なぜ今この設定なのか分脈が全然わからんけど、伏見つかささんなら絶対面白いだろ!って思ってます。続刊が楽しみ。

私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない (電撃文庫)


伏見つかさかんざきひろさんコンビの新刊『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』を読みました(2024年1月)。『エロマンガ先生』の伏見つかささんの新刊。ライトノベルの中の大家中の大家、と僕は思っている。とにかく、新刊出たら何の躊躇もなく買うし読む。自分の中でこの人の「良さ」をどう言葉で表現していいのかわからないんだけど、もう読んでて「快楽中枢刺激しまくり」みたいな感じで、ずっと悶えている(笑)。読むと幸せな気分位なれる、本当に良い小説家。僕は、こんな批評を書くくらいだから、SFや文脈読みができる「構造」をどうやって読みとことかいつも虎視眈々と考えているわけなんですが、この人に限っては、そういう気持ちが微塵も起きないで、ただひたすらに、じっくり文字を文章追うだけで、幸せな気分になる。ライトノベル?って定義がいまいちいつもわからないが、確かに文章は平易だし、もっと言えばスカスカかもしれないが、明らかに超絶なな技術?なのか、よくわからんが、この人にしか書けない円熟の安定さを感じて、いつも、なんなんだろう、まっじ、小説うますぎ、、、とうなる。・・・うまく言えない、要は好きなのだ(笑)。


今回の作品は、一言で言えば二卵性の双子の男女の性別が入れ替わりもの、プラス、そのめちゃツンケンしている妹が兄貴に惚れちゃうという兄妹もの。でも妹も男になっているので、それは弟?(笑)。


読み終わった後も、「なんでこれ?」、、、なんでこの設定????って、全然わからん。おもしろいけど。でも『エロマンガ先生』の最初の巻も同じ印象を受けたんですよね。だから僕は、自分の分析や印象を、、伏見さんに限っては、信じない!と、ラオウのように拳を天に振り上げます。なんというのか、この人の小説を読むときに、なんて、なんて素晴らしい物語を書くんだろう、、、と、頭では爆、心にブッ刺さるんですよね。


とはいえ、1巻のこの時点では、、、、面白いのは面白いんだけど、よくわかりません。このキャラクターたちが「どこ」に行きとこうとしているのかが。あまりに設定モリモリなので笑(笑)。ただ、なんというかなー伏見つかささんいは、期待しちゃうよね。1巻で、意味不明だろ思った『エロマンガ先生』のあの脳天ブッ刺さる面白さが、読んでいるうちにわかったきたときに、僕は、、、負けた、、、と思いましたよ。この人の物語構築力は凄すぎるって。


読んだことない人は、物語三昧の読者でいないと思うけど、ライトノベル、ラブコメときたら、まず伏見つかささんとかんざきひろさんコンビの大ブラントは行っておかないといけません。「この面白さ」を感じられないとしたら、それは感性が磨滅していると思います。『俺妹』とか『エロマンガ先生』とか、絶対に読みましょう。読んで損はない素晴らしい物語です。ちなみに、たぶん、俺妹の黒猫は、ペトロニウスの物語の人生の中で、多分ナンバーワンだと思います。可愛すぎます。ネギま!の夕映に並んで僕ぼ物語人生の二大ヒロインですねー(笑)。


【合本版】俺の妹がこんなに可愛いわけがない 全12冊収録 (電撃文庫)


全然、、、かなり脈絡はないんですが、なるべく記事を上げるときには、紹介している物語の、ペトロニウスが連想する他の物語も紹介しようという隠れコンセプトが僕の中にはあります。物語を越境して欲しいというのがこのブログのコンセプトだからです。いやはや関連ないんですが、『新しきみへ』が、多分2023年12月か2024年の1月に単行本完結していますよね。伏見さんの新作を読んでいて、どうしてもこの話が頭をぐるぐる回ってしまったので、全く関連づけないのですが(笑)、ペトロニウスの内的思考を日記として残しておこうと思います。

これ、帯に新海誠さんが、コメントを書いていて、おっと思ったんですよね。それで読んでみたら、これが素晴らしい作品で、見事に完結していて、なるほど思ったんですよね。


これ人生をやり直す物語


なので、なるほど『君の名は』で「男女の入れ替わりもの」と「人生をやり直すもの」のテーマを入れた新海さんが、このテーマを真摯に追っているんだなということがよくわかったんです。新海誠さんって、あまり俺が俺がという自我を感じないんですが、「こんなにも人気というか、聞いても仕方がないような一般の反応を真摯に受け止めているんだ」と感心するんですよね。

何かのインタビューで、『君の名は』が、人生を安易にやり直せるのは、災害にあった人への冒涜ではないかみたいない意見を聞いて、深刻に悩んでしまったそうなんですよね。

口だけではないのがよくわかります。だって、その結実が『すずめの戸締り』なわけですから。ここでは、コメントされていないけれども、じゃあ「男女の入れ替わりもの」というテーマ文脈に対して、クリエイターの人たちは、、、どうかんがえているんだろう?・・・と感じたんですよね。「人生をやり直す類型の物語」には、さまざまな倫理コードの問題があって、最高の物語にするには、「人生はやり直せない・・・受け入れていくしかない」というこの世界の黄金律をちゃんとストーリーに入れ込まないと、多分ダメなんですよね。「やり直せる」という美味しいところ「だけ」をとっては、物語が「終わらない」のだと僕は思います。「終わらせられる物語」と、書きっぱなしの「えたる」ものの違いはそこにある気がします。この話は、僕はなろうの作品とかで色々書いているので、今回は捨象します。。。ちなみに、1話は下で読めるみたいので、おすすめです。

tonarinoyj.jp


そして、じゃあ「男女の入れ替わりもの」の文脈の構造って何なんだろう?って思ったんですよね。


僕は、このテーマすごい好きでいよいろ読んでいるのに、自分でうまくまとまっていない。ちょっと考えようってきっかけになったんですよね。だって、伏見つかささんですよ!!!あの王御所(大御所の間違い)がこのテーマ選んでくるとは!!!。


そんなことを考えた今日この頃です。


ちなみにどうでもいいですが、『新しきみへ』を読むんだったら前でも後でも、テリーギリアム監督の『12モンキー』もおすすめです。ペトロニウスの大好きな映画です。

12モンキーズ(字幕版)