飛行機の中で見たのだが、まずはっきり言って、それなりのアメリカの知識がないと、何が語られているかはほとんどわからないだろう。それに、非常に通好みというか、アメリカ人に向けて作っているものなので、さらに輪をかけてわからないだろうと思う。いわゆる、リンカーンで華々しい場面はすべて選択されておらず、暗殺前の3か月を追った政治劇ドラマなので、背景知識がなければ、何をグダグダ細かいことを悩んで交渉しているかが、全然わからないだろうと思う。
僕自身もこの作品を解説できるだけの知識もないし、とはいえ素晴らしかったので、小説でも読んでコツコツ勉強しようかなって思ったんですが、、、冷泉彰彦さんが、この作品の見るべきポイントを憲法修正の文脈で解説していた。これは、ちょうど自民党の安倍総理大臣が、次回の参議院選挙の争点として憲法修正を示唆していることと重ねあわせてのことだろう。twitterでもこのあたりの話が、いろいろ話題になっていた。
というわけで、とってもリアルタイムの面白さがあると思うので、ぜひこういう視点でアメリカの憲法改正が・・・というか、アメリカは憲法改正はできないんだよね。アメリカはアメンドメントといって修正ほにゃららと追加するだけしかできない。また各州の批准がなされなければ改正ができないので、10年近くかかって、ついには成立しないなんてことはざら。そういう観点で、ぜひ見に行くと、とても興味深いと思います。
エイブラハム・リンカーンという奴隷解放宣言を、奴隷解放を成し遂げた英雄!として語られる彼が、それをどうやって成し遂げたかを見ると、非常に興味深いのです。政治は捻じれ、南北戦争は終結しなければならないし、ここでは語られていないが先住民との激しい争いがあり、とにかくにっちもさっちもいかない状態で、それでも、リンカーンが何を目指しているのか・・・そのためにどんな手法を使ったのか?ってのがとても興味深い。とにかく信じられないほどの妥協や裏工作、さまざまな手練手管・・・もう美しいとはとても言えないような工作を繰り広げ、彼は自分の理念を実現に向けて突き進んでいきます。アメリカという国を変える大きな変化を、民主主義という器で成し遂げるというのは、どれほど難しいことなのか?などなど、憲法修正がアメリカではどういう風になされるのか?為されたのか?という点で見ると興味深いです。どのみち時間もないので、とりあえず、ぱっと気になった記事を下にリンクしておきますので、ぜひともおすすめです。
リンカーン・・・・・評価額1800円 ノラネコの呑んで観るシネマ
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-625.html
スピルバーグ最新作『リンカーン』のストーリーはどうしてシンプルなのか? 冷泉彰彦
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/03/96.php
憲法96条改正の問題点を考える 冷泉彰彦
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/03/96.php
『AAで学ぶ南北戦争への道』
http://oyoguyaruo.blog72.fc2.com/blog-category-420.html