天元突破!雨宮ゆり子! 最終回 / 漫研・LDさんより /今何処(今の話の何処が面白いのかというと…) 〜歴史観を整備すること

天元突破!雨宮ゆり子! 最終回 / 漫研・LDさんより /今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)

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■序列型ヒロインと並列型ヒロイン

ここで序文において書き出したヒロイン構造「序列型」と「並列型」の話に立返ろうと思う。これまでの文章の中で僕が「螺旋戦士」(笑)などと名付け、紹介してきたヒロインたちは雨宮を含めて総て「序列型」に属するヒロインである。再三述べたように「序列のルール」が働き、その格付けによってある一定の展開の幅を制限されたヒロインたち、雨宮を例外として述べているが、概ねそういう存在と言っていいと思う。
このキャラクターの展開に優先順位をつける「序列」は長らく作劇の基本であったし、そこはマンガの世界において、今も大きくは変わっていないように思う。…しかし、何時の頃からか「並列型」という考えが入ってきた。「並列型」の説明も序文で述べた通りだが、この場で一言でいうならば“並列”に扱われて序列の制限を受けないヒロインと言える。
…何時の頃からか…などと言ったが、結局の所、これも昔からある構造と言える。TVドラマなんかでも複数ヒロインの体制をとるもの、ダブルヒロインの体制をとるものなどがあり、これはマンガやアニメの世界も同じで、普通に物語の構造を作る1パターンとして存在してきた。

しかし、やはり何時の頃からか…である。この「並列型」のヒロイン・パターンがある指向性を持って求められるように時代が移り変わってきた。



ついに終わりました。素晴らしい。いろいろ定義や概念など、書いては話して深めたいことが多々あるが、時間がないので、まずは、、、物事を考えたり学ぶ時に・・・特に、新しい仕事で、新しい市場とかを分析するときに僕が心がけていることを一つ。僕は、その時に歴史観」と「時系列の物語」をきちっと作るようにしています。えっとね、人間というのは、「今を生きる生き物のようで、何でもかんでも、自分(の経験)に引き付けて、目の前にある材料を横に点kないして理解する生き物で、どうも対象の歴史的経緯考えるする傾向が弱いようなのですね。これはブログや、会社のシゴトのやり方を見ていても、どうもその傾向がとても強い。普遍的なのか、それとも我々の世代や地域(といっても現代日本人だから幅が広いよね)の特有なことかは僕にはわかりません。けど、とにかく、あんまり「時系列の情報を過去にさかのぼってそれを起点にものを考える」という訓練はされていないんですね。市場分析も、マッキンゼーやボスコンなどのフレームワークツールがはやったせいで、今の力学に基づいた分析はできるんだけど、その本質であるFAW(そこに働いている力)といううものを見出す人が少ない・・・・なぜなのだろう。


FAW(Force at Work)とは、マッキンゼー創始者の一人のマービン・バウアーの考え出した概念で、「そこで働いている力」とでもいうもので、ある傾向を伴った事象があれば、そこには必ずその事象を発生させるだけの力が働いているという考え方です。まぁこれって、ある種の原理を見つけ出せということなんですが、、、、これがあまりできないんですよねー。ただこういうのは、軽々にできるものではなく、僕はその現象がどういう歴史経過をたどったかを、見ていくことや、もうすでに分かっていることをモデル化して圧縮して考える癖が必要だ、と思っているんです。


さて、そこで、情報のデータベース理論みたいなものにせよ、現代の物語はとても進化?を遂げて、とても複雑な構造をするに至っています。たとえば、ネギまラブひなのようなヒロインがたくさんいるような物語や、いまでいうと『シスター・プリンセス』(Sister Princess)とか『BabyPrincess』などの評価をも、こういったある程度、過去の流れを整備していかないと、本質的なところまで射程が届かない、、、と、これを話したのは新宿の地下の中華料理屋さんで、LDさんといずみのさんと熱く語っていたころだから・・・うーむもう数か月も前?のことか。


http://gs.dengeki.com/suteki/blog/


その起点のなる概念が、この雨宮の話で、これを整備してほしいというのは、僕らが忙しいLDさんに無理やりお願いしたことだ。さすが、という文章を書かれているが、それだけではなく、やはりこれだけ複雑な歴史を語ろうとするためには、いくつもの概念が提出されており、これをまず吟味するという面白さというかそういったものも出てきた。まずはなんといっても、ヒロイン構造「序列型」と「並列型」という概念だろう。


この概念自体も、実は圧縮した概念で、細かく分解して説明して、議論していかな変えれば、ここでLDさんが言いたかったことの本質には本当はたどり着かない。そしてそこまだだ語られるつくしているようには僕は思えない。ここには、マーケットメカニズム、編集の手法、物語の構築において、ある種の「序列」という「こうあるべき」という一つの力場が発生してしまい、それが非常の強くキャラクターや物語の方向性を誘導するという概念を提出しており、、、そもそもそれって本当か?(笑)とか、なぜそういうことが起きるのか?、その功罪は?などなど、本当はもっと話したいことが多々ある。


まぁそれは置くとして、そうして概念を整備してある種の歴史観とすれば、それはツールとなって、より大きな対象を分析するためのショートカットとなっていく。