『映画大好きポンポさん』 杉谷 庄吾【人間プラモ】著 肩書が欲しいだけのワナビーを超えて、それそのものを愛すること

映画大好きポンポさん2 (MFC ジーンピクシブシリーズ)

評価:★★★★★5つ
(僕的主観:★★★★★5つ)

確か哲学さんにおすすめされたもの。結構話題になっている上に、アニメ化するという話なので、知っいる人は知っていると思うのですが、これ、傑作です。映画への愛溢れて、素晴らしい。もともとは、映画紹介のための、よくある小作品という設定だと思えるんですが、作者の力量と物語の力が、どんどん膨らんで大きくなった感じの、めずらしい作品。とりわけ、きれいにビルドゥングスロマン(成長物語)としてまとまっているものよりも、2巻が、僕は好き。★5は、誰が読んでも面白いうえに、何かのプラスアルファがある!という僕的評価で、物語が終わっていないのに、文句なしで5つ出るのは、読んでほしい!という表れなので、ぜひ読んで!。という気持ちです。作者さん、大した才能だぜ!。スピンオフの作品読んで、素晴らしいので、この人、物語を作る才能があるんだろうと思う。


あんまり考察書いていると読みにくいうえに、記事の数書かなくなってしまうので、個人用読書メモみたいな感じで。今日は短く。


2巻が素晴らしい。ジーンくんの、創作の狂気、クリエイターの性を、ガツンと示してくれるところが、たまらない。それに、追い詰められたジーンくんが、創作においてブレイクスルーするさまの具体的な手法、道筋が、胸にグッとくる。彼は、映画が好きなだけのヲタクで、華麗な才能も、天才性もない。けれども、愚直に、「繰り返す」ことだけはできる。そして、富や名声や「監督である」ことよりも、「自分の好きな誇らしいものを捜索する」という情熱が、はっきりと勝っている。美しいな、と思う。なんでこれに感動するかというと、ジーンくんの映画への情熱が、「ワナビー(何かになることだけが目的)」で「ない」ことがはっきり示されているからだと思う。ともすれば、ビルドゥングスロマン(成長物語」というのは、憧れたものに「なれた!」(1巻はまさにそうだよね)というサクセスストーリーを描くので、その人(主人公)が、ワナビーなだけの陳腐なやつなのか、肩書を超えて「それそのものをが好き」なのかが区別がつかなくなってしまう。けど、2巻の話は、それの枠組みをぶっ壊す話なので、えがった。



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全部いいですよ、買いましょう!。それぞれで紹介されている映画を見直したり、見て見たくなって、うずうずします。


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