『ガールズバンドクライ』 シリーズ構成 花田十輝(ガールズ)バンドもの、アイドルの成長もの、学園の軽音部で部活ものどれと判断すべきか?

評価:★★★★星4つ
(僕的主観:★★★★星4つ)


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基本的に、星4つのとても良質なアニメだった。終わった後の感覚もいいし、一気に見るだけの価値がある。とても良い作品だった。しかしながら、じゃあほんとによかったのか?と言われると、ちょっと微妙な評価だと思う。この作品を最初に見た時は、LDさんから『けいおん』との比較でいろいろ言及している人がいるので、見ておくべき作品なんじゃないのか?と言われたから見てみた。

しかしながら、この作品は分類的には、そっちじゃないと思う。

『キラ☆キラ』(OVERDRIVE、2007年)とか『MUSICUS!』(OVERDRIVE、2019年)の瀬戸口蓮也さんを、めちゃくちゃ思い出しました。それと比較すると、何か違う?と感じてしまって。僕バンドものの最高峰は、この2作品だと思っているので。


バンドものを考えたときに、いろんなカテゴリーを考えることができると思うけれども、1、(ガールズ)バンドもの、2、アイドルの成長もの、3、学園の軽音部で部活で、みたいな3種類位で分けられるのじゃないかと思う。


この場合、明らかにバンドものとしての傾向がとても強い気がします。これまでの日常系だった『けいおん』などの作品は、日本の学園空間の中で部活をすることを通して音楽の体験をしていく形になっていたが、これは明らかに最初からバンドのプロを目指しているので、全く系統が違う物語だと思う。そういう3とは、違いmすよね。

そしてそのバンドものとして成功しているかと言えば、とてもまとまっていてしっかりしていると思う。だけど、これならば瀬戸口蓮也さんの『キラ☆キラ』や『MUSICUS!』の方が、バンドものとしての射程距離がはるかに深い。こちらは遥かに深みに到達しているので、僕としてはそちらを思い出してしまう。もちろんアニメ12話としては、十分なところまで到達している作品だとは思う。けれども、これは賛否両論があったのじゃないのかと思う。なぜならば『ぼっち・ざ・ろっく!』や『けいおん』や、学園ものの射程距離の中から考えた場合には、これは全く違う類型の物語なので、これが見たかったわけじゃないと怒ってしまう視聴者はいたんじゃないのかなと思う。その反面、バンドものとして見れば、これは素晴らしくよくできてはいるけど、でも言ってみれば、ある意味、典型的な作品なので、あぁ、それねと言うふうに思ってしまうとも思う。どれくらい売れたのか、それが気になります。物語の構造は、骨太で王道、言い換えれば陳腐なので、あとは、キャラクターをどこまで魅力的に見せられるかが焦点だと思う。


上記の、これが学園ものの部活ものの射程距離じゃなくて、そもそもバンドでプロを目指す物語と言う点で考えると、井芹仁菜の反抗的な振る舞いと言うのは、とてもロックンロールだと思う。これはキラキラとかMUJIで言っていたロックンロールの反骨精神の部分がよくできていると思うので、彼女の止まらない同調圧力に対しての攻撃は、かっこいい。ただ、学園ものとしては、あまりにやりすぎ(笑)だと思うので、見ていて、不愉快になるというか、馬鹿じゃないかと思ってしまう。視聴者が、どっちで取るかが、この作品の全てだと思う。


この井芹仁菜と言う女の子のことを好きになれなければ、この辺のウザさは耐えられないものがある。とはいえねーこれがバンドものだと言うふうに考えていれば、確かにそれは受け入れられると思うんだが、これを学園部活ものの延長線上で考えたらうんざりしてしまうだろうね。また、ガールズバンドものの類型展開だと考えると、どちらかと言うとこれはアイドルの出世物語ととても似ている構造をしているので、それならばカタルシスを得て欲しくて、彼女たちが売れて欲しかったわけだけども、そこまで描いていないと言うことを考えると、これも中途半端だったと思う。

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この辺の作品は、見ておきたいところ。