かれていて、ちょっと感心した。というか、20年以上前の作品を、異リアルタイム感で面白い!!!と感じることに驚きを感じた。


というのは、「見える前の前提」として、『沈黙の艦隊』って映像化やアニメ化が難しいなと、当時マンガを見て盛り上がっていたとき思っていたんです。それは、この話の前半の「シーバット叛乱編」に」部分のおもしろさってのが、あまりにプリミティブな日本のナショナリズムに根差したもので、


1)あまりに底が浅いナショナリズム(仮想戦記もの世によくある、日本がアメリカに勝ったら!?みたいなレベルの幼稚な面白さ)


2)アドホックな当時の題材(日本の核武装付き原子力潜水艦配備)に寄りかかったため、時期がずれると新鮮さが失われる


この2つが、あって絶対に面白くならないやつって、諦めが入っていました。1988年 - 1996年に連載されていたんで、そもそも世界や社会の認識が古いし、かわぐちかいじさんって、「スタートの入り口」は、すごくキャッチーかつプリミティヴな導入で入りすぎるので、えいぞかしようとすると、「そのエピソード」を乗り越えなきゃいけないんだけど、アニメを作ろうがドラマを作ろうが、映画であっても、最初の導入部で、一つのまとまりを持ってしまう。


沈黙の艦隊』の凄みや、本当の面白さってのは、「日本の核武装原潜やとかの単純な対米独立ナショナリズム」みたいな、まぁ切実だけど、ある意味陳腐かつ「狭い視点」のものから、超国家軍隊を創設して、地球を一つにしていこうというSF的なファンタジーになだれ込むところに面白さがあるともうし、長く愛される傑作の物語だと思うのですが、、、、「そこ」にいくまでの尺が長すぎて、ぜんぜん本質に辿り着かないで、単純な古臭い日本右翼ナショナリズムで回収されてしまはずなので、、、メディアミックスの意味ないなってずっと思っていました。

沈黙の艦隊(32) (モーニングコミックス)


いやはやでも、『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』。素晴らしい出来で、目が覚めるようでした。


一つは、やはり白組などの海鮮を描けるVFXのレベルが格段に上がって、かつAmazonやネトフリのドラマは、かかっているお金が違って、とても幸せなメディアミックスができていると思う。いいかえれば、日本の最も価値と競争力のあるオリジナルコンテンツを、特にマンガを映画化したりドラマ化するノウハウが蓄積されてきて、かつ、そこに大量の資本を投下すると、凄いレベルのものが上がってくる幸せな構造に、業界も消費者も、、、言い換えればマーケットが気づいてきたんだと思う。


それと、もうすこミクロにフレームアップして語ると、大沢たかおの演技が素晴らしい。こんな凄い役者になったんだと感動。


たぶん、『キングダム』の王騎役が、なんというか、あの漫画的な意味不明な「存在感」を演技やイメージに持ち上げるノウハウを獲得したんじゃないかなと思う。


上記でも語ったんですが、


日本の古く単純な右翼ナショナリズム



それを超える地球を一つにしようとする超国家軍隊の創設を意識する



というもの物語の前半部と後半部の「ブリッジ」となる部分を、大沢たかおの存在感の演技「だけ」で、「海江田四郎」というキャラクターの重さを描いて、この物語の価値深みを爆上げしているところに、この作品の見どころがあると思う。


いやはや残りも楽しみ。