ロシアのウクライナ侵攻における、ロシアの内在的論理って何なんだろう?(2)

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ここにBBCのシナリオが出ている。この戦争はどこで終わりが来るのだろうか?。個人的には、ヨーロッパに旅行に行こうと思っていたので、これでいっていいかなかなか予測しづらくなってしまって、困り果ててる。個人的には、長期化しそうな気配を感じる。物理的には、ウクライナ軍がロシア軍に勝てるはずもないので、ほぼロシア軍が勝つとは思う。しかしその「勝ち方」や「プロセスの長期化」で、統治は非常に難しくなるだろうから、「どこにプーチン政権としては落としどころを求めるか」が難しくなっている気がする。


さてさて、現在、3/7(PST)なんだけど-----つまり2/24の開戦から12日ぐらいかな?たったんですよね。個人的には、ウクライナのゼレンスキー大統領に対する英雄視というか、「悪の帝国ロシアに侵略された、無実のウクライナの人々を応援せよ!」という熱狂が、自分の中で少し収まってきたので(苦笑)、まったく逆の立場や、この立場に組みしない視線を探してみようという気分になってきた。何を考えるにも一方的な視点で物語をとらえるべきではなく、相手側の内在的論理を知らないと話にならないからです。

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ちなみに、自分のスタンスは明確です。国連加盟国は武力による威嚇や武力行使はしてはいけないという国連憲章第2条4項が、WW2以降の国際紛争のコモンセンスであったわけで、それを破ったロシアの責任は明確です。また、日本はアメリカの側に立つ国家なので、利害関係からも、ロシアに立つことはあり得ません。


と、その立場を明確にしたうえで、でも相手の内在的論理を知ろう!というのは、「そういう時にこそ」重要だと思うんです。


だから、なるべくロシアからの視点を探したい。ロシアの正義はどこにあって、こういう行動を起こしたのかが知りたい。僕は、プーチン大統領を狂人だとは、まったく思わないので、彼の決断に至った内在的論理を知りたい。


なので、いろいろ信用できそうと自分が感じる意見で、下記の河東哲夫、伊勢崎賢治両氏のインタヴューは素晴らしかった。視点が多角的かつ専門的。さすがのビデオニュースドットコムだなと感心。


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もう一つは、佐藤優さんの記事ですね。佐藤優さんと鈴木宗男さんは、僕はかなり日米同盟堅持の方針から逆側の多国間同盟を重視している人たちだと僕は思っているので、こういう時の補助線は、とてもいい。こ日本の国策の逆側に向かう視点なんで。かなり極論に振ってくれるので。また鈴木宗男さんは、もうあきらかに、北海道の利益を誘導するし、極端な意見の持ち主なので、この人のスタンスはいつも、意見の多様化とバランスをとるバランサー-----極論を見るのにとてもいいと思っています。また、日本のような巨大な国には、あきらかに世界の「空気」が支持することの真っ向反対とのパイプを維持する人は重要なので、思いっきりロシアの立場に立つ人がいるのは、良いことだと思います。


■河東哲夫さん

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伊勢崎賢治さん

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ここで、日本人がしっかり認識すべきは、NATOはトリップワイヤー化を推し進めるにあたって、旧ソ連邦の国々に、「互恵性」を基調とするNATO地位協定と同じものを与えていることである。

日米地位協定の日本にはない、完全に法的に平等な地位協定によって、それら旧ソ連邦国の主権は、アメリNATO軍の「自由なき駐留」を支配しているのだ。

アメリカの同盟国を気取る日本人が夢想さえできない“高待遇”を旧敵国に与え、東方進出してきたのがアメリカ・NATOなのである。

中略

Japanification: A symptom of “buffer state syndrome” that is highly securitized to the extent of equalizing sovereignty abandonment and patriotism.

【日本化】大国が操る脅威の安全保障化に翻弄される緩衝国家に特有の症候群の一つであるが、国際法上はあり得ない、その大国への主権の放棄が、自国への愛国心に昇華する末期症状。

アメリカへの「依存」が、国内政局において、愛国心の発露となるケースは日本だけではない。しかし、「主権の放棄」がそうなるケースは日本しかない。日本は緩衝国家ではなくて、自分の意思のない緩衝“材”国家なのだ。

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ちなみに、この二人のインタヴューを聞いていて、「日本人としてこの戦争を見るときにどう見るべきか?」という国益の視点が強く伝わってきて、感心した。こういう国外の大戦争があったときに、どういう視点でものを見ればいいのかってのが、よくよく伝わってきた。いま、ウクライナ支援での熱狂している人は、なんというかナイーブな空気に感染されているなぁって、凄く思う。これが日本の国益にとって何を意味しているか?という冷徹な比較の視点が全然ない。極言すれば、日本の国益にかなえば、「ロシア側を支持する」というオプションだってあるかもしれないのだ。現在が、アメリカとの同盟に立っているから、国益的にウクライナを支援する方向が、まだましなだけであるだけだ。


