物事の見方を立体化するには、異質な思考パターンの人の思考の経過を追いかける

思考のシンクロニシティ コードギアスで多用される言葉をつなぐ演出
http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20080615/1213563549


何がそこまで違うのか
 コードギアスの演出の基本はシーンの反復や対比、似たシチュエーションの繰り返しや台詞の類似、繰り返し、状況の逆転といったものを多用する事にあって、それは第8話、第9話においても実際には配置されていたんですが。それがどうも有機的に生きていない、しーんとシーンがぶつ切りの印象がどうしても残ってしまったんですね。

 それでこの第10話なのですが。他人の台詞を引き継いで、他のキャラクターがそれを継ぐ台詞を語るという演出が非常に多用されてるんですよね。これが、特に戦闘シーンのようなスピード感を要求される場面で実に気持ちがいい。シンク―が指揮する中華軍とゼロが指揮する黒の騎士団との総力戦でそれが特に出ているんですが、互いに最善手を取る中で、お互いの思考の流れがシンクロして行くんですね。

繰り返しの差異によって浮き彫りになる情報 玉城とシンクーに見る繰り返し演出
http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20080616


この第10話で特に目についたのは、同じシチュエーションを1話の中で繰り返す、その反復の差異によって情報を入れ込むという演出です。トラックを運転中のCCの横で地図を読み間違える玉城のせいで運転を誤りそうになるCC。一拍おいてまったく性懲りもなく地図をまた読み間違える玉城を、今度は華麗にスルーするCC。この演出において、2度目もまた玉城が地図を読み間違えるというのはお約束の前提になっているので、情報量が0なんですね。すると、差異の部分が自然と強調される事になる。


□物事の見方を立体化するには、異質な思考パターンの人の思考の経過を追いかける


僕は、前にマブラブオルタナイティヴのチャットを漫研でやった時に、GiGiさんが、僕とまったく異質の思考ルートをたどるタイプのロジックを積み上げる人なんだなーと感心したことがあります。僕は、マクロの外部環境、、、ぶっちゃけていうと政治や経済の力学をまず最初に、それを大前提に読み込む癖があって、、、、というか、それ(=思い込み)を前提に見過ぎる癖があって、またその力学にヒットする大きな物語を好んで(=マクロとミクロが相互リンクする)、そしてそれに感情移入するという「読み」をすべての対象に対して行う癖があるようなのです。とはいえ、本筋は、抑えきるという自負はあるのです。自分でいうのもなんですが、まー間違っていたと認識したことはほとんど皆無なので、そういう「背景構造」の分析、明確化して、大筋の柱を特定することは、自信があります。ブログは、思考の断片メモにしているので言葉足らずや、あえてミクロを捨象したりして書くので、わかりにくいかもしれませんが、本筋は間違っていないと思うのです。とはいえ自分の得意な思考形態は、ナルシシズムの檻なので、自信を持ちつつも、それにとらわれないようにというとも考えています。まー自信はあるのだがね(苦笑)

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ところが、ここが難しいなーと思ったのは、マブラブのスミカの話なんですが・・・僕は、そもそもヘタレの自己成長というビルドゥングスロマンを見出してそれを展開したが故に、同じおおきな幹として背後にあるスミカの物語を見落としていたんですね。構造上、あるので言及してはいたんですが(記事には残っていた)そもそもあまり感情移入していないんですね。ところが、丁寧に・・・個別対象を分析するGiGiさんは、「そこ」に本質を見出して、そこに隠れたもう一つの双子の柱を見つけ出したじゃないですか?。あれ、僕には、物凄い認識リニューアル化を要求されることで、物凄く楽しかったんです。


ほんとうに漫研のメンバーは、対象を個別に分解してきちっとコツコツ積み上げるので、本当に見落としがない。LDさんは、それでも僕は同じく、幻想を見やすく(=思い込みが激しく(笑))て、しかも大きな論理の柱を作る人なので、僕には彼の意見やロジックは、もう会った最初から強い共感とシンパシーがあります。話を聞くと、いっていることが、すぐ水のようにすーっと理解できるのです。これは、論理の持っていき方とか世界の感受の仕方のパターンが、たぶん根本的なところで似ているのだと思います。・・・ああ、、クリティカルシンキング的に云うと、どちらかというと演繹的な思考形態を取るようです。


どうも、GiGiさんは、これまでのパターンからいうと僕には、非常に帰納の傾向が強い感じがします。

しかも確実に全体を網羅するので僕がものすごく「見落としやすい」所の、本筋の裏に隠れているもう一つの本筋を見つけ出す傾向が強い気がするのですね。だから、いつも同時並行で貴兄の意見を見ていると、勉強になります。



□百万のキセキ以降の演出について


そんでもって、僕は個別に対象を細かく見るよりも、大きな流れに注目してしまって思いこむので、たしかにR2 第10話「神虎輝く刻」は、すげー面白かったんですが、大枠の流れがまだ納得できていないので、どうしても点かが辛くなってしまっていたんですが、しかし確かに全然面白さが違うんですよね。やっぱり、この新しいステージ(=中華連邦の話)で話が安定化すると、うまいんだよなー。何が?というのがうまく言えなかったんですが、非常にわかりやすく具体的に説明されて、なるほどと思いました。

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