親友と「印象派展モネからアメリカへ」に行ってきました。日本に帰ってきたら、なるたけ美術展や展覧会みたいなものは、コツコツ定期的に行こうと決めたのですが。かなりしっかり通えています。とても嬉しい。つきあってくれる友人がいることも嬉しい。
本当はナイトミュージアムに行ってみたかったんですが、チケットが気づいた時には売り切れていました。印象派は、オルセー美術館には行ったことがあるけど(もうほとんど覚えていない)、オランジュリー美術館もいつかは行ってみたいと思っている。
アメリカのボストン近郊のウスター美術館の印象派コレクションを中心に紹介。フランスで生まれた印象派の技法が、日本や特にアメリカに展開していく様がよくわかった。光を描こうとする印象派の技法は発想が、それぞれの土地にローカライズされていく過程を見るのは、とても興味深かった。中には、印象をは日本に紹介し持ち込んだ黒田清輝の作品もあり、ああなるほど、こうやって世界にオリジナルな技法は広がって影響を与えていくんだと感心した。
最初の展示は、フランスのモネ、ルノワール、カサっト、クールベ、コロー、シスレー、ピサロからはじまります。彼らがなぜフランスの郊外の田園風景などを描いたか?。。ちょうど、いまコテンラジオでフランス革命の回を聞き直していたのがシンクロだったんです。
この時代は、ほんとうにメチャクチャな時代で、とりわけ大都市部は、産業革命の進展とも相まって、常に大混乱。そうした大都市部の混乱に嫌気がさして、郊外や田園風景に退避していく中で、ただ単に風景というか「そこにあるもの」ぐらいに思われていた田園風景の中に「美」を発見していくことになるんですよね。その時、時間お経過とともに、あたる光が異なっていくことで、それを捉えようとして、印象派の技法は生まれていくんですよね。
アメリカ印象派の代表のチャイルド・ハッサムらニューイングランドの風景、西部の風景などを、描いていく展開は、とても興味深い。何が面白かというと、ヨーロッパで郊外の田園風景の美しさを再発見していく流れと、ヨーロッパに留学した経験のない地元の絵描きが、アメリカのニューイングランドの田舎の自然をずっと描くようになってローカライズされていくところ。また、南北戦争の暗さを反映して、色調が暗いものが増えるなど、光だけではなく内面の陰鬱さや感覚なども織り込んでいく流れが垣間見えるところ。ああ、意外に、能天気そうに見えるアメリカ人って、こういう陰キャな暗いのが好きなんだなって、言い換えればアメリカ人って、伊賀に内面は暗いんだと感じるの面白かった。その後、アメリカの大自然を観光しようという観光ブームが生まれて、鉄道発達と相まって、宣伝の宣材としてこれらの画家たちによる絵画が描かれていくところも興味深かった。
ちなみに、いつも上野駅前のベンチで待ち合わせ。
昼ご飯は歩いてすぐなので、上野精養軒のランチで、伝統のビーフシチューを。