論点が整理された良記事。川口クルド問題のようなことは今後も各地で起きていく可能性大きいし、きちんと線引きした議論しておくの本当大事。左端右端の大声に引きずられずに。/(右翼さん以外のための)『川口市のクルド人問題』まとめ|倉本圭造 https://t.co/f8k5xVZju9
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2024年3月4日
(右翼さん以外のための)『川口市のクルド人問題』まとめ 倉本圭造
倉本さんの記事が相変わらずいい。
ペトロニウスは、アメリカに長期間住んでいたので、移民問題には、いろいろ思うところがあります。何よりも社会問題として抽象的ではなくて、「自分ごと」ととして感じるんですよね。こればっかりは、自分の国のマジョリティ(日本人であり男性の中産階級)であることと、マイノリティ(アメリカという異国の地で滞在資格を気にしながらアジア系のマイノリティとして生きる)であることを、両方経験しているので、その「差異」に敏感なんだと思います。
とはいえ、社畜リーマンであり、3人子持ちのアラフィフのペトロニウスには、時間がないので、あまり政治的なことには、関わりを持ちようがないし、事件を追っている余裕もありません。なんでこの問題を気にしてたかというと、映画のマイ師匠(←勝手に思い込んでる)のノラネコさんより、『マイスモールランド』をお勧めされてみたところ、めちゃくちゃ良くて、人に勧めまくっていたんですね。そうすると、結構な比率で、
「あークルド人問題ね、、、、それ背景わかっていないでしょう?。クルド人可哀想とかいうリベラルに騙されてはいけないですよ。」
という忠告を広範囲で観測したんですよね。はっきりいって、移民問題に関しては、だいぶ心情的に(自分も外国で住んだことあると、どうしてもそうなる)リベラル寄りの発想というのもあるんでしょうが、なんか歯の奥になんか挟まったいいようで、「リベラルに騙されてますよ」的に忠告されるのが、鼻についてムカついたんですよね。
その態度ってネトウヨ(=たいして事実関係も知らないくせに思い込む)じゃないの?という風に反発を感じてしまって。だから、知りたかったのですが、軽く調べるだけでも、基本的にイデオロギーに偏った視点での罵り合いしか(メディアでさえ)ほとんどないので、具体的な対応方法が全く思い浮かばなくて、、、それで黙るしかなくて、うーんとなっていたんですよね。自分の肌感覚や、あたりまえの自由主義に基づく近代国家としてのコモンセンスからこれらの報道や言説が、ぜんぜん腑に落ちなくて。
多分題材的に、「俺は真実を知っている」といいやすいやつなんだと思います。日本の大手メディアって機能していないので、事実関係からグローバルスタンダードな世論を組み上げるインフラを提供する機能が弱いので、こういう陰謀論的なものをいいやすい。特に、この
欧米の国でも普通にやっているような出入国管理上の当然の国家の権利を行使しているだけ
という部分は、
国家権力による秩序の維持
と、
人権をどのように守っていくか?
という右と左が対立するセンシティブな領域なので、この辺りの時系列的な大きな流れとファクトベースをちゃんと網羅しないと、話にならないんですよね。僕はこの記事を読んで、非常にフェアに情報が提供されていて、素晴らしく勉強になりました。こういう機能こそ、大手報道メディアが提供するべきで、NHK以外まともにできていないのが、よくわかります。ただ、もう少し踏み込んでくれないと、NHKだと、リテラシー高くないと、本当に伝わりにくいんですよね。まぁだからこその、NHKなので、それを要求するのは酷なんでしょうけど。でも、倉本さんという個人でも、ちゃんと調べれば、これらのデータは、いくらでも公開されているのが、自由な近代国家なんで、可能なんですよね。
記事の内容は読んでもらいたいですが、あっちゃんの入管法の話をすごく連想しました。ペトロニウスの感覚ではこの問題のイシューは、
入管法の問題なんですよね。
ようは、グローバルスタンダード、、、この言い方は手垢に塗れていますが、ペトロニウスが言うときは、西ヨーロッパ先進国と北米アメリカとカナダの基準と言い切っていいと思います。それ以外の国を参考しても、少なくともリベラルな市民社会と国家の維持を両立できているのは、ここしかないしょう、ここ数百年。その基準からして、厳格さと人権に関する対応が、両方とも甘すぎるんですよね。だから、右翼と左翼とのぶつかり合いの場になってしまう。
僕も倉本さんと結論は同じです。日本は、もっと移民に対して厳格になっていいと思う。同時に、人権に関しての管理があまりに甘すぎる。この「両方」を法律的に整備していくことは、自由で公正に開かれた近代国家の最前線の水準からして、当たり前のことであり、あまりに仕組みがザルだと思うのです。
これ左右両方の言っていることが、「それなりに」どちらも正しいことを示しているんですよね。
だったら、ちゃんと具体的に、そこを狙って、社会を漸進的に良くしていくように考えて行動しようぜ、って思いました。特に、この場合はリベラルがダメなのは、間違いないですね。リベラルサイドが、極端な陰謀論的な極右を生み出したくて動いているとしか思えない、「結果をまるで考えない」行動をしているのがよくわかります。
いやー勉強になりました。