『水の森』 2巻 小林有吾著 

水の森(2) (KCデラックス)


2巻読んでて、号泣しました(笑)。「報酬と福音」。あーこういうショートストーリーつぼです。


1巻は、なんだか、よくある話だし、どうにもヒロインの相手方になりそうな陣内君が好きになれないタイプで(いいやつすぎて好きじゃない(苦笑))、ちょっとなーと思っていたけれども、2巻は凄く凄くよかった。何が違うんだろう?。わからないけお、2巻の印象は別格に面白い。


神から超常の力を与えられたジャンヌ・ダルク(本作品のヒロイン)は、その力で祖国フランスを救うが、その後彼女がみたのは、人間の醜い裏切りと嫉妬と強欲ばかり、そして彼女が救った後も世界の悲劇も戦争もなくならない。そんな世界のありように絶望して、死のうとするとき、神様は、このままじゃ彼女があまりにかわいそうなので、別の世界でもう一度人生をやり直すチャンスを与えてくれる・・・・現代の日本で、というお話。世界と人類の「醜さ」に絶望するというのは、80−00年代的な文脈で言えば、「自意識の告発と解体」の系統で、その類型の一つ。まぁよくあるパターンだよね、と構造的には思う。2巻から凄くよくなったのは、、、、なぜだろう?。わかんないけど。でも抜群にショートストーリーのレベルは上がっている気がする。続きが気になります。