映画館とは何を提供する場所なのか。そしてどうして、人は映画を観るのか。僕はこう考えます。人は物語を必要とする。なぜなら世界の混沌に耐えられないから。混沌の無意味さに耐えられないから。
夜空の星の輝きのランダムに、線を引いてカタチを与え、そこに物語を紡いでしまう生き物、それが人間です。映画はその線です。物語の語り手たる制作者に頼るだけでなく、映画業界の末端たる映画館に勤める人間であっても、この崇高なる「物語を語る」という仕事にわずかでも携わりたい。自分もまた大いなる「映画」の一部でありたいというのは、映画館で働くすべての人間の思いです。
そのための手段はいくつもあります。シネマシティはそれを「音響」でやると決めたのです。作品が持っている音の力を最大限に引き出すこと。そのことで、感動を何倍にも増幅《アンプリファイ》すること。
映画館の常識を破壊した男からの手紙
2016年04月22日
読んでて、胸が熱くなった。同時に、大爆笑もしたけど。
これ、本当に元がとれるかどうかわからない。ビジネスとして正しい態度なのかもわからない。
でも、こういうのがほんとの仕事だよねっ!て思う。
この熱さと覚悟に、感動した。
立川シネマシティ。出来た最初からよく通った、子供のころからの思い出の映画館。
かっこよすぎるぜ!!
日本に帰ったら、ぜったいもう一度、通うぜ!!!
同い年の人が、子供のころからの思い出の映画館を、こんな風に・・・・感無量だ。
なんか、仕事の大事なものが、キラキラ詰まっているような気がする。
こういうのが本物の仕事だぜって思う!!!
しかしそんな設備に投資をして、ちゃんと元は取れるのだろうか。遠山室長は公式サイトで高らかに宣言していわく、
「採算? 我が仕事に一片の悔いなし」
なのであった。はたしてその真意やいかに。最高にラブリーなお話の始まり始まり。
中略
いろいろな企画を通じて、「映画を映画館で観る意味とは何か」を追求するのが僕の仕事のテーマなんです。
──具体的に“意味”って何なんですか?
ひとことでは言えません。基本的には日常生活を遮断し、作品に没頭できる空間であるということ。そしてこれまでお話しした、家庭ではありえない音響で映画の世界に没頭できるようにすることもそうです。映画館はファン同士が集まる場にもなります。たとえば『パシフィック・リム』のイベントなら、敵を倒した瞬間、みんなが立ち上がって拳を振りあげる。完全なるアトモスフィア。スクリーンの障壁がなくなって劇空間と現実空間が完全に融合する瞬間。言葉にならず、ただ涙が出る。ここにいるやつらが全員パシリム好きなんだ、やった! 勝った……勝ったぞおおおお!
──大丈夫ですか。
そういう喜びをみんなで共有する場。それが成立するんです。共感が、感動を何十倍にも増幅させるんです。
──それが本当の意味で『体験』なんだと。
常識破りの成功 映画館に革命を 立川シネマシティ「極上爆音上映」の野心
文●盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/355/355161/