一つは、河東哲夫さんが云っていることを僕的に拡大解釈、曲解すると、アメリカおよびNATO軍の旧ソ連の解体に伴う旧ソ連勢力圏とロシアへの圧力は、もう事実上目に見えない侵略といっても過言ではない部分で、ロシアのプーチンが暴発した理由には、この「つもり積もった静かな侵略」が、大ロシア帝国の復活を物語に生きているプーチン政権に対しての強烈な脅しになっていたということ。日本の真珠湾攻撃を例にとっているのが、とても分かりやすいメタファー。ABCD包囲網で、大日本帝国を締め上げ、「そうせざるを得ない方向」に持っていく国際世論作りのプロパガンダや隠れた静かな侵略は、欧州、米国の得意技なのだ。


忘れてはならないのは、この「静かな侵略」や「人権や平和といった国際世論のプロパガンダ熱狂で相手を絞め殺す」技術は、いつなんどき、日本に向けられるかわからないってことを、よくよく理解して置かなきゃならないと思うんですよね。日本は、一回やられているわけだし。なので、ウクライナ側に立つ正義に酔いしれてはいけない。「追い詰められた相手」に対してコミュニケーションの仲介をとるしたたかさがなければ、「次のターゲットが日本で会っても何にもおかしくない」というのを忘れてはならないと思うんですよ。正義に酔いしれる人は、熱狂の空気に飲まれやすい。


常に逆のことを考える、性格の悪さとしたたかさが、外交での平和には必要。


二つ目は、伊勢崎さんの視点は、記事のJapanification(日本化)にまとまっている。ようは、ウクライナの悲劇は、緩衝国家(Buffer state)としての悲劇なんですが、日本人は勘違いしていないか?ってこと。日本だって、大国ロシアと中国、そしてアメリカの間の緩衝国家なんだってことを。


同じ目にあう可能性は高い!となっている。


そうなった時には、どのような準備がされているか?という視点。日本とウクライナの違いは?------こう問えば、日本はアメリカとの強固な軍事同盟を結んでいるので、極論アメリカが守ってくれる、というのが大きな違いになる。しかしながら、日米安保条約の片務性や、日米基地協定などの、世界での相互比較をすると、日本の条件はほぼ奴隷国家のようなザルになっている。これをある程度対等な形に直していない、出来ないのにもかかわらず、本当に、大丈夫?と問うわけです。


ウクライナは速く降伏すべきか?

このへんの「早期降伏論」の意見は、日本国内の内在論理のぶつかり合いなんだろうと思います。ダイスケさんのコメントが的を射ている。早期降伏論から僕が感じるのは、イデオロギー臭なんですよね。宗教的信仰といってもいい。ようは憲法9条問題もそうですが、とにかく「人命がすべてに勝る」という発想は、WW2の日本での戦争被害、300万人以上の死者がもたらしたアレルギーだと思うんですよね。彼らの存在意義は、究極は、国家の暴走は許さないこと。すべての国家的な価値や大義よりも、人の命が優先順位が高いという発想なんですよね。これはこれでわかるロジックなんですが、だから、武器をすべて放棄すればいいという処方箋にたどり着く。このへんの宗教信仰的な「価値観」に抵触するので、ひたすら他国に対しても物言う形になるんでしょうね。この内容を評価する以前に、「現実を直視して事実を分析する」姿勢がない言論は、そもそも聞く価値がないとぼ僕は思います。宗教論争なんで。だから、この手の人々は、「歴史的経緯」や「具体的な背景」を無視して、極論をぶつけてくる気がします。こういう「歴史的経緯に対する不干渉」が、この手の人々の特徴で、絶対にまともに物事が解決しない人々の特徴だとも思います。現実を見ない信仰だからです。


佐藤優さん

すべての国連加盟国は武力行使に訴えてはいけないという国連憲章のルールを無視し、ウクライナに全面侵攻したロシアの行為は到底是認できるものではありません。ウクライナを国際社会が応援する気持ちは心情的によくわかりますし、ウクライナ軍も必死の抵抗を続けています。

しかし、残念ながらこの戦争はロシアが勝つことになるでしょう。

省略

相手が脅威であるときこそ、その内在的論理を知る必要がある


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鈴木宗男さんのポジションwのどう考えるか?

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プーチン大統領の内在論理を追う

中田さん、いいなー。

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