2020-1027【物語三昧 :Vol.76】2020年アメリカ大統領選レポート(6)Amy Coney Barrett最高裁判事の誕生-84
やはりブルーウェーブが来た時に、この分極状態のアメリカのバランスをとるには、、、、と考えると、この最高裁判事の任期の話は、なるほどと唸ってしまった。
この任期のズレは重要です。歴史を振り返ると、民主党の大統領が任命したリベラルな判事が、共和党政権の時に現職で残って大統領の力を抑制し、共和党の大統領が任命した保守的な判事が次の進歩的な大統領の政策を吟味する立場に置かれる。逆に共和党の大統領が任命した保守的な判事がその後就任する進歩的な大統領の政策や行為を批判的に吟味する、といったことが比較的頻繁に起きています。
それによって権力の抑制と均衡がもたらされ、国民の自由が確保される――マディソンはこれを「野望には野望をもって対抗せしめる」と言っていますが、アメリカの持ち味なんだと思います――なかなかしんどいやり方ではありますが(笑)。
こういうの読むと、革命戦争の状況で「王」にならなかったワシントンって、本当に凄かったんだ、としみじみ。
— ペトロニウス (@Gaius_Petronius) October 28, 2020
>大統領は「キング」であり、選挙は「内戦」であるhttps://t.co/gmCBEPo91M
つまり、アメリカは多元的なのですが、連邦政府の権威に対しての合意形成は長い目で見ると着々と進んでいて、それが革新主義とニューディール・リベラリズムを経てしっかり固まりました。ですから、分裂、分裂とよく言われますが、それは国家として違う国に分かれましょうという衝動ではなく、あくまでも大統領=キングの選出を目指して争う「対抗戦的な分裂」なのです。
逆説的なのですが、アメリカはあまりにも多元性が強力であるため、政治はつねに統一を主張するようになるのです。端的にアメリカはすべての選挙が小選挙区制です。複数政党制は、過剰に多元的なアメリカには忌まわしいほどに不吉なのです。それゆえ彼らに小選挙区制以外の選択肢はなく、それが分極という構造を形成してしまいます。
アメリカは、建国以来(南北戦争を頂点にして)ずっと、連邦政府の主導権をめぐる「内戦状態」にあるわけです。そして、大統領選挙というのは「内戦を流血なしに行うシステムであり、4年に1回必ず行われる内戦」なのです。大統領選挙とは4年ないし8年のさまざまな不満に暫定的にケリをつける行事であり、アメリカのデモクラシーを本質的に弱らせるものではなく、むしろ、アメリカのデモクラシーと密接に関わっているものだと思います。
米大統領選、なぜ「高齢者候補」が好まれるのか
大統領は「キング」であり、選挙は「内戦」である
石川 敬史 : 帝京大学文学部教授 / 佐々木 一寿 : 経済評論家、作家
https://toyokeizai.net/articles/-/381261
西川秀和さんの『アメリカ人の物語3 革命の剣 ジョージ・ワシントン』 読了。メモとりながら、地図調べながら、出てきてわからないものは全部調べながら(例えば歌とか出てきたら検索して聞くとか)めちゃめちゃゆううっくり本気で読んでいるので、時間かかったが、ついにアメリカがイギリスから独立。
— ペトロニウス (@Gaius_Petronius) October 28, 2020
西川秀和さんの『アメリカ人の物語3 革命の剣 ジョージ・ワシントン』と一緒に、阿川尚之さんが言及してたマジソンの『フェデラリスト』を読み返して、やっぱり「こういう時」にこそ、目の前のことではなく、歴史と原点に戻るのは、勉強というか、理解することの王道だな、と様々なことが目から鱗。
— ペトロニウス (@Gaius_Petronius) October 28, 2020
余裕あるように見えるけど、めちゃ避難しそうで、山火事怖すぎた。ペトロニウスは、オレンジカウンティ在住。
Silverado fire threatens Orange county
ちなみに、世論調査のこと。
めちゃ、わかりやすい。世論調査の話は、みんな言う話なので。 https://t.co/hTiGtZjSTg
— ペトロニウス (@Gaius_Petronius) October 28, 2